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肩こりの痛みに効く動的ストレッチ!肩甲骨まわりをほぐすメソッド

肩こりがラクになる動的ストレッチとは

「肩まわりがガチガチでツラい」と悩んでいませんか? そこでおすすめなのが「ストレッチ」です。

ストレッチといっても、いくつかの種類があります。ここで紹介するのは、体が硬い人でもできる筋肉を動かすための「動的ストレッチ」。肩甲骨まわりが凝り固まった人でもラクに、気持ちよくなれるためのメソッドを紹介します。

ストレッチの種類と特徴を知ろう

ここで紹介するのは「動的ストレッチ」であり、筋肉を動かして柔軟性を高めることを目的としています。

「静的ストレッチ」とは……
動作→伸ばす 効果→柔軟性向上

「動的ストレッチ」とは……
動作→動かす 効果→筋温上昇/柔軟性向上

痛いのに伸ばすのは逆効果!?

筋肉には筋紡錘という筋肉の伸びを感じ取るセンサーがあります。痛いのに無理して伸ばしたり、勢いをつけて伸ばすと、このセンサーが反応して筋肉をこれ以上伸ばすまいと、反射的に縮ませようとしてしまうのです。

人それぞれ筋肉の硬さは違う

筋肉の柔軟性は人それぞれ。180度開脚できる人もいれば、手が床につかない人だっています。だからストレッチの最初のポーズができなくたって落ち込む必要はありません。そんなときこそ、この動的ストレッチをすればいいのです。

長時間のデスクワークはなぜ肩が凝る?

座っている姿勢は一見するとラクなようにも思えますが、実はさまざまな部位に負担がかかっているのです。

人は画面に集中すると右下図のような姿勢になります。背中は丸まり猫背となり、首は伸びて顔が画面にどんどん近づいていくこの前傾した上半身を支えているのは、首や肩、背中や腰の筋肉です。これらの筋肉は「抗重力筋」と呼ばれ、重力に抗い人の姿勢を維持しています。もしこれらの筋肉がしっかり働かなければ、前傾姿勢を維持できず、ひょっとしたら机に顔をぶつけてしまうかもしれません。

つまり、デスクワーク中の首や肩、背中や腰の筋肉には常に負荷がかかっており、緊張状態にあるのです。しかし、残念なことに私たちデスクワーカーは、週5日・最低1日8時間もこの姿勢を維持しなければなりません。私たちの肩や背中がガチガチなのは、この姿勢を何年も、人によっては何十年も続けてきた結果なのです。

長期間の負荷の蓄積によって生じた肩こりを1回のストレッチやマッサージで解消しようと思うのは少々傲慢でしょうか。基本的にストレッチやマッサージは対処療法であり、根本から解決するには、デスクワークの時間を減らすか、デスクワークの時間と同じだけ運動をして筋肉を動かすしかありません。しかし、現実的にはどちらも難しいものです。

だからこそ、肩まわりの動的ストレッチで慢性的に硬くなった筋肉を和らげたり、仕事中の90分に1度は席を立ち、これから紹介する体操を行ったりすることが大切になるのです。

デスクワーク中の姿勢を見直してみよう

デスクワークに集中すればするほど、人は左のような猫背や左右に傾いた姿勢になってしまいます。しかし、この姿勢を長時間続けると、体のどこかに大きな負荷がかかることとなり、それが肩こりなどの原因になります。正しいデスクワークの姿勢とは、後ろから見ても、横から見ても、頭・首・背骨・骨盤が一直線になった姿勢なのです。

首や肩の筋肉にはボーリング球が乗っている

頭部は体の中でもかなり重い部位。成人男性でおおよそ7〜8キロといわれており、これは16ポンドのボーリング球(約7.257キロ)に相当します。

16ポンドというと、プロボウラーが使用するような比較的重いもの。これほどの重さがある頭部を支えているのが、下図にあるような首や肩の筋肉です。

頭を支えるおもな筋肉

僧帽筋

首から背中にかけてつく大きな筋肉であり、首をすくめたりするときなどに作用します。

頭板状筋

後頭部と背骨をつないでいる筋肉であり、頭を正しい位置に据えるために作用します。

肩甲挙筋

首と肩甲骨をつないでいる筋肉であり、首をすくめたり肩甲骨を上げる動作で作用します。

正しい姿勢で座ることでこの重さを支えられるのであって、長時間のデスクワークで知らず知らずのうちに前傾姿勢になると、首や肩の筋肉に極端な負担がかかることになります。

たとえば、普段何気なく持っているカバンや買い物袋でも、腕を水平まで上げて持ってみると肩の筋肉にハリを感じることができるでしょう。前傾姿勢で座った時の首や肩には、これと同じようなことが起こっているのです。しかも、そこにのしかかるのは、カバンや買い物袋ではなく、ボーリング球ほどの重さなのです。

たえず緊張状態にあるこれらの筋肉を放っておけば、柔軟性は失われていきます。これが首や肩ばかり硬くなる原因の一つなのです。また、近年ではスマートフォンの使いすぎなどによるストレートネックも原因の一つと考えられています。

ストレートネックとは?

