Food

美肌や免疫力を支える「ビタミンA」が多い食材は?効果的な食べ方とは?

2019/11/21

美肌、免疫強化、ドライアイ対策に必須の栄養素

ビタミンAは、レチノールやβーカロテンなど、体内でビタミンAとして働く栄養素の総称です。昔から「風邪予防にはビタミンA」といわれるのは、粘膜を強くして菌やウイルスから体を守る作用を期待できるからです。他にもトレーニングやスポーツに欠かせない多彩なパワーを秘めているので、体を動かすのが大好きなアクティブ女子必見です!

ビタミンAの働き

1.粘膜や皮膚を丈夫にする

ビタミンAは、口腔、肺、消化器官、膀胱、皮膚を健やかに保つ働きがあります。皮膚や粘膜は、菌やウイルスといった外敵から体を守るための大切な組織。のどや鼻などの粘膜を丈夫にすることは、免疫力の向上にもつながります。近年では、ビタミンAを多く摂っている人ほどガンの発生率が低いという報告もあります。

2.酸化を防ぐ

強い抗酸化力で、細胞を酸化させるフリーラジカル(悪質な酸化物質)から体を守る働きがあります。また、血中コレステロールが酸化して悪玉コレステロールになるのを防ぎ、血液をサラサラに。その結果、巡りがよくなり代謝が上がるので、疲れにくい体づくりやコンディショニングにも役立ちます。

3.目の機能を維持する

目の粘膜の潤いを保つほか、目が光を感知するのに必要なロドプシンという物質の主成分となり、目が正常に働くために欠かせません。涙の量を増やしてドライアイを防ぐ役目もあります。

4.成長を促す

ビタミンAは、すべての細胞の成長と分化を制御する働きがあり、健康な髪、肌、骨の成長に欠かせません。特に妊娠中は、お腹の赤ちゃんの発育に不可欠であるため、食事での強化が必要となります。

5.赤血球の産生を助ける

赤血球細胞の産生にはビタミンA(レチノイド)が関与しています。さらに、ビタミンAは赤血球中で酸素運搬の役目を担うヘモグロビンに、鉄を供給するのを助ける働きがあります。つまり、ビタミンAは赤血球の産生をサポートする栄養素といえます。

ビタミンAが不足すると…

ビタミンAは粘膜や皮膚の健康維持に働くため、不足すると、のどや鼻、泌尿器の粘膜が荒れ、免疫力が低下。細菌やウイルスの感染、それによって気管支炎や膀胱炎にかかりやすくなります。症状が長引き、悪化すると、肌荒れや髪の傷み、爪の変形などのほか、吐血や下血、さらに栄養吸収障害、代謝低下、慢性疲労などのリスクも高まります。粘膜の代謝不良によって生殖腺が萎縮して、性ホルモンの分泌が低下し、その結果生殖機能が低下することも。女性の場合、卵巣の成長や卵子の形成障害、男性の場合は精子の形成障害が起こりやすくなります。妊娠中の場合は、胎児の発育に影響を及ぼすこともあり、成長期の場合は発育障害の恐れも。

マラソンやスキーなど乾燥した空気に触れる時間が長いスポーツを楽しむことが多い人は、粘膜が傷みやすいだけでなく、有酸素運動によって体が酸化するリスクもアップ。酸化は疲労の原因になるので、ビタミンAの強化が効果的です。ビタミンAが粘膜や皮膚を強化し、抗酸化作用によって疲労の予防や回復促進につながるでしょう。

ビタミンA欠乏症としては「夜盲症(やもうしょう)」が知られています。ビタミンAには、目が光を感知するのに欠かせないロドプシンという物質の主成分になるため、不足するとロドプシンの合成が滞り、網膜の機能が損なわれて暗いところで物が見えにくくなるのです。夕方になると、歩いていて人とぶつかりやすくなったり、つまづいたり、目に痛みが起こったり、光が過剰にまぶしく感じるといった症状が表れます。また、目がとても渇き、まぶたを開けているのが辛いほどのドライアイになるケースも珍しくありません。

