「いくつになっても、女を楽しむ」膣ヒップトレーナー・Mikuさん|トレーナー探訪 YOLO / コンテンツディレクター 久下 真以子 2021年02月24日 フィットネス業界を支えるトレーナーを訪問して、仕事へのやりがいやトレーニングへのこだわりをインタビューする連載企画「トレーナー探訪」。 第12回は、「膣ヒップトレーナー」として活動するMikuさんです。Mikuさんは結婚を機に前職を辞め、2年前にヨガインストラクターに転身。膣やお尻周りのトレーニングの重要性を伝え続けています。 連載「トレーナー探訪」 珍しい肩書き!「膣ヒップトレーナー」の仕事とは 膣とお尻を鍛えるメリットは? 膣ヒップトレーナーと聞いて、相当なインパクトがありました。 ヨガインストラクターなんですが、自分の特色や強みを出したくて、「膣ヒップトレーナー」と名乗るようになりました。私のクラスでは主に、お尻のトレーニングの回と、膣や膣を支える骨盤底筋群のトレーニングの回に分かれています。女性の大事な部分に特化したレッスンをお客様に提供していますね。 どんなお客様が多いんですか? 世代が幅広くて、20代から50代くらいのお客様がいます。若いうちからのケアは本当にしておいた方がいいですね。例えば着物を着ていたような時代は、常に脚を閉じていましたし、正座の状態から立ち上がったりしてお尻周りを含めた下半身の筋肉を使えていたんですよ。でも、それに比べて現代の人は筋力が落ちているんですよね。 交通が発達したり、イスに座るようになって、運動量が落ちたということですね。 さらに骨盤底筋群は、膣だけでなく子宮や膀胱、直腸を支えています。ここが衰えると、内臓がドーンとのしかかってしまうんですよ。それによって、今は若い子でも尿漏れが起きる時代なんですよね。 そんなことあるんですね。膣まわりを鍛えるとどんなメリットがあるんですか。 尿漏れの他には、やはり婦人科トラブルですね。内臓が正しい位置に戻るので、生理痛やPMS(月経前症候群)の軽減、便秘の改善につながるんです。あとは、セックスに悩んでいるお客様に対しても、膣を使う意識を落とし込んでいますね。膣を締めたり吸い込む感覚が身について、パートナーとの関係が良くなったという方もいらっしゃいます。 自身の経験が仕事に。女性の悩みに寄り添うために ヨガインストラクターになったきっかけを教えてください。 3年前に結婚するまで、ずっと全く違う業界で働いていました。そんな中、整骨院に通っていたんです。というのも、私は生まれつき臼蓋形成不全といって、股関節や肩関節のはまり方が浅いんですよ。先生に「一生鍛えていないといけない体」と言われて、体を動かそうと思ったのが始まりですね。トレーニングや治療はその場だけでは意味がなくて、しっかり家に持ち帰って体の動かし方を自分で落とし込んでいかなかればならない。だったら仕事にしようって思ったんです。 仕事にすることで、人に教えるとともに自分のためにもなりますもんね。 結婚を機に前職を辞めたタイミングで、ヨガをはじめました。ヨガだったら、年を重ねても続けられると思ったんですよね。そんな中フィットネス界で、お尻を鍛えるブームがやってきたんです。私自身も昔の写真を見返したら、太ももの上にお尻がかぶさっているような垂れ方をしているんです!でもヨガをやったり姿勢を意識するうちに、お尻が上がっていったんですよ。だから、ヨガや姿勢を意識することでの美尻作りを、自分の強みにしました。 姿勢は本当に大事なんですね。 膣トレに関しては、実は20代のころからずっと自分でやってたんですよ。10代から20代前半にかけて、細い子に憧れてずっと過激なダイエットを繰り返していて……生理が止まった時に婦人科に行ったら、女性ホルモンの数値が少なすぎると指摘されてしまったんです。さらに、女性ホルモンの1つであるエストロゲンが年齢を重ねていくごとに減っていくことも知って、食生活の改善や膣トレをしてみようと思ったんです。 関節が浅かったことによってたどり着いたお尻トレーニング、過激なダイエットによってたどり着いた膣トレーニング、それが合わさって今の「膣ヒップトレーナー」があるんですね。 女性特有の悩みって、話したくても打ち明けられないこともあるじゃないですか。自分だけで抱え込んでいる人たちの手助けになって、光になれればいいなと思っているんです。実は膣も筋肉なので、インナーマッスルを鍛える上で重要な部分なんです。鍛えて内臓の位置を戻して、無理なダイエットをせずとも女性らしいボディライン作りを提案し続けたいですね。 自分の体も人生も、まるごと愛して受け入れる 「顔と同じくらい大事」デリケートゾーンのケア レッスンをする上で心がけていることはありますか。 オープンな接し方でいることですね。