新曲『ワスレガタキ』を5/24にリリース|石崎ひゅーいが考える、山と音楽のさらなる楽しみ方とは
ランドネ 編集部
- 2023年05月29日
宇宙的感覚を研ぎすます「山と音楽のさらなる楽しみ方」をテーマに、さまざまなミュージシャンにインタビューしていくシリーズ。音楽フェスをはじめ、アウトドアフィールドで聴きたい音楽を紹介する。
エネルギーに満ちたボーカルと疾走感あふれるギターサウンドが印象的な「ワスレガタキ」を発表した、シンガーソングライターの石崎ひゅーい。以前、この連載に登場した崎山蒼志(記事はこちらから)は石崎とのアウトドア体験について語ってくれたが、石崎自身は、中学生のころからボーイスカウトに参加し、アウトドアには馴染みが深いという。
Index
ボーイスカウトでのアウトドア経験
――石崎さんは中学生のころボーイスカウトをされていたとか?
石崎:結構長いあいだやっていました。おもにキャンプをしたりゴミを拾ったり、紐結んだりみたいな……。大人も結構いて、ちょっとした悪さも教わったし、学校よりも自由でいいんですよね。ただ、やることはちゃんとやるって感じで。選りすぐりのスカウトたちしか参加できない「日本ジャンボリー」という4年に1度の大会があるんですけど、それに参加して1週間くらい山で生活するみたいなこともありました。
――ガチじゃないですか。
石崎:そうですね。バスでなににもない東北の山に連れていかれ、背丈くらいある草藪みたいな場所に降ろされるんですよ。まずはカマを手に、夜までかけて開拓するんです。やっとテントを立てたぞって周りを見渡すとただの草藪だった場所に、テントがぶわーっときれいに並んでいる。それが、すごく幻想的で。
――開拓から始まる1週間……。
石崎:そうそう。テントを立てて、トイレも掘って、ほとんどサバイバルって感じですかね。だからアウトドアは案外好きなほうなんですけど、大人になって、そこまで行かなくなってしまって。コロナをきっかけに周りがキャンプにハマりだして、触発されるように道具とか集め始めて再燃してきたってところかな。
――具体的にどういうものを?
石崎:ノルディスクのタープを買いました。あとはランタンとか。でもまだまだ全然集められていなくて。いまは荷物を運べるキャリーワゴンがほしいです!
――アウトドアはやはり近い存在なんですね。
石崎:僕、茨城県水戸市の出身なので、そもそもなにもないような田舎に住んでいて。音楽は中学生のころからはじめて、高校のころはオリジナル曲を作ってバンド活動をしていたんですけど、自然に囲まれた生活のなかで遊んでいるから、音楽と自然は普通につながっているというか。だから自然の描写も多いし、意識しなくてもめちゃくちゃインスピレーションを受けているんだと思うんですよね。
新曲『ワスレガタキ』を5/24にリリース
――新作「ワスレガタキ」はどのように制作された曲ですか。
石崎:この曲は、アニメ『Dr.STONE NEW WORLD』のオープニング曲として書き下ろしたんですけど、具体的なテーマはもらっていなくて、感じたままを書いていきました。石化してしまった人類に科学の力で新たな道を切り開いていく物語です。いま、当たり前のようにある僕らの生活は、すべて先人たちの情熱と技術やノウハウによって作り上げられたもので支えられていて、それをつないでいくようなイメージで書き始めました。それと、最近ミュージシャンの方がお亡くなりになることが続いて。坂本龍一さんもそうだし、Hi-STANDARDのツネさんとか……。僕はハイスタで育ったみたいなところもあるので、音楽家として影響を受けさせてもらったぶん、そういう意志をこれからの時代にどうつなげていくか……。おこがましいかもしれないんですけど、使命みたいなものもありました。
――バトンをつなぐような。
石崎:そうですね。『Dr.STONE』では科学を介しているけど、自分に置き換えるとそれは音楽で。なにかとなにかをくっつけると化学反応が起きて何かが生まれるように、新たな道を切り開くって音楽の世界もいっしょだなと。だから、今回、曲のフォルムは最初から見えていたというか。とにかく切り開いて突き進む……。
――アニメでは流れない展開部分もまたいいですよね。新しい世界が展開していく。
石崎:そうですね、いいんですよ! 何話目かでね、全部使ってほしいくらいなんですけど(笑)。
――そして、カップリングの「愛らしく」は、また全然違った曲でチルなラブソングですね。
石崎:そうですね。僕のなかではサウンド的にも歌のテンション感も、いい意味で力を抜いているような曲になったなと。これまで、案外そういう曲ってなかったんですけど、最初からそういう狙いがあって作った曲ですね。
――意識すると、こんな曲が書けるんですね。
