Brand

  • YOLO
  • ランドネ
  • BiCYCLE CLUB
  • NALU
  • 楽園ゴルフ
  • RUNNING style
  • MY LIFE RECIPE
  • Yogini
  • トリコガイド

Keishi Tanaka「月と眠る」#2 アウトドアへの扉が開くとき

ランドネ本誌で連載を続ける、ミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaの「月と眠る」
記事一覧を見る

Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちらから↓↓
>>>「ランドネNo.106 7月号」

アウトドアへの扉が開くとき

※今回は友人のカメラマン・山川哲矢氏が撮影した写真を掲載しています。

都内でもわりとよく遊んでいるメンバーで、キャンプに行ったときの話。登場人物は金髪の同級生と美容師の料理長、マシュマロが食べたいカメラマン、そして僕の4人。それぞれの説明はランドネ本誌に書いているので、そちらを参照していただきたい。とにかく、なんとなくのキャンプのイメージだけを持って集まった3人の友人とともに、アクアラインを使って千葉に入ったところから話を進めようと思う。

▲木更津で一度車を降りて、食材の調達。

市場で網焼き用のホンビノス貝や、アクアパッツァ用のアサリを購入。魚は料理長の判断によりスーパーで買うことにした。スーパーでの買い出しは、キャンプへの期待で買い過ぎてしまうこともあるが、今回のメンバーはそんなミスはしない。おそらく全国を飛び回る僕らミュージシャンやカメラマンは、非日常に対して慣れている部分があるような気がする。逆にそういうミスを20代にし過ぎたとも言える。

▲キャンプ場に到着し、まずは受付へ。

▲テントサイトを完成させるため、玄関やキッチンの場所を決める。

柿山田オートキャンプガーデンに到着し、テントやタープなどを設営したら、さっそくそれぞれの自由時間。スキレットのシーズニングを始めた僕の横で、料理長はアクアパッツァを作り始め、釣竿を借りてきた金髪同級生は川に向かい、マシュマロカメラマンはカメラを覗きながらどこかに消えた。

▲一番やりたかった釣りを楽しむ男。

小一時間ほどで基地にみんなが戻り、軽く腹ごしらえをすることになった。ビールを飲みながら軽いBBQ。僕が持っているBBQグリルは、大人がつまみ食いをする用にはちょうど良いサイズなのだ。ローストビーフを仕込みながら、ソーセージやホンビノス貝を焼いて食べる。今朝取れた貝を炭で焼いて、それを外で食べる。それだけで美味い。

▲本誌連載では、フィルムカメラでの1枚を公開。

▲焚き火も同時にスタート。

▲なんだかんだみんなやりたい、炙りマシュマロ。美味しそうでしょ?

単独行動ばかりをしているわけではない。夕方、体を動かしたくなった僕らはバドミントンをすることに。大人の男4人でのバドミントン。キャンプ場の一角にコートもあり、帰りの運転や皿洗いなどを罰ゲームにして楽しんだ。ちなみに僕は全勝したため、夜に少しだけ楽をさせてもらった。さらに、ここのキャンプ場はタケノコ掘りができるということで、鍬を借りて竹藪の中へ。ひとつだけ良さげなタケノコを発見。人生初のタケノコ掘りに、一同は少々興奮気味。

▲目的を持つとチームがまとまる。人生初のタケノコ掘り。

▲これはまあまあ立派なタケノコでは!?

