立山連峰のふもと、里山風景のなかを走る「富山田園サイクリングコース」
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富山湾岸サイクリングコースに続き、ここでは富山のもうひとつの魅力である、北アルプスを望みながらのサイクリングルート、富山田園サイクリングコースをmizuさんこと今泉瑞希さんとたどってみよう。雪解けと同時に富山のサイクリングもいよいよシーズンイン。mizuさんといっしょに走った取材は昨年の秋だったが、その楽しさを振り返ってみると、また今すぐにでも富山を走りたくなってくる!
今泉瑞希
ロングディスタンスのトライアスロンに挑戦中の自転車女子。サイクリングと食べることが大好きで、プライベートで全国を走り、食べまくる。インスタグラム(mzk_cyc)をチェック!
※写真は富山湾岸サイクリングコースの一部
▼「富山湾岸サイクリングコース」の記事はコチラから。
Index
壮大な富山田園サイクリングコースの魅力を体感
日本を代表し世界に誇りうるサイクリングコースとして、ナショナルサイクルルートに指定された富山湾岸サイクリングコース。しかし富山には、それに匹敵する素晴らしいルートがほかにもある。そのひとつが今回紹介する、富山田園サイクリングコースだ。
冠雪した美しい立山連峰を望みながらサイクリングできる田園コースは、湾岸コースとはまた違った魅力を秘めている。
湾岸コースが富山湾に沿って設定されているのに対し、田園コースは立山連峰のすそ野と平野部の適度なアップダウンを楽しみながら観光地をたどる。「私、湾岸コースもいいけど変化に富んだ田園コースもすごく好き!」と、山好きのmizuさんが言うのもうなずける。
その全長約199km、最大高低差約191mというスケールは、びわ湖を一周する「ビワイチ」に勝るとも劣らない壮大なもの。そのすべてを走破するのもチャレンジングで走りがいがあるが、サイクルトレインなどの機動力を生かしながら、行きたい場所を組み合わせ、自由にコース設定することもできる。それもこの田園コースの魅力だ。
東京から北陸新幹線「かがやき」に乗れば、わずか2時間で到着する富山。「あっという間に着いちゃう」とmizuさんもそのアクセスに感激。イメージ以上にアクセスがよく、気軽に行けるサイクリングエリアとして、その魅力が大注目されている。
今年は湾岸コースだけではない、富山サイクリングの別の魅力もぜひ体験したい。
“点点サイクリスト診断”でおすすめの自転車旅をチェック!
世界遺産の五箇山合掌造り集落は足を延ばして訪れる価値アリ!
立山連峰を望み、雄大な景色のなかを駆け抜ける富山田園サイクリングコース。その魅力は絶景だけにとどまらない。コース上、さらにはそこから足を延ばしたエリアにある観光名所は、富山のサイクリングをさらに味わい深いものにしてくれる。
世界遺産、五箇山の合掌造り集落は全国区の観光地。日本人なら一度は訪れたいスポットだ。そこを自転車で訪ねるのは、一生忘れられない体験となるはず。
一方で井波、八尾といった古い町並みには、派手さはないものの心にしみる情緒がある。歴史と文化、そして生活が感じられる街並みにたたずむと、そこから動きたくなくなるほど。「いいなあ、富山」とmizuさんも思わずつぶやく。
また今回走って感じたのは、富山をサイクリングで盛り上げようとしている方々の熱い気持ち。行く先々の店や宿でサイクリストを大歓迎してくれる。
とくに今回感動したのは、南砺市にあるJR城端駅で知った輪行袋貸し出しのサービス。「初心者にも輪行しやすいように前輪だけを外すタイプの輪行袋にロゴまでプリントされてる!」とmizuさんも感激。
サイクリストを歓迎する気持ち、もっと自転車で富山のよさを知ってほしいという気持ちがにじみ出ているようで、ついつい応援したくなった。
絶景がすごい、観光地がいい、食べものもおいしい。そして人の思いが熱い。そんな心ふるえる富山へ、ようこそ。
富山田園サイクリングコースのおすすめスポット
砺波平野の田園風景を一望!
