モデル仲川希良の「山でお泊まり」北アルプス・白馬大池編Vol.3
ランドネ 編集部
- 2018年10月19日
雑誌『ランドネ』9月号からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの連載「山でお泊まりレポート」。
11月号は、北アルプスの白馬大池へ。前々回、前回に引き続き、スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報を、4回にわたって美しい写真とともにお伝えしてきます!
***
二日目の朝、空が白んできたころ、山小屋を出発しました。少し高いところから日の出を眺めようと思っていたのですが、辺りがずんずん明るくなってきたのでちょっぴり焦って早足に。
太陽を背にする私の視界がピンク色に染まり始め、その色が一段と濃くなったとき、もうそろそろだ! と振り向くと……
▲生まれたての赤い光!
▲ハイマツについた朝露の一粒一粒もキラキラ
圧倒的な太陽の力に、言葉を忘れて見入ってしまいました。
あんなに青かった白馬大池や、緑のハイマツを、真っ赤に染め上げていく朝日。そして私もまた景色の一部として同じ色に包まれていることを、とても幸せに感じました。
このあとしばらくは赤い色のなかを進むという、素晴らしい歩き出しに。
▲夢心地で朝焼けを眺めました
稜線をたどって歩きながら、あまりの絶景続きにぼんやりとさえしてきます。そんな私の意識をパッと引き戻してくれるのは、足元で風に揺れる花々。
▲岩の陰にかわいいピンク
けっして 易しいとは思えない環境で懸命に咲いている姿がなんとも可憐です。でも花としてはほかを知るわけでもなし。自分の場所で自分の役割を全うしているだけなのですよね。そこがまた良い。
そしてなんと、ライチョウにも出会うことができました。
▲見えるかな……!?
見つけられたうれしさと、仲間にも伝えたい一心で、「ほら見て、あそこ……!」と小声ではしゃいでしまう私を、じっと見つめてくるつぶらな瞳。かわいい。
山の住人が姿を見せてくれると、自分がそこに受け入れられた気がして、ちょっとうれしくなります。
山で過ごす2日目は、そうやって山と自分とがなじめている瞬間が多い気がして、これぞ、お泊まりをして山で長い時間を過ごす醍醐味なのではと思います。
小蓮華山まで続く、空のなかを進むような縦走路を歩きながら、この絶景にさえも慣れ始めていることにふと気づいて、しみじみ贅沢だなあと感じたり。
▲どこまでも進みたくなる稜線
山小屋から2時間ほどで、小蓮華山の山頂に到着しました。
気持ち良さそうな稜線はまだまだ続いているけれど、今日はここまで。
ささっと降りるには名残惜しくて、ここでお弁当を食べることにしました。
▲山小屋で作っていただいたお弁当
▲私、すごいところにいるなあ……
白馬にいる幸せを、もう一度じっくり噛み締めます。
力強い岩や雪渓を乗り越えたどり着いた、箱庭のように調和した白馬大池。空中散歩気分でどこまでも行ける気がする、魅惑の稜線。どこを切り取っても常に、自然の大きな美しさを感じさせてくれる。
空中の楽園のような場所でそんなことを思いながら、同時に私は、稜線歩きの途中で見下ろした先に小さく見えていた、里のことも考えていました。下山してあそこに降り立ったとき。山の上にはこんな世界があることを、自分の体で確かに感じてきたのだと思い起こせること。それもきっと、とても幸せなんじゃないかしら。
憧れだった場所を知ることができた喜びに改めて包まれて、山を下り始めたのでした。
次回は下山後のお楽しみについてレポートします♪
***おまけ***
張り切ってつけてきた、白馬岳の缶バッヂ。でも本物の姿は写真の左奥、雲の後ろに隠れています。
お天気と時間の関係で今回は小蓮華山までとなりましたが、また来ればいいよね。白馬岳山頂はいつかのお楽しみにとっておきます!
写真◎樋口勇一郎
Share
Profile
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。