山好きに愛される道具店をインタビュー #01｜天地 Ametsuchi

ランドネ /

ランドネ編集部

2022年02月04日

海外からも人気を集める一大観光地、日光。じつは日本最古の国立公園を有することはあまり知られていない。そんな雄大な自然の麓に夫婦で小さなアウトドアショップとガイドサービスを営む星野夫妻。ほんわか優しい雰囲気のおふたりにお店を開くことになったきっかけやこだわりを聞いた。

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人と自然をつなげる仕事をしたい！結婚してふるさとへUターンしたことが人生の転機

星野晃宏さんは日光生まれ日光育ち。学生時代から漠然と「人と自然をつなげる仕事がしたい」と考えていた。アウトドアメーカーに就職したのち、地元へUターンして日光市の市役所に転職した。

由香理さんは根っからのスポーツウーマン。大学は体育学部、卒業後はスポーツトレーナーとして働き、2012年に出会ったトレイルランニングで、新たな才能が開花。以来、トレイルランニングのトップ選手として活躍している。

そんな自然大好きなふたりが結婚。由香里さんは、晃宏さんの住む日光に移住した。

「日光市役所で観光事業に携わるなかで、改めて自然がバックボーンにあるこの地域の魅力や可能性を感じていました。愛着もある自分の地元で、なにか新しいことをしたいと考えていましたが、お店を始めることになったのは結婚がきっかけです。夫婦で山に登っているときに、“お店とガイドをやろうか”という話になり、具体的にビジョンを描けるようになりました」（晃宏さん）

2021年2月、日光初のアウトドアショップ「天地 Ametsuchi（アメツチ）」がオープンした。

テーマは、“for the people, for the nature, in the local”

ショップのジャンルは決めていない。いまはトレイルランニング系のお客様が多いが、今後は幅広い方々に来てほしいのだという。

「日光ってうち以外にはアウトドアショップがひとつもないので、地元のアウトドアガイドさんがガス缶を買いにくる、など日常使いもしてもらっています。喫茶店を居ぬきしたのでカウンターが残っていて、お茶をのみにふらっといらっしゃる地元の方もいますよ（笑）」（晃宏さん）

歴史ある日光で、自然と共に日本のものづくりの魅力を知ってほしい

お店に並ぶ商品は、あまり見かけないものもある。「へぇ～！」と言いたくなるおもしろいアイテムもある。こだわりは、日本のものづくり。大きいアウトドアショップでは取り扱いが難しいような少量生産の小さなメーカーのものなどを探してくるのだという。

「国内メーカーやガレージブランドが中心で、民芸品も扱っています。民芸品はもともと、自然の素材を使って日常で使える道具として作られています。じつはアウトドアと相性がいいんですよ」（由香里さん）

▲江戸時代からの伝統的な工芸品、日光彫（にっこうぼり）の手鏡やフォールディングナイフも扱う。

本来は海外旅行客も多い日光エリア。世界中の人にも日本の手仕事を知ってほしい、楽しんでもらえるお店にしたいという想いだ。

日光の自然には魅力と可能性がいっぱい！

アメツチは、ガイドサービスも行なっている。夏にはハイキング、トレイルランニングのほか、地元のガイドさんとコラボしたSUPのツアーも開催。冬は日光自慢の滝（氷瀑）を見に行くスノーシュートレッキングも魅力的！春からの釣り解禁時期にはルアーフィッシングやフライフィッシングも体験できる。日光といえば東照宮などのイメージが強い。日光って山あるの？なんて聞かれることもあるという。