世界最長の女性ロープチーム!氷河の山4,164mのブライトホルンを80人で登頂!【後編】
ランドネ 編集部
- 2022年07月12日
©Switzerland Tourism/Florence Gross
スイスで昨年始まった女性を対象とするアウトドアのプロジェクト。今年のテーマは【100%woman world record】。スイス在住で登山ガイドとして活動する私、西村志津が2022年6月17日18日に行われた、2日間ツアーに参加したようすをレポートしたいと思います。
世界最長の女性ロープチーム!氷河の山4164mのブライトホルンを80人で登頂!【前編】はこちらから!
2日目はツェルマットへ移動。4,164mのブライトホルンを目指す!
早朝にサースフェーからツェルマットまで移動。ポストバスと電車を乗り継ぎ、公共交通機関を使うと2時間弱かかりますが、今回は専用バスに乗車したので約1時間で到着。ツェルマットの村にあるヨーロッパで一番高い場所にかけられたロープウェイに乗車し、標高3,883mのクライン・マッターホルンにあるマッターホルン・グレッシャー・パラダイス駅へ。お手洗いをすませてから、アイゼンとハーネスを着用し片手にストックを一本持ち歩き出します。平らなこの雪の上もじつは氷河。クレバスが潜んでいるかもしれないので、各チームが約15m間隔の長いロープでつなぎ行動します。
ブライトホルンは氷河に覆われた標高4,164mの山。ノーマルルートは岩場のない氷河を登っていく、ヨーロッパで初心者向けの簡単なコースとして有名です。初めての4,000m峰に挑戦しやすいスイスの山です。
急勾配が始まる手前に到着すると、ガイドのスーザンが2~3m間隔のショートロープに結び換えます。距離を短くすることにより、だれかが転んだ瞬間に留まる可能性が高まるからです。
この日は天候も良く風も弱かったため、ガイドの指示でピッケルはバックパックに装着し、ストックを一本持ち登っていきました。
そして、脱落者なく80名全員で登頂することができました!撮影をしながら登ったので時間がかかりましたが、通常は登りが約3~4時間。昨年の登山では強風で吹き飛ばされそうになり、自分で写真を撮る余裕もなく、山頂に立つのもやっとでした。今回は仲間とゆっくり感動をシェアして写真を撮り合うことができました。山は毎日コンディションが異なります。今年は天候やメンバーに恵まれ、思い出に残る山行となりました。
目標の山が変更となるハプニングもありましたが、全員で気持ちを整え登頂できたことに一体感を感じました。山で一緒に過ごした時間や気持ち、写真を仲間とシェアできたことが嬉しいです。どんな状況でも山を愉しみ信頼関係を築く心持ちを大切に、より豊かな山の経験を積んでいきたいと感じる体験となりました。今回のツアーで学んだことは、体力や技術、山での危険を総合的に判断して導いてくれる、国際山岳ガイドをリスペクトして行動すること。より快適な山行を楽しむために、学びを増やしていくことです。初めての4,000m峰の登山、いつかスイスで挑戦することをおすすめします!
取材協力:スイス政府観光局
www.myswiss.jp
サースフェー観光局
https://www.saas-fee.ch/en/
ツェルマット観光局
https://www.zermatt.ch/en
100% Women Peak Challenge サイト
https://www.myswitzerland.com/en-ch/experiences/100-women/100-women-world-record/
ヴァリサーホフ・グランドホテル&スパ
https://www.walliserhof-saasfee.ch/en-us/
西村志津 プロフィール
日本山岳ガイド協会認定 登山ガイドⅡ・スキーガイド・ヨガ講師。20代にスイスやウィスラーにてスキーとハイキングガイドをして活動。帰国後JMGA認定登山ガイドⅡとヨガアライアンスの資格を取得。結婚を機にスイスへ移住。現在は2児の母。オンラインにて「スイスツアー」や「登山者のためのヨガ」を発信中!スイスと日本の架け橋となる活動に努める。
https://linktr.ee/seas_yoga_hiking_skiing
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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