シライ、トカチェフ…なぜ体操の技の名前に選手名がついてるの?
YOLO 編集部
- 2019年11月03日
体操の歴史は古代ギリシアやローマにさかのぼる
11月に開催される全日本体操競技団体選手権大会に先駆けて、体操競技の歴史と気になる謎をひも解いてみましょう。
体操競技は、鉄棒やあん馬といった器械を使うことから、器械体操とも呼ばれています。
歴史は古く、古代ギリシアやローマでも行われていたといいます。馬に乗る練習として木馬に飛び乗るなど、あん馬や跳馬の元ともいえるものがあり、軍事的にも意味があったというのです。
現在につながる体操が生まれたのはドイツとされています。18世紀ごろになると、貴族などの子息が学校に通い、そこで乗馬や武術といったものとともに、体操的な技術も教えられるようになりました。
19世紀になると、フリードリッヒ・L・ヤーンという人がベルリン郊外のハーデンハイデンで青少年に運動を教えるようになり、ここで体操の原型となる器械運動ができてきたのです。
1881年にはヨーロッパ体操連盟が設立され、以後、現在の国際体操連盟へ発展していきました。
なぜ難易度の高い未知の技は個人名が技名になっている?
体操競技では、技名を「側方伸身宙返り1回ひねり」などと、やっていることを普通にいう場合と、「トカチェフ!」などと人の名前で呼ぶ場合があります。技に個人名が付くのは、事前に申請した技を国際体操連盟が定めた国際大会で成功させると、その人の名前が通称として認定されるというものです。白井健三選手のように床で2つの技を認定されると「シライ」「シライ2」のように数字やアルファベットがつけられていきます。
1964年の東京オリンピック当時は体操の技の難度は「C」までしかなく、この大技が出ると「ウルトラC!」と報じられました。あまりに流行ったために、当時の特撮番組の名前は『ウルトラQ』になり、この次作が有名な『ウルトラマン』となったほどです。ウルトラマンが50年の歴史を刻む間に体操の難度もどんどん進化し、現在の難度は男子が「G」まで、女子が「I」まで設定されています。いつか「Q」まで行ってしまうのでしょうか。
出典:『スポーツ雑学大全』
ライター:YOLO編集部
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