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トレーニング女子必見!細胞レベルで重要な働きを担う「カリウム」に注目

「カリウム」は体内の水分調整や神経伝達など、生きていくのに不可欠

カリウムはナトリウムとともに体液を構成する主要成分。つまり、生きていく上で欠かせない栄養素です。でも、カリウムって何に含まれているの?ちゃんと摂れているのかしら?意外と知らないことが多いかもしれません。夕方になると足がむくんでパンパンでつらい、寝ている時や運動中に脚がつることがある、スタミナ不足で疲れやすい、血圧が気になる…そんな人は、カリウムの働きと食べ方を要チェックです。

「カリウム」の主な働き

1.体液を一定に維持

体液とは体を満たしている血液、リンパ液、細胞内液(組織液)といった液体の総称。体液は体中を巡り、栄養、酸素、老廃物、二酸化炭素、ホルモンなどの運搬する役目を担う重要な体の構成成分です。カリウムは体液の中でも細胞内に多く存在し、浸透圧を調整して一定に保つ働きがあります。これによって細胞は栄養や酸素、老廃物などのやり取りをスムーズに行うことができるのです。

2.血圧を調整する

カリウムは体液中のナトリウムとのバランスを保つためにも不可欠。体内で増えすぎたナトリウムと水分を細胞の外に出し、さらに腎臓でナトリウムが再吸収されるのを防いで尿への排出を促すことで、塩分過多による高血圧を防ぐ働きがあります。

3.むくみ改善

体液は一定のカリウムとナトリウムのバランスを一定に保つ必要があるため、塩分を摂り過ぎてナトリウムが増えすぎると体内の水を保持してバランスを保とうとします。これがむくみの原因。カリウムは余分なナトリウムと水分を排泄させ、むくみを改善します。

4.エネルギーを作る

カリウムは細胞内でのエネルギー産生に欠かせない酵素の働きをサポート。筋肉細胞内でのエネルギー産生に関与しています。

5.神経伝達を支える

神経細胞は電気信号を使って情報を伝達します。そこで必要となるのがカリウムやナトリウムなどの電解質。この2つが互いに電気信号を出し、神経細胞との情報伝達を行っています。神経伝達は、メンタルはもちろん運動機能の維持、向上にも重要なシステム。ストレス撃退やうつ病の予防などにも大きな役割を果たしています。

「カリウム」が不足すると…

カリウムの摂取量が不足していると、余分なナトリウムの排泄が滞り、高血圧を起こしやすくなります。また同時に水分の代謝も停滞し、余分な水分が体内に滞り、むくみを引き起こします。むくみは冷えを招き、冷えは代謝を停滞させ、疲れや肥満の原因になることも。カリウム不足が長く続くと、こうした悪循環に陥り、手強い冷えやむくみ、肥満などの不調を呼び起こすことも珍しくありません。

さらに、カリウムは細胞内でエネルギー産生に欠かせません。不足すると、筋肉はスムーズにエネルギーを作り出すことができず、運動機能が低下。運動中に脚がつったり、けいれんを引き起こすことも。特に大量の汗をかいた時は、カリウムは汗とともに排出され、「低カリウム血症」と呼ばれる状態になります。夏バテで疲れてだるくなったり、無気力になるのは、カリウム不足の可能性が高いといえるでしょう。

ちなみに、カリウムは摂り過ぎても尿と一緒に排泄されるので、過剰症の心配はありません。

一日に必要な「カリウム」摂取量は?

成人女性の場合、

カリウムの摂取目安量は2000mg、目標量は一日2600mg以上

とされています(「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)。

目安量は、体を維持するために適正と考えられる量であり、現在の日本人の摂取量から考慮した値。一方、目標量は、高血圧を中心とした生活習慣病の発症予防および重症化予防の観点から設定されています。腎機能に異常がある場合は摂取量に制限が必要となる可能性があるので、医師に相談しましょう。

2000mgのカリウムを摂るためには、植物性の食材をしっかりと摂ることが大切です。

「カリウム」を含む主な食材


カリウムは細胞の中に存在することから、ほとんどの食品に含まれます。特にバナナ、メロン、アボカドなどの果実類、ホウレン草、明日葉などの野菜類、サツマイモや大和芋などのイモ類、納豆、大豆、小豆などの豆類のほか、海藻、肉、魚介類にも含まれています。ただし、カリウムは水に溶け出しやすく熱に弱いという性質があるため、同じ食材でも調理によってカリウムの量が大きく変化します。特に青菜は損失が大きいので、チェックしておきましょう。ちなみに、芋類、豆類、カボチャなど、デンプン質を含むものは加熱による損失が少ないので、上手に活用しましょう。

例:ホウレン草の調理別カルシウム含有量 (100gで比較)

ホウレン草/生:690mg
↓ -200mg
ホウレン草/ゆで:490mg
↓ -400mg
ホウレン草/ゆで・冷凍:90mg

カリウムが多い主な食材

大和芋(100g):590mg
里芋(100g):560mg
焼き芋(100g):540mg
トマトジュース(200g):520mg
鶏ササミ(焼き100g):520mg
枝豆(ゆで100g):490mg
カボチャ(ゆで100g):480mg
豚モモ肉(焼き100g):450mg
野菜ジュース(200g):400mg
明日葉(ゆで100g):390mg
無調製豆乳(200g):380mg
バナナ(1本100g):360mg
アボカド(1/2個50g):360mg
鶏ササミ(ゆで100g):360mg
メロン(100g):350mg
納豆(1パック50g):330mg
キュウリのぬか漬け(50g):305mg
大豆(ゆで50g):285mg
昆布(乾燥5g):265mg
わかめ(素干し5g):260mg
カブのぬか漬け(50g):250mg
ブラックタイガー(100g):230mg
豚モモ肉(ゆで100g):200mg
ホタテ貝柱(50g):190mg

「カリウム」の効果的な食べ方

水溶性のカリウムは、体内に溜めておくことができないため、一度にたくさん摂るのではなく、こまめに摂るのが効果的。カリウムを多く含む野菜や果物、豆類などを、毎日、毎食欠かさず摂るよう心がけましょう。

カリウムは熱に弱く水に溶け出す性質があるため、効果的に摂るにはサラダや漬け物など、生食がおすすめ。サラダを作る際も、カットして水に長時間さらすと断面からカリウムが流出してしまうので、水にさらすのは1~2分程度に控えるのが賢明です。果物は基本的に生で食べることが多いので、優秀なカリウム源。水分、ビタミン類も同時に取れるので、体内の水分入れ変えを促進するのにもぴったりです。

冬場は体が冷えるのでサラダはあまり食べたくない…そんな時は根菜の出番。芋類に含まれるカリウムは熱に強いので、煮物やスープにするのもおすすめ。スープにカリウムが溶け出すので、余すことなくいただきましょう。

水分の摂り過ぎでトイレに行く回数が増えた時や汗をたくさんかいた時は、カリウムも一緒に排泄されてしまいます。お茶やコーヒー、お酒をたくさん飲んで排尿が増えた時、猛暑日、激しい運動をした時などは、意識してカリウムを多く摂りましょう。失われた水分とカリウムを同時に摂れる、果物や野菜ジュース、トマトジュースを飲むのもおすすめです。

糖尿病や高血糖で通院している人、腎機能に問題がある人は、カリウムの摂取量について、かかりつけの医師に相談してください。

写真:藤村のぞみ(食材写真)
ライター:藤岡操(栄養士)

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