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出羽三山の食文化を味わう│出羽三山で紅葉に染まる参拝路を歩く #2

信仰の山で秋を楽しむ出羽三山の旅、前回は羽黒山の石段詣を体験しました。今回は、疲れた身体にしみわたる甘味と、お宿の絶品精進料理をご紹介します。

お茶屋さんで一息

羽黒山の石段参道の急な箇所は、一の坂、二の坂、三の坂と名付けられており、なかでも二の坂はもっとも長く急です。無心で二の坂を登りきって「もうダメ、疲れた〜」と思ったとき、参道脇に現れるのが二の坂茶屋です。

△登りで疲れた脚を休めるのもいいですが、参拝後の下りで時間を気にせずのんびりするのもおすすめ。

ここの名物は手作りの力餅。ほどよい甘さの〝あんこ〟と〝きなこ〟がのった杵つき餅は、懐かしい味とともに体に力を与えてくれます。お抹茶の苦味ともベストマッチ。

 

△お抹茶とあんこ餅3個、きなこ餅2個のセット。ペロリと食べてしまいました!

山のお茶屋さんらしい板張りの店内からは、庄内平野を一望することができます。爽やかな風が気持ちいい!

△気持ちのいいロケーションでほっと一息。外の席も人気です。

二の坂茶屋

山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒山33
TEL:0235-62-4287
営業期間:4月下旬〜11月上旬、不定休
営業時間:9:00〜15:00

旅館で精進料理をいただく

山頂から来た道を下ってきたら、首にかけていたお注連を須賀の滝付近にある「注連掛け桜」にかけましょう。お注連は記念に持ち帰ってもOK。

△その昔、修験者が祓川で禊をする際にこの桜の木にお注連をかけたことから、注連掛け桜の名がついたそうです。

石段詣のあとは、出羽三山神社の門前町、手向(とうげ)宿坊街の一角にある旅館「多聞館」に向かいます。

△玄関の上には、出羽三山神社の「松例祭」に使われる大松明の一部が魔除けとして飾られています。

もともとは宿坊だったこのお宿、先々代のご当主が講(地域ごとの信仰集団)のお客さんだけでなく、広く一般に開かれたお宿にするべく旅館へと形態を変えたのだそうです。

多聞館では、精進料理を食べることができます。美しく盛られた料理は、どれもこの辺りの山や庄内で採れた食材ばかり。大女将と若女将が作るお料理は、風味豊かな出汁の味が食材の味を引き立てます。

△塩蔵された山菜やキノコをはじめ、甘くなる前の小さなメロンや、アケビの実の皮など珍しい食材も使われています。

11代目の現当主、土岐彰さんにお話しを伺うと、精進料理は山のものを食べて身体のなかから身を清めることであり、お山の神仏にお参りする準備の意味をもつとおっしゃっていました。美味しくいただき、ゆっくりと身体を休めて明日の月山登山に備えることにしましょう。

△ごま豆腐は、わさび醤油ではなく甘じょっぱいあんをかけるのが庄内地域の主流。月山周辺に自生する根曲がり竹を月山筍(ガッサンタケ)と呼び、初夏に土岐さんが採ったものを瓶詰め保存して提供しています。

旅館 多聞館

山形県鶴岡市羽黒町手向115
TEL:0235-62-2201
営業期間:通年

次回、#3では月山から湯殿山に向けて歩くルートを紹介します!

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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