スマートフォンの画面を見るために下を向き続けることで、元々湾曲している首がまっすぐになってしまう「ストレートネック」。頭が前に突き出るので、首の筋肉に大きな負担がかかってしまいます。

肩甲骨まわりの筋肉をリセットすれば肩こりが治る

デスクワークで硬くなった肩まわりをほぐす前に、まず肩甲骨がどこにあるのかを知っておきましょう。下にあるとおり、肩甲骨は三角形をしており、左右の肩にそれぞれ一つずつあります。

肩甲骨はどこにある?

肩甲骨は端の一部分が鎖骨と連結しているだけで(これを肩鎖関節と呼びます)、じつは三角形の部分はどこの骨にも触れていません。つまり、肋骨との間にすき間があり、鎖骨からぶら下がっている状態なのです。

肩甲骨の位置が肩こりの原因?

では、肩甲骨と肋骨の間には何があるのかというと、答えは筋肉です。これは「肩甲骨は筋肉に乗っている」ともいえるわけであり、その筋肉が使われずに硬くなることで、肩甲骨も本来の可動域を失うことになります。さらに、デスクワークで猫背の姿勢が続くと、肩甲骨は外側に開いていきます。すると背中の筋肉が引っ張られ、肩コリや背中のハリを誘発すします。つまり、肩こりや背中のハリを治すには、肩甲骨まわりの筋肉を動かし、肩甲骨を正しい位置に戻す必要があるのです。今、この記事を読んでいるその姿勢がすでに肩甲骨を外側に開かせているかもしれないので、日ごろから背すじを伸ばす習慣をつけておきたいですね。

猫背は肩甲骨を広げてしまう

肩甲骨は鎖骨と連結しているので、猫背の姿勢が続くと肩甲骨は外側に引っ張られていきます。肩甲骨を中央に寄せて正しい位置に戻すことで、肩こりや背中のハリがラクになるのです。

肩まわりの硬さがわかる自己診断メニュー

では、はたして自分の体や肩まわりの筋肉は硬いのか?それとも柔軟なのか?ここでは肩甲骨の柔軟性をチェックする方法を紹介します。ストレッチをして柔軟性を手にするには、まずは自分がどの程度のレベルにあるのかを知っておきましょう。

【TEST1】背中で両手を合わせる

届かない……


指先を上に向けられず指同士が届かない人は、かなり柔軟性が低い傾向にあります。肩甲骨まわりのストレッチだけでも量を増やして、日頃から筋肉を動かすクセをつけましょう。

指先だけなら


指先を上に向けることができ、かつその指先同士が触れ合える人はギリギリOKです。ただし柔軟性が高いわけではないので、油断することなく日々のストレッチを継続しましょう。

ピッタリ合う!


手のひらまでピッタリと合わせられる人は合格です。あとはこの柔軟性を維持することに努めましょう。デスクワークが長い人は、猫背気味になり首や肩に過度な負担がかかりやすいので気をつけましょう。

【TEST2】両ヒジをつけたまま上げる

上がらない……


ヒジがまったく上がらない、または腕を上げるとヒジが離れるという人は、肩やワキの下の筋肉がかなり硬い可能性があります。毎日のストレッチで少しずつ柔軟性を高めましょう。

首までなら


ヒジをつけたまま首の高さ程度まで上がる人はギリギリ合格です。もっと柔軟性を高めたい人は、後述する肩甲骨ストレッチがとくにおすすめです。

顔まで上がる


ヒジをつけたまま顔の高さまで上がる人は、柔軟性がとても高いです。ただ、肩まわりの筋肉が発達している人は、柔軟性が高くても筋肉が邪魔して上がらないこともあります。

朝から体が軽くなる動的ストレッチメニュー

ストレッチ1「ロボットダンス」

このストレッチでは、背すじを伸ばすことが何よりも大切です。猫背になり手先だけで腕の上下を入れかえても、それは何のストレッチにもなりません。背すじを伸ばすことで、はじめて動かしづらい肩まわりの筋肉が使われ、肩甲骨まわりがほぐれていくことを覚えておきましょう。

【回数の目安】左右交互に10回
【ポイント】背中全体を大きくストレッチする

(1)肩のラインをそろえて両手を左右非対称にする

あぐらの姿勢でもイスに座ってもOK。胸を張って背すじを伸ばすことを意識します。肩甲骨を寄せながら行いましょう。

(2)両ヒジを視点にして上下を入れ替える

上下を入れ替えるときは肩甲骨をグッと寄せます。意識は両手ではなく、肩甲骨に向けましょう。

ロボットダンスの注意点

背すじを伸ばさなければ、肩