山のそばでものづくり Vol.8 「キルト作家」山本淑子さん
ランドネ 編集部
- 2022年11月08日
山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、キルト作家の山本淑子さんにお話を伺いました。
Index
戸隠への移住により、400年続く竹細工に出会う
キルト作家
profile
山本淑子さん
神奈川県鎌倉市出身。キルトに魅せられ、会社に勤めながら教案へ通う。2度渡米しキルト作家ナンシークロウに技術を学び、2015年に独立。2023年2月に箱根町の「ナラヤカフェ」にて個展を開催予定。
ものづくりの原点はアメリカ南部発祥のキルト
箱根の東麓、小田原を拠点とする山本淑子さんは、キルト政策を中心にものづくりを行なっている。2007年、ある雑誌に掲載されていた特集を読んだことがきっかけで、このキルトの世界へ足をふみ入れたという。
「雑誌に取り上げられていたのは、アメリカ南部の女性たちが古着の端切れをつなぎ合わせて作った“アフリカンアメリカンキルト”でした。その自由で大胆なデザインの虜になり、『私も作りたい』という衝動に駆られて、教室へかよ追い始めたんです」
アフリカンアメリカンキルとの自由なデザイン性は、“モダンキルト”というジャンルに受け継がれている。山本さんは、アメリカ人モダンキルト作家のナンシークロウのアトリエへ二度赴き、キルトの技法を学んだ。「2013年に新横浜から小田原へ夫婦で移住しました。
山も海もある自然豊かな環境で暮らすうちに『生地を自然由来の染料で染めてみたい』と思うように。さらに山に近い場所に畑を借りられたので、染料となる作物を自分たちで育て始めました」
山本夫妻は、無農薬、無肥料にこだわる自然農法を採用。草木染めも農業も独学で、書籍などから得た知識をもとに経験を積み重ねてきた。
「昔はよく全国各地の山を歩きに夫婦で出かけていました。木々は、人が手をかけなくても元気に育っている。そんな山と同じように作物を育てたいと思ったことが、自然農法を選んだ理由のひとつですね」
キルト制作に留まらず、草木染め、農業と営みの幅を広げてきた山本さん。その行動力から生まれた作品は、木々のように生命力にあふれている。
自然由来の色は、どんな組み合わせでも絶妙に調和してくれるという不思議があります。
Shukuko Quiltの商品ラインナップ
※商品価格は、すべて店頭での販売価格となります。ウェブショップの販売価格とは異なります。
左上)リネンストール
麻織物の産地、滋賀県近江産の生地を天然染料で染色。バリエーションは全20色ほどあり、季節ごとに色を変えて販売。各11,000円〜。58cm×190cm
右上)ハブ茶
漢方薬のひとつであるエビスグサの種子、ケツメイシを炒った健康茶。栽培も焙煎も手作業。カフェインレスで、香ばしくさわやかな味。1,650円(80g)
右下)湯たんぽカバー
草木染めキルトのカバーと湯たんぽ本体がセットになっている。キルトには中綿が入っているため、よりいっそうポカポカに。各13,800円。2ℓ
モダンキルト
自由なデザインが特徴的なキルト作品。黒以外は、すベて草木染めの生地を使用。壁掛け、ソファクロスなどマルチに使える。価格未定。96cm×101cm
椅子敷き
座り心地が向上する真四角のクッション。カバーが草木染めのモダンキルト柄なので、木やスチールなど幅広い素材の椅子に合う。各16,500円。40×40cm
Share
Profile
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。