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女性に多い大腸がん予防にも。「食物繊維」の多彩な働きと食べ方を知っておこう

お通じを整えるだけではない「食物繊維」の働き

食物繊維は体に吸収されることがありません。そのため、かつては体に必要ないと思われていた時代もありました。もちろんそれは大間違い!食物繊維は健康維持に欠かせない栄養素の一つ。今では、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素と、ビタミン、ミネラルに続く〝第六の栄養素〟として重要視されています。お通じを整えるだけではない食物繊維の働き、アナタはいくつ知っていますか?

「食物繊維」の主な働き

1.腸内環境を整える

食物繊維は人間の消化酵素では消化吸収することができません。そのため、食事で摂った食物繊維は分解されることなく腸に届き、便のカサを増し、腸壁を刺激して便通をよくする働きがあります。また、食物繊維は腸内細菌のエサとなり、免疫力向上など健康効果のある物質を作り出すこともわかってきています。腸は自律神経とも関わっているため、腸内環境が整うことでホルモンの分泌もスムーズに行われ、肌荒れなどの予防にもつながります。このように、食物繊維は多角的に腸内環境の改善に貢献しているのです。

2.有害物質の排泄

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維があります。このうち不溶性食物繊維の中には、腸内で食品添加物や環境汚染物質などの有害物質、塩分やプリン体を吸着し、排出させる働きがあるものも確認されています。

3.大腸がん予防

食物繊維を十分に摂り、お通じが改善されて腸内環境が整い、さらに有害物質の排出がスムーズに行われることで、大腸がん予防にも。

4.コレステロールを抑制

食物繊維が腸内でコレステロールや胆汁酸を吸着、排出させるため、LDLコレステロール(悪玉)が減少。動脈硬化などの予防につながります。

5.高血糖予防

糖質を取り入れると血液中の糖が増え、血糖値が上がります。高血糖は食欲の乱れを引き起こしたり、長く続くと糖尿病や動脈硬化、肥満などの生活習慣病を招くことも。食物繊維は腸内で余分な糖を吸着し、糖質の吸収を穏やかにするため、食後血糖値の急上昇を予防できます。

6.肥満予防

肥満の原因となる脂質と糖質の摂り過ぎ。食物繊維は腸内で余分な脂質と糖質を吸着し、便として排出させる働きがあるため、肥満の予防につながります。また、食物繊維は嚙み応えがあり、お腹に溜まるので、満腹中枢を刺激して食べ過ぎの予防にも役立ちます。

「食物繊維」が不足すると…

食物繊維が不足すると便のカサが減り、便秘になる確率が高まります。便が大腸内に長く留まると、悪玉菌が増殖して便が腐敗し、発ガン物質をはじめとする有害物質が大量に発生。さらに発ガン促進物質の二次胆汁酸が大腸内に長く留まることに。つまり、大腸がんのリスクが格段に上がるのです。

さらに、肌荒れ、免疫力の低下、高血糖、肥満、動脈硬化、高血圧、高脂血症などを発症する可能性も高まります。

一日に必要な「食物繊維」の摂取量は?

成人女性の場合、
食物繊維の摂取推奨量は一日18g以上
とされています(「日本人の食事摂取基準(2015年版)」)。しかし、実際の摂取量は14.7gと、推奨量より3g以上も足りていません(「国民健康・栄養調査(平成27年)」)。

特に深刻なのは20~30代の食物繊維不足で、食材の内訳でみると、野菜などの食物繊維はそれほど減っていませんが、穀物由来の食物繊維が大幅に減っています。白米には食物繊維があまり含まれていないと思われがちですが、毎日食べ続けることで、食物繊維補給には大きく貢献しています。空前の糖質オフブームですが、極端な糖質オフでご飯やを減らした結果、食物繊維が不足し、大腸がんをはじめとする病気や不調のリスクが高まるということを、頭に入れておきましょう。

「食物繊維」が足りているかをチェック

食物繊維不足をチェックするには、便の状態を見るのが一番です。排便は一日一回、150gくらい出ていれば大丈夫。便秘がち、下痢がちな人は食物繊維が不足している可能性もありますので注意しましょう。

