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四角友里のにっぽん“食”名山#07「弥四郎小屋のアイスコーヒー」

日本の美しい自然のなかで、長きにわたり多くの人を惹きつけてやまない尾瀬。

雪解けのころに咲き始める水芭蕉や、初夏の日光黄菅(ニッコウキスゲ)が有名ですが、そのほかにもたくさんの花々が尾瀬の湿原をかわるがわる彩り、春夏秋冬を命のリレーでつないでいきます。

▲足元で営まれる命のエネルギーが、木道を伝わって私にも流れこむよう

尾瀬は日帰りでも楽しめることが素晴らしさのひとつなのですが、「泊まる」ことによって、よりいっそう、魅力は広がります。静けさとドラマティックな表情をみせてくれる豊かな時間を過ごせるからです。

雰囲気が変わり始めるのは15時すぎから。
日帰りハイキングのひとたちは、最終バスの時間に合わせて復路へつき始めるので、湿原にいるのは、この日、尾瀬に泊まるひとばかり。のんびりとした空気が漂い、太陽の光の具合や、流れている時間がふわっと変わっていることに気づくはずです。

そんな時間帯にぴったりなのが、6軒の山小屋が集まる見晴十字路のなかで、湿原にいちばん近い場所にある「弥四郎小屋」の喫茶室「COFFEE SPOT」です。

▲山小屋が6軒集まっているので、ほかの山小屋に泊まっていても、弥四郎小屋の喫茶室を訪ねることもできます

▲尾瀬に流れる時間をともに生きてきた、建物の醸しだす雰囲気がなんとも素敵

喫茶メニューは、アイスコーヒー、フレンチプレスコーヒー、ブレンドコーヒー、アメリカンと、コーヒーだけでもなんと4種類!!
しかも、それぞれの特性にあわせて、コーヒー豆を替えているのだそうです。

夏の暑さに汗ばんでいた私は、『アイスコーヒー』を注文しました。

▲味わいや気分に合わせてコーヒーを選べるのは、弥四郎小屋ならでは

アイスコーヒーはさっぱりとした味わい。苦味やしつこさが残らず、火照った体が涼んでいきます。このアイスコーヒーは、氷を作ったりドリップコーヒーを冷ましておく手間もあるので、夏場だけの限定です。

「すっと飲めるコーヒー」を作るよう心がけているんです……とスタッフのかたが教えてくださりました。これは、歩き疲れた体に重たいコーヒーよりも、豆本来のおいしさでである酸味がほのかに香るような、“登山者のためのコーヒー”でありたいというオーナーのこだわりなのだそう。

▲ブレンドコーヒーとアメリカンはドリップ式。豆の状態で保管し、小屋内で挽いているので香り豊か。おいしい淹れ方を、すべてのスタッフが日々練習を重ねているそうです

▲ケーキは、尾瀬ヶ原で出会った歩荷さんたちが運んでくださったもの

そしてなんといっても弥四郎小屋のコーヒーのおいしさの“もと”は、小屋のすぐ外にある『弥四郎清水』に湧き出る水にあります。

▲とうとうと湧き出る弥四郎清水。ぜひコーヒーだけでなく、湧き水自体も味わってみて下さい!! 自分でこの水を使ってドリップコーヒーを淹れることを楽しみにやってくる人もいるのだとか。

山から長い時間をかけて1滴1滴、つくられていく湧き水。
コーヒー豆のなかを、じんわりと時間をかけておちていくドリップコーヒー。
約8000年もの時間を経て、泥炭層が蓄積してできた尾瀬の湿原のなかで
のんびり過ごすには、これ以上ない、最高の組み合わせなのです。

▲最高の“湿原の眺め”がある弥四郎小屋の喫茶室

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群馬側玄関口である鳩待峠から3時間。福島側玄関口の御池から3時間半、沼山峠からは4時間。見晴十字路のもっとも尾瀬ヶ原に近いため、絶好の眺望が人気のスポットです。混雑シーズンの特定日以外は、2名から個室を利用でき、部屋やお風呂からも尾瀬の景色を堪能することができます。コーヒースポットは、宿泊客だけでなく、ほかの小屋やテント泊の方も利用可能です。

Data:弥四郎小屋
TEL 0467-24-8040(予約センター)
営業期間:4月下旬〜10月下旬
アイスコーヒー500円
http://www.84658.jp/

写真◎後藤武久、加戸昭太郎、我妻一洋、四角友里

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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