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【いつか泊まりたい山小屋#9 八ヶ岳・しらびそ小屋】針葉樹林に囲まれた池のほとりの山小屋

「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。9軒目は、北八ヶ岳のミドリ池のほとりに佇む、しらびそ小屋をピックアップ。

電波も届かない、静かな森のオアシスへ

▲バスでもアクセス可能な登山口、「稲子湯」からは片道約2時間半。

その名のとおり、シラビソなどの針葉樹林が生い茂る森のなかの、小さな池のほとりに佇む「しらびそ小屋」。樹林帯のトレイルを数時間ほど歩けばたどり着ける場所にある。しらびそ小屋の大きな特徴は、小屋の目の前にある「ミドリ池」の存在だろう。池、森、山小屋という景観がつくり出す独特の世界観に、魅了される人が後を絶たない。天候がよければ、ミドリ池から天狗岳を眺めることも可能だ。

▲水中に生息するコケや藻によって池が緑色に見えることから、ミドリ池という名前が付いている。

木々のほか、まわりにはなにもない山の上なので、夜になるとあたり一帯に静けさが訪れる。夜には、満点の星空に出合えることも。電波も届きにくい立地にあるからこそ、ふもとでは味わえない時間の流れを体感できるはずだ。

▲天気がよい日は、木々のシルエットに囲まれた満天の星空を眺められる。

厚切りトーストとコーヒーと森の動物に癒される

▲外側はサクサクで内側はふんわりした食感の厚切りトーストとサラダがワンプレートになった、大人気の朝食。コーヒーの味も定評がある。

しらびそ小屋が人気の理由は、そのロケーションのよさに留まらない。とくに人気が高いのは、宿泊時の朝食でいただける厚切りトーストだ。いい具合に焼き上げたトーストにバターやジャムを載せて、サラダといっしょに提供される。立ち寄りでもいただけるコーヒーも、しらびそ小屋の自慢のメニューのひとつ。言わずもがな、トーストとの相性は抜群だ。

またもうひとつ、しらびそ小屋の滞在で登山客の胸をときめかせるのが、リス・オコジョ・ヤマネ・ホシガラスなど山小屋の周辺に集まる森の動物たちの存在。山小屋に着いてコーヒー片手に休憩をしていたら、そんな動物たちが、気まぐれにひょっこりと姿を現してくれるかもしれない。

▲山小屋のなかから、森の動物たちをじっくり観察ができることもあるとか。

山小屋から目指すおすすめルート【しらびそ小屋~中山峠 約1時間50分】

▲しらびそ小屋から中山峠までのトレイル。道の上に張り出した木の根は、濡れたり凍ったりすると滑りやすいので注意が必要。

八ヶ岳は山小屋も山頂もルート上に数多くあり、それらを繋いでさまざまな歩き方ができる。健脚な人なら、天狗岳や硫黄岳を越えて南八ヶ岳方面まで縦走するのもありだが、ここでは、森歩きをのんびり満喫できる中山峠までのルートを紹介しよう。

山小屋から中山峠までは、針葉樹林に囲まれた、ゆるやかな坂道が続く。木々の下にはコケが生い茂っているので、ルーペを持参してコケ観察したり写真撮影を楽しんだりするのも一興。中山峠の手前のあたりまで来ると坂が少し急になるので、一歩ずつゆっくりと登ろう。6月の中旬から下旬にかけては、道端にピンク色のイワカガミの群生を見ることもできる。

ただそこにいるだけで、癒されること間違いなしのしらびそ小屋。ひとりでふらりと、または山の友達といっしょに、静かで豊かな森の時間を味わいに出かけてみよう。

しらびそ小屋
https://shirabisogoya.com/
・標高:2,097m
・営業期間:通年
※新型コロナウィルス感染症対策のため、月曜と木曜定休
・宿泊料金(税込):1泊2食9,000円、素泊まり6,000円
※コロナ対策費として+1000円が必要
※冬期は+800円が必要
・電話番号:090-4739-5255(山小屋直通)
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスク・アルコール消毒液・寝袋(レンタル可)・インナーシーツ要持参

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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