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若々しさをサポートする「ビタミンE」の働きや効果的な摂り方を知ろう!

女性の体に深く関わる栄養素

ビタミンEの化学名である「トコフェロール」は、「子どもを産ませる」という意味もあるほど、女性の体に深く関わる栄養素です。しかし「ビタミンCやビタミンAなら、何かと耳にすることはあるけれど、ビタミンEは…」という人も多いのではないでしょうか?女性の体を健やかに、若々しく保つのに欠かせないビタミンEのこと。ぜひ、知っておきましょう。

ビタミンEの働き

1.酸化を防ぐ

食べ物が空気に触れると酸化して傷んでくるように、人間の体も同様です。体内の脂質が酸化すると、過酸化脂質という酸化物質が生まれ、細胞を劣化、老化させてしまいます。こうした酸化から細胞を守るのが、強い抗酸化力を持つビタミンEです。ビタミンEは、脂に溶ける性質があることから、脂質を含む細胞膜に溶け込み、細胞を酸化から守っています。体内にある細胞は約60兆個。そのすべてがビタミンEによって酸化から守られ、若々しく健康的に保たれています。また、血液中にあるコレステロールの酸化を防ぐ作用もあることから、動脈硬化や心筋梗塞、脳血管疾患などの生活習慣病予防にもつながります。

2.毛細血管を広げる

ビタミンEは、体中に張り巡らされた毛細血管を広げ、血流を促す働きがあります。血流が滞りやすい手足の先まで血流を行き渡らせることで、冷え改善、肩こりや腰痛の緩和も期待できます。

3.疲労回復を促進する

疲労の原因はさまざまですが、ビタミンEには血流を促す働きがあることから、血中の疲労物質をスムーズに代謝し、疲労回復に役立つとされています。また、強力な抗酸化作用によって、疲労を予防したり回復させるなどの効果も期待できます。

4.肌の抵抗力を上げる

ビタミンEの働きによって毛細血管を広げて血流が促されることで、代謝が上がることで肌の新陳代謝も促されます。さらにビタミンEは、紫外線に対する抵抗力を上げる特性もあり、シミやそばかす対策にも有効。健康的な肌づくりをサポートします。

5.性ホルモンのバランスを整える

ビタミンEは、女性ホルモンや男性ホルモンの代謝に関与し、脳下垂体に働きかけてホルモンの分泌を促す働きがあります。特に女性ホルモンの分泌にかかわり、生理前にまつわる不調の改善にも役立ちます。さらに近年では、女性の不妊治療や更年期障害の治療に使用されることもあります。ちなみに、男性の場合、精子の数を増やして活性化させるなど、精力を高める働きもあるとされています。

ビタミンEが不足すると…

通常の食生活をしていれば、ビタミンEの欠乏はほとんどないといわれています。ただし、極端なダイエットによって油をカットしている場合、また、消化器官の疾患などの吸収阻害による欠乏症は考えられます。特に神経組織はとても敏感なので、欠乏すると、手足に力が入りづらくなったり、筋力が低下したり、視覚や触覚などの感覚が鈍ったり、痺れ感、発汗調整不良といった抹消感覚神経障害を引き起こすケースも報告されています。

顕著な症状がない場合でも、血中ビタミンE濃度が低下した場合、過酸化脂質ができやすくなります。その結果、細胞の老化が進み、動脈硬化などの生活習慣病やガンなどにかかりやすくなるともいわれています。

ビタミンEには肌を丈夫にする働きもあります。もし、急に肌が荒れやすくなったらビタミンEが不足しているかもしれません。冷えや免疫機能の低下もビタミンE不足の兆候の一つ。さらに、手足の冷えに悩まされている、風邪を引きやすくなった、お腹の不調が増えた、疲れやすくなった…などの症状に心当たりがある場合も、ビタミンE不足を疑ってみましょう。

ビタミンEを含む主な食材

ビタミンEを多く含むおすすめ食材は、カボチャ、赤ピーマン、菜の花やモロヘイヤ、パセリ、カブや大根の葉といった緑黄色野菜。これらはビタミンEだけでなく、ビタミンC、食物繊維なども多く含むので、こまめに摂るとよいでしょう。

果物の中でビタミンE含有量が高いのがアボカド。1個(100g)食べれば、1日推奨量の約40%のビタミンEを摂ることができます。緑黄色野菜を十分に摂れず、ビタミンE不足を感じたら、アボカドで補うのもおすすめです。

魚介ではハマチやサバ、メカジキ、サーモンといった青魚が狙い目。魚料理が苦手…という人は、サバ水煮缶やツナ缶を活用するとよいでしょう。

間食やおつまみなどで手軽に補給するなら、アーモンド、オリーブがおすすめ。とくにアーモンドは約10粒(12g)で1日推奨量の44%を摂れる優秀なビタミンE源。近年、注目を集めているアーモンドミルクを取り入れるのもいいアイデアです。

ビタミンEの効果的な摂り方

ビタミンEは、脂溶性なので油と一緒に摂ることで吸収効率がアップします。たとえば、カボチャなら、だし醤油で煮た和食の煮物より、蒸したカボチャにオリーブオイルと塩をかけて食べるほうがビタミンEを効率よく摂ることができます。

また、ビタミンEはビタミンCと一緒に摂ることで、相乗効果によって抗酸化パワーがアップ。ビタミンCには独自の抗酸化作用があるだけでなく、ビタミンEの抗酸化力を高める働きがあるためです。他にも、ビタミンAと一緒に摂ると、同様に相乗効果で抗酸化力がアップすることから、「抗酸化にはビタミンACE(エース)」ともいわれています。

疲労回復効果を期待できるビタミンEは、アスリートが強化する栄養素の一つ。かつては、オリンピック選手がビタミンEを強化していたという歴史もあるそうです。強力な抗酸化作用があるので、ランニングやスイミングなど、ハードな有酸素運動を行う人は、こまめに補給し、疲労回復に役立てましょう。

ビタミンEは、通常の食生活において摂り過ぎの心配は少ないといわれていますが、サプリメントなどで摂る場合は、過剰摂取による血液凝固機能の低下による出血時のリスクが高まります。不足の恐れも少ない栄養素なので、普段の食事で、緑黄色野菜や魚介などをバランスよく取り入れれば問題ないでしょう。

撮影:藤村のぞみ(食材写真)
ライター:藤岡操(栄養士)

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