とはいえ、通常の食生活において、ビタミンAだけが不足するということはあまり考えられません。もし、ビタミンA不足が起こったなら、それは極端なダイエットや感染症、栄養吸収障害などによる栄養失調を疑いましょう。特にタンパク質不足は、血液中のビタミンA移送力低下につながるため、結果的にビタミンA不足に陥ることも。肉や魚介、乳製品といったタンパク源をカットするダイエットには注意が必要です。

ビタミンA、プロビタミンAを含む主な食材

ビタミンAは、

・レバー類
・ウナギ
・卵黄

などの動物性食品に多く含まれています。体内で必要に応じてビタミンAに変わる「プロビタミンA」と呼ばれる栄養素には、カロテンやリコピンなど、赤、黄、オレンジ色の色素成分であるカロテノイド類があります。

プロビタミンAの中で最も摂りやすいのはカロテン。

・ほうれん草、春菊、モロヘイヤなどの青菜
・パセリやバジルなどのハーブ
・ニンジン、カボチャなど

さまざまな野菜に含まれていますが、カロテンの効力はビタミンAの1/12ほど。動物性の食品と合わせて、こまめにバランスよく取り入れるのがベターです。

ビタミンAの効果的な摂り方

ビタミンAや、カロテンやリコピンといったプロビタミンAは、いずれも脂溶性。少量の油と一緒に取り入れることで小腸での吸収効率が高まります。たとえば、ビタミンAを含むレバーとカロテンを含むニラを油で炒めたレバニラ炒めは優秀なカロテン強化メニュー。ブロッコリーやニンジンの温野菜サラダを食べるときも、ノンオイルドレッシングより、マヨネーズやオリーブオイルを使ったドレッシングで食べるのがオススメです。

たとえばニンジンの場合、生でそのまま食べた場合、β-カロテンの吸収率はたったの8%ほどですが、加熱をして少し油を加えて食べることで70%にまでアップ。また、ニンジンは皮の周りにカロテンを多く含んでいます。その量は中心部の約2.5倍。できるだけ皮を剥かずにそのまま食べることで、β-カロテンを無駄なく摂取できます。皮付近には抗酸化作用のあるポリフェノールも多く含んでいるので、栄養を無駄なく取り入れるなら「皮ごと」が賢い食べ方です。

プロビタミンAの一種であるカロテノイド類は、体内で必要に応じてビタミンAに変換されますが、その量はごくわずか。ビタミンAを摂取した場合の12分の1程度とされています。カロテンやリコピンは緑黄色野菜に多く含まれていますが、それらを中心にビタミンAを補おうと考えるのは効率的ではありません。日頃の食事でこまめに取り入れるだけでなく、動物性食品に含まれるビタミンAと合わせて摂るよう心がけましょう。

ビタミンAの抗酸化力は、単独で摂るより他の抗酸化成分と合わせて摂るとパワーがアップします。特にビタミンC、Eと合わせて摂ることで抗酸化力が格段に上がります。

また、脂溶性のビタミンAは、体内に蓄積されるという性質があり、摂り過ぎると過剰症の恐れがあります。通常の食事では過剰症が起こる可能性は低いといえますが、サプリメントやビタミン剤を大量に摂取した場合は注意が必要です。特に、妊娠中はビタミンAを強化するようにと指導されることから、必要以上にビタミンA剤を摂取してしまい、過剰症を発症することもあります。

過剰症の症状は、視力障害、頭痛、食欲不振、肌荒れ、肝機能障害などのほか、妊娠中であれば、胎児の口が裂けてしまう、口唇裂(こうしんれつ)を引き起こすこともあります。

つまり、ビタミンAやプロビタミンAは、日々の食事で動物性、植物性食品からバランスよく取り入れるのが賢い選択。やみくもにサプリメントに頼るのは控えましょう。

写真:藤村のぞみ(食材写真)
ライター:藤岡操(栄養士)

RECOMMEND