石崎:いやいや(笑)。意識はあったものの、結構何曲も書いたんですけど、ギリギリにできたデモがいいねってなったんです。考えはじめちゃうと変な方向に行くタイプだから、意外となにも考えないほうがいい曲ができたりするというパターンでしたね。こういう曲って案外ないんですよ。やっぱり少し意識しないとできないタイプの曲ではあるし、完成してみて、これからもトライしていきたいなと思いました。
――こういう新しいタイプの曲へのチャレンジというのは、自分のタイミング的にもそういうモードなんでしょうか。
石崎:そうですね。去年7月に10周年を迎えて、7月までは10周年イヤーとして活動しているんですけど、これまでトライしてこなかったことにもチャレンジしていて。曲もライブもそうだし、ラジオのMCをやってみることもそうで。いま、ここで凝り固まりたくないっていう思いがあるんです。それは、やっぱり石崎ひゅーいの音楽をもっと広めないといけないなと思っているからで。「まだまだ足んねえな」みたいな気持ちがあって、やっぱり悔しいっていうか。いまできること、新しいことは積極的にやっていこうって。
――6月3日には、東京・代官山UNITでライブが開催されます。
石崎:今回のツアーはみんなの声が聞こえるというのもあって「キミがいるLIVE」というタイトルにしました。僕の声を届けに行くんですが、会場に来てくれる一人ひとりの‟キミ”の声を受け取る、そういう時間だなと思って。4月からの弾き語りツアーも毎回それだけに集中していたんですけど、代官山UNITはちょっとすごいことになりそうですね。
――バンド編成なんですよね?
石崎:そうですね。新曲の「ワスレガタキ」もバキバキのロックサウンドなので、今回初めてバンドサウンドで披露できるので、めちゃくちゃ楽しみです。『Dr.STONE NEW WORLD』では何千年も時を超えたお便りみたいなものを 主人公が受け取って、まさにその意志を受け継いでいくシーンがあって、そういうメッセージがストレートに聴いている人に届いたらいいなと思うし、いろんなとこで歌っていきたいですね‼
――最後に、料理もお得意という石崎さんに、アウトドアでおすすめの料理も教えてほしいです。
石崎:それはもうラムチョップです!こないだもみんなでキャンプしたときに持っていきました。前日から仕込んでいくんです。ローズマリーとかタイムみたいな香草とニンニク、スパイス、オリーブオイルをラムチョップに揉み込んで、1日つけておいたものをジップロックで持っていって、焼いて食べさせるっていう。めちゃくちゃうまいので、みんな喜んでくれますね。炭で焼くんですけど、結構油が出るから難しくて。もしかしたら鉄板とかで焼くほうがうまく焼けるのかな? とか、最近ちょっと悩んでいます!
Field Like Music
◎アウトドアで聴きたい1枚。
Eric Kaz/『If You’re Lonely』
ツアーの場内で流すBGMでも使わせてもらっているんですけど、Eric Kazさんの『If You’re Lonely』です。僕のバンドメンバーで、ベースを弾いてくれている隅倉弘至さん(初恋の嵐)に教えてもらったんですけど、激ハマりしている一枚です。家でもこれしか聴いてないんです(笑)。高いオーディオを買って、いい環境でレコードを聴いているんですけど、いろいろ聴く中で、これがいちばんよかったんだよなあ。レコーディングの音もよくてライブ感がある。あとはやっぱり声かな。自然の環境でも、めちゃくちゃハマると思います!
石崎ひゅーい
1984年、茨城県水戸出身。2012年7月メジャーデビュー。2013年7月、1stアルバム『独立前夜』を発表。2018年3月、初のベストアルバム『Huwie Best』を発表し、同年12月、「さよならエレジー」をセルフカバーし、配信リリース。2022年7月、10周年を迎え、同年8月、菅田とのコラボ曲「あいもかわらず」を配信リリース。映画「アズミ・ハルコは行方不明」や「そらのレストラン」に出演するなど役者としても活躍。
www.ishizakihuwie.com
Information
石崎ひゅーい『ワスレガタキ』
5.24 release
(CD)¥1,200+税
Sony Music Labels
LIVE
石崎ひゅーい2023 「キミがいるLIVE」-BAND SET-
6/3(土) 東京・代官山UNIT
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ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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