「散居村展望広場」
「こんな場所があるなんて!」mizuさん感動のインスタ映えスポットがここ。季節や時刻によって表情が変わるその景色は、田園サイクリングコースのハイライトのひとつ。「春夏秋冬、全部の景色をコンプリートしたい!」
- 散居村展望広場
住所:砺波市五谷160
https://www.info-toyama.com/attractions/41093
世界遺産に登録された合掌造りの里
「五箇山」
40の小さな集落を総称して五箇山と呼ぶが、そのうち菅沼、相倉の2集落が世界遺産に登録されている。ともに食事処や宿泊ができる合掌造り家屋もある。「来られてよかった! 最高のインスタ映えスポットです!」
- 五箇山
住所:南砺市上梨754(五箇山総合案内所)
https://gokayama-info.jp
縄で縛っても型崩れしない五箇山豆腐
「喜平商店」
古来より伝わった独自の製法で作られる豆腐は、水分が少なく縄で縛っても崩れないほど。大豆本来のうまみを凝縮した味だ。また「いぶりとっぺ」(燻製豆腐・440円)はチーズのような濃厚な味。「お酒のつまみにサイコーです!」
- 喜平商店
住所:南砺市上梨608
https://www.kihei-shouten.com/
五箇山のサイクリスト名物、羽場パン
「羽馬製菓」
このあたりを走るサイクリストが集まる、通称「羽場パン」。ヒルクライムを走った後に立ち寄る人が多いという。一番人気はmizuさんもお薦めのあんドーナツ。夏には濃厚なソフトクリームも楽しめます。
- 羽馬製菓
住所:南砺市下梨2096
https://gokayama-info.jp/archives/385
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富山を走るサイクリストを見守る
「北アルプスの眺望」
県内いたるところから見られる北アルプス。とくに県東部からは、山が近くに見えて大迫力。季節によって残雪の表情が変わるのも魅力。この写真は黒部川河口付近で撮影。
一年中チューリップが咲き誇る
「チューリップ四季彩館」
一年中チューリップが咲き誇る花と緑のギャラリー。春は「となみチューリップフェア」で300品種300万本のチューリップが咲きそろう。2022年は4月22日(金)〜5月5日(木・祝)に開催。
- チューリップ四季彩館
住所:砺波市中村100-1
https://www.tulipfair.or.jp/
清流に沿って走る散策ルート
「庄川合口ダム」
庄川水記念公園(庄川ウッドプラザ)の近くは、川沿いの小径を、のんびり散策しながら走るのが楽しい。清流に沿った道は交通量も少なく、景色を楽しみながら走れる。
おわら風の盆の舞台
「八尾の町並み」
越中おわら節の哀愁に満ちたメロディにのって踊る、おわら風の盆。坂の多い八尾の街中で披露される踊りは9月の初めにしか見られないが、その風情を感じさせる場所があちこちに。諏訪町本通りは日本の道百選にも選ばれている。
- 八尾の町並み
住所:富山市八尾町
https://www.tabi-nanto.jp/archives/663
木彫刻の町で「井波彫刻」の魅力に触れる
「八日町通り」
600年の歴史を誇る井波別院瑞泉寺の門前に伸びる石畳の通りには、伝統技術を用いた井波彫刻の看板や表札などがあちこちに。実際に彫刻しているところを見ることもでき、その奥深さに触れてみたい。
- 八日町通り
住所:富山県南砺市井波
https://www.tabi-nanto.jp/archives/663.tabi-nanto.jp/archives/663
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手打ちそばの名店
「茶ぼ~ず」
なかなか予約がとれないことでも知られる井波の超人気店。自家栽培したそば粉を使う。なめこ山菜そば1150円。そば粉で作ったプリンやケーキ、クッキーも人気。
- 茶ぼ~ず
住所:南砺市井波三日町3616
TEL.0763-82-7300
蔵をリノベーションした空間でなごむ
「越中八尾ベースOYATSU」
八尾の古民家を利用したレトロなカフェ。サイクルラックがあり、サイクリストも多く訪れる。「蔵をリノベーションしてあって、現代と昔のコラボみたいでオシャレです」」とmizuさんもお気に入り。
- 越中八尾ベースOYATSU
住所:富⼭市⼋尾町上新町2701-1
http://8-base.chu.jp
城端駅でレンタサイクル&輪行袋貸し出し!
「JR城端駅(南砺市観光協会)」
レンタサイクル「なんチャリ」を展開する南砺市。eバイクやクロスバイクなど、1日借りても1500円というお手軽さ。そして驚いたのは貸し出し用輪行袋。なんと無料! しかも市内のサイクルステーションどこでも返却可能! 写真右は仕掛人の野原善一さん。
- JR城端駅(南砺市観光協会)
住所:南砺市是安206-22
https://www.tabi-nanto.jp/nanchari/
街の向こうに日本海、能登半島が!
「富山湾を望む絶景ポイント」
魚津桃山運動公園の北側にある道からは、魚津の町並み越しに富山湾、さらにその先に能登半島が望む絶景が広がる。素晴らしい景色の中を走る写真が撮りたければ、ここは外せない!