理想の便はこんな感じ
1.色が黄色っぽい
2.量はバナナ2本分ほど
3.するっと排便できる、ほどよい軟らかさ
4.水洗トイレの水に浮く

これらの条件を満たしていれば、食物繊維が足りているといえるでしょう。黒くてコロコロだったり、ユルユル状態の人は、食事の見直しが先決です。

「食物繊維」を含む主な食材

野菜、海藻、豆類、きのこ、果物、芋類、こんにゃくは食物繊維を多く含みます。穀類はそれほど食物繊維を含みませんが、一食あたりの割合で考えると、食物繊維の重要な供給源。特に玄米や雑穀米、ライ麦、全粒粉、蕎麦などは食物繊維を比較的多く含んでいます。

食物繊維には不溶性食物繊維、水溶性食物繊維の2種類があり、含まれる成分が異なります。偏らずバランスよく摂ることも大切なので、成分の特徴、主な食材をチェックしておきましょう。

不溶性食物繊維

・キチンキトサン 
特徴:有害物質、余分な脂質などの排出を促進、血糖値抑制など
主な食材:未熟な果物、野菜

・ペクチン
特徴:有害物質の排出を促進、コレステロール抑制など
主な食材:未熟な果物、野菜

・セルロース
特徴:有害物質の排出を促進、善玉菌増殖
主な食材:ゴボウ、玄米、大豆、全粒粉

・β-グルカン
特徴:抗ガン作用、生活習慣病予防
主な食材:干しシイタケ、キクラゲ、シメジなど

・リグニン
特徴:コレステロール抑制
主な食材:全粒粉、いちご、梨、ラズベリー、豆類、ココアなど

・コーンファイバー
特徴:コレステロール・血糖値抑制
主な食材:トウモロコシの外皮、コーンファイバー添加食品

水溶性食物繊維

・アルギン酸
特徴:高血圧予防、コレステロール・血糖値抑制
主な食材:昆布、ワカメなどの海藻類等

・ペクチン
特徴:高血糖予防、コレステロール抑制など
主な食材:熟した果物

・グルコマンナン
特徴:満腹感アップ、高血糖予防、高脂血症予防
主な食材:グルコマンナンを添加したこんにゃく

・フコイダン
特徴:抗ガン作用、抗アレルギー、血圧抑制など
主な食材:モズク、昆布、ワカメなどの海藻類

・コンドロイチン硫酸
特徴:目の機能向上、関節を円滑に働かせる、肌の保湿、骨粗しょう症予防
主な食材:納豆、すじ肉、鮭、イカなどの軟骨

「食物繊維」の効果的な食べ方

少食で主食をあまり食べない人、糖質オフで主食を大幅に減らしている人は、食物繊維不足の可能性大!主食を雑穀米や玄米、十割蕎麦や全粒粉パンにするなどして、主食から摂れる食物繊維の量を増やしましょう。合わせて野菜や海藻、きのこ、大豆食品を強化しましょう。

→→食物繊維を効果的に摂れるおすすめレシピ「ゴボウのつぶつぶポタージュ」はこちらの記事をチェック! https://yolo.style/fo_ei200329_009/

食物繊維をしっかり摂っているのに便秘になりがち…という人は、水分が足りていないかもしれません。食物繊維は、腸内で水分を吸収して膨らみ、有害物質や余分な糖質、脂質などを吸着します。その際に水分が不足していると、うまく膨らむことができず、便は小さくカチカチ、コロコロに…。スルッと排便することができず、便秘になるのです。特に不溶性食物繊維は、水分をたくさん吸収するため、不足は禁物!実際、便秘を解消するために、玄米食に変えたら便秘が悪化したというケースも珍しくありません。

食物繊維は、バランスも大事。食物繊維が多いからといってゴボウばかりを食べる…というのはナンセンス!根菜、葉物野菜、果物、海藻、きのこ、大豆食品など、偏らずに色々な食材を摂るよう心がけましょう。

写真:藤村のぞみ(食材写真)
ライター:藤岡操(栄養士)

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