恥ずかしいと思う人もいる分、こちらがオープンでいればお客様も心を開いてくれるのが早くなるんですよね。去年1年間だけでも何百人という女性とお会いしたんですけど、「ドンと飛び込んで来い」みたいな器があるらしくて(笑)。話せてスッキリした、という言葉もいただきましたし、心が軽くなることもすごく大事だなと感じています。 しっかりと自分の体と向き合えることは大事ですね。 デリケートな部分も、顔と同じくらい大事じゃないですか。何なら顔よりも手入れしてあげないと本当に乾燥するところでもあるので、しっかりケアをすることは大切です。また、女性っていろんなライフステージにぶち当たりますよね。妊娠や出産、更年期、閉経……心身ともに波があるのは当たり前で、それも含めて丸ごと受け入れて、人生を楽しんでほしいですね。 例えば、膣ケアって何から始めたらいいんですか? まず、市販のボディーソープで洗うのをやめてほしいですね。強力な成分が経皮吸収されたり、乾燥につながったりするので、デリケートゾーン専用ソープで丁寧に洗いましょう。お風呂から上がったら、保湿です。乾燥を防ぐだけでなく、自分の手が触れることで「ハリが足りないな」とか、今の状態を把握できるんです。自分の体のすみずみまで大事にしていると、自己愛も高まりますよ。 トレーニングに関して、初心者へのおすすめはありますか? イスに座って、ヒザにクッションやボールを挟んでみましょう。内ももまわりの筋肉は骨盤底筋群と連結しているので、膣トレにつながります。そのまま大きく息を吸って、吐く。できる人は、吐くタイミングで膣の穴をキュッと締めてみましょう。仕事の合間などに手軽にできますが、変化が見えてくると思いますよ。 人生一度きり。どんなライフステージも生き生きと お尻や膣まわりのケア、私もさっそく取り組んでみようと思いました!Mikuさんの今後の夢はありますか。 自宅兼スタジオのような感じで、自分のスタジオを持つのが夢ですね。そして、今は女性に特化していますけど、性別や年齢問わず、みんなが生き生きと毎日を楽しめればいいなと思っています。また、男性のお客様には「パートナーとして」女性のことをもっと知るための情報を伝えたいですね。日常生活における生理痛や出産の痛みは女性しか実際経験できないものですけど、パートナーが理解して大切にしてくれるとすごく救われますよね。そういった発信もしていきたいです。 今回Mikuさんのお話をたくさん聞いて、いくつになっても女性を楽しもうと思いました。 40代、50代の方々で、内面から若いエネルギーがあふれ出て生き生きしている方っていますよね。そうなるためにもやっぱり心と体の健康が大事。自分もそんな風に年を重ねていきたいと思っています。 最後に、YOLO読者に向けてメッセージをお願いします。 ”人生は一度きり”です。仕事は大事だし、生きがいを持てるのは素晴らしいこと。でも自分の体は自分だけのものなので、自分を俯瞰して見たり、立ち止まる時間を作ってほしいですね。昔の私が心の声に耳を傾けられていなかったからこそ、大切だなと感じているんです。1日5分でもいいから、自分と向き合う心の余白を作ってみてくださいね。 Miku 1984年生まれ。栃木県出身、在住。膣ヒップトレーナー(ヨガインストラクター)。自身の臼蓋形成不全や摂食障害などの経験から、膣とヒップに特化したヨガレッスンを提供している。その他、子ども向けのヨガクラスも展開中。 Instagram:miku_yogistyle その他の「トレーナー探訪」はこちらから。 連載「トレーナー探訪」 Category : トレーナー探訪 Brand : YOLO Credit : 撮影:久下真以子 Share Tweet Related [ 関連記事 ] 美脚に必要なのは内もものスキマ!股関節エクササイズ|坂井雪乃のお悩み別美脚講座5 2021.02.08 話題沸騰の音声SNS『Clubhouse(クラブハウス)』って何? 使ってみた感想をご紹介! 2021.01.30 意識すべきは「骨盤底筋」!筋トレ&ストレッチで体のゆがみを改善 2021.01.24 寝たまま骨盤を整えて健康を手に入れる!仰向けのヨガ|渡辺由布子の免疫力UPヨガ7 2021.01.17 PMS期の腰痛を根本的に改善したい…原因は血の滞り!薬剤師に聞いた対処法とは 2020.12.15 Profile YOLO / コンテンツディレクター 久下 真以子 現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。 久下 真以子の記事一覧 現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。 久下 真以子の記事一覧