絶対に訪れたい伝説のコンビニ
「立山サンダーバード」
コースから外れて称名滝に行く途中にある個人経営のコンビニ。お菓子をはさんだ手作りサンドイッチや、クマ、シカ、ウサギなどジビエ肉のおにぎりは頭がクラクラするユニークさ。「おにぎり売り場が動物園みたい!」
- 立山サンダーバード
住所:中新川郡立山町横江6-1
https://ja-jp.facebook.com/tateyama.thunderbird
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日本一美しい円筒分水槽
「東山円筒分水槽」
稲作で貴重な水を用水路に公平に分配するための珍しい施設。国の登録有形文化財にも指定されている。「こんなふうに水を分けるんですね。おもしろーい!」とmizuさん。
- 東山円筒分水槽
住所:魚津市東山
https://uozu-kanko.jp/library/entoubunsuisou
日本百名橋の赤いアーチ橋
「愛本橋」
かつては山口県岩国市の錦帯橋や山梨県大月市の猿橋とともに日本3大奇橋と呼ばれたが1970年代に架け替えられ今の姿に。宇奈月温泉へのゲートウェイでもある美しい橋だ。
- 愛本橋
住所:黒部市下立〜中ノ口
https://www.info-toyama.com/attractions/51015
名刹の参道はインスタ映えスポット
「眼目山立山寺の栂並木」
禅宗曹洞派の名刹として知られる眼目山立山寺。その山門前に立ち並ぶ栂(とが)並木は見応え抜群。樹齢400年で高さ約20m。ちなみに富山でトガと呼んでいるのはモミのこと。
- 眼目山立山寺の栂並木
住所:中新川郡上市町眼目15
落差日本一の滝までヒルクライム
「称名滝」
日本一を誇る350mもの落差で流れ落ちるダイナミックな滝。田園サイクリングコースからは外れるが、滝までの道は地元サイクリストに人気のヒルクライムスポットでもある。滝の手前に自転車をとめて20分ほど歩く。
- 称名滝
住所:中新川郡立山町芦峅寺
https://www.info-toyama.com/attractions/31003
世界一美しいスターバックスがある
「富岩運河環水公園」
富山市内で訪れたいのが、市民の憩いの場でもあるこの公園。園内のスターバックスは2008年にストアデザインの最優秀賞を受賞し、世界一美しいスターバックスと呼ばれる。
- 富岩運河環水公園
住所:富山市湊入船町
http://www.kansui-park.jp/
富山に来たら外せないラーメン!
「富山ブラックらーめん」
ラーメン好きなら一度は食べたい、真っ黒なスープが特徴のご当地ラーメン。富山市内には多くの有名店があり、味を競っている。黒いのは醤油が濃いからだが、コショウも大量に使われていてスパイシー。一度食べたらやみつき!
- 富山ブラックらーめん
住所:麵屋いろは富山駅前CiC店 富山市新富町1-2-3 CiC B1F
https://www.menya-iroha.com/
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富山県にはサイクリストにやさしいサービスが充実
自転車を安全な場所で保管できる
サイクリストに優しい宿
県内にはサイクルラックや空気入れ、工具を常備し、宿泊時に自転車を安全に保管できるサイクリストフレンドリーな宿が多くある。その情報は下記の「とやまサイクルナビ」内に詳しく紹介されている。
- 喜代田旅館
住所:富山市総曲輪1-8
https://kiyotaryokan.jp
自転車をそのまま持ち込める
富山地方鉄道のサイクルトレインが超便利!
富山市から東方面、立山方面、宇奈月方面へ運行する富山地方鉄道は、サイクルトレイン(自転車持ち込み)を実施。土日祝日のみ全線で利用可能で、持ち込みは無料。特別なラックなどはないが、予約も不要なので気軽に利用できる。称名滝や黒部宇奈月温泉へのアプローチにぜひ利用したい。
富山のサイクリング情報丸ごとゲット!
とやまサイクルナビ/とやまサイクリングマップ
とやまサイクルナビはコース紹介、グーグルマップと連動した見やすい地図はもちろん、サイクリストに優しい宿、レンタサイクル、さらにはグルメ情報や最新ニュースまで網羅したサイト。そのほか情報満載のとやまサイクリングマップもメチャ便利!
▼「とやまサイクルナビ」の詳細はコチラから
とやまサイクルナビ
富山田園サイクリングコースのMAP
富山平野と、その東側から南側に広がる山地との境を縫うように走る田園サイクリングコース。かなり細い道がコースになっている場所もあり、コース案内表示をたどる楽しさもある。コースを外れて足を延ばして楽しめるのも大きな魅力!
「とやまサイクリングマップ」の詳細はコチラから
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TEXT:編集部 PHOTO:樋口勇一郎 CYCLIST:今泉瑞希
取材協力:富山県
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