日も暮れてきたので基地に戻り、またそれぞれの時間を過ごす。僕が薪をくべて再び焚き火を始めれば、その炎で珈琲豆の焙煎を始める金髪同級生がいて、テーブルでは食材を切る料理長がいて、それらすべてを静かに写真におさめるマシュマロカメラマンがいる。とても良いチームに思えてきた。キャンプをする目的、過ごし方はだれに決められるものでもなく、自由にやるのが良い。日常よりも心と体に対して素直になる、ということか。

▲焚き火だけはゆずれない男。

▲珈琲豆の焙煎をしてみたかった男。

▲ただただ料理が好きな男。

▲それぞれの夜をカメラにおさめる男。

本当に採ったばかりのタケノコも焼いて食べたが、この日のメインディッシュはスパイスカレー。ご飯は土釜で炊き、スキレットで焼いたタンドリーチキンをトッピング。カレーは料理長が家で何度も試作を重ねたという自信作。それを夜空の下で食べる贅沢。本当に美味しかった。そして、燻製を作り、それをつまみにダラダラと話をするだけの時間。話題はここでしかできない深い話に……なることもなく、いつもの何気ない会話で夜が更けていく。特別なことではなく、この非日常が日常に溶けていくような感覚。気を使わない仲間とのこの時間は心地良く、ただその夜の風を楽しんだ。

▲期待がマックスの瞬間。ピクルスなどの付け合わせも乗せて完成!

▲燻製はまたしても欲張りスタイル。

▲男4人の夜はさらに更けていく。

翌朝は鳥がテントを叩く音で起こされた。もう少し寝ていたかったなと思いながら、ホットサンドを作り、焚き火でソーセージやベーコンを炙り、珈琲を飲んでゆっくりと目を覚ましていく。顔は完全に寝起きのままだが、この時間もまたキャンプならではであり、とても好きな時間である。

▲寝起きで肉を炙る男たち。鯖パテのホットサンドも作った。

▲昨夜焙煎した珈琲を淹れる。

3人は今回のキャンプを楽しんでくれていたのだろうか。「楽しかった」という言葉の裏にどんな感情があるのか、それを問い詰めるようなことはしないけど、また行きたいと僕に言ってくる日がくれば良いなと思う。もちろん、この日をきっかけに自分で道具を揃えるようならさらに嬉しい。1度目は少し強引に誘うこともある。それは僕がそうしてほしいように、きっかけはだれかに与えられるものでも良いと思っているからだ。そこから先は相性もあるし、自由に選択していけば良いというのは何にでも言えることだけど、まさにアウトドアの扉もそんな風に開くものだと僕は思っている。まただれかを誘ってキャンプに出かけようと思う。

▲今回唯一の集合写真。

★今月のニューフェイス

スノーピーク タキビ カバーオールジャケット 38,000円(税別)

キャンプシーンにおいて焚き火がマストな僕にとって、火の粉から服を守れるアイテムはとても重要。そこで出会ったのが、スノーピークのタキビシリーズ。ウエア自体が燃えにくい素材で、かつデザイン的にも好みだったこのジャケットは、アウトドアではもちろん、普段着としても活躍中。素材のほかに、ポケットの数や位置も気に入っている。

▲キャンプの前におじゃました、スノーピーク二子玉川・店長の渡辺岳さんに、燃えにくい素材のウエアを案内してもらう。背面まで回り込む大型のポケットには、グローブなどのタキビツールの収納も楽々。

▲しっかり試着し、少し大きめをチョイス!

▲今回お世話になったスノーピーク二子玉川は、関東最大級の店舗面積を誇り、テントの展示数も関東最大。アパレルアイテムも充実している。

スノーピーク二子玉川
東京都世田谷区瀬田2丁目32-14 玉川高島屋S.Cガーデンアイランド地下1階
TEL.03-6805-7796
営業時間:10:00~20:00
定休日:1月1日

〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。自主企画として、バンド編成の[NEW KICKS]と、アコースティックの[ROOMS]を不定期に開催中。また、3月20日にベストアルバム「CLIPS」、5月8日に4thアルバム「BREATH」をリリース。『ランドネ』での連載は4年目に突入。
http://keishitanaka.com/

Keishi Tanakaの「月と眠る」
その他のストーリーを見る

Share

Profile

ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

ランドネ 編集部の記事一覧

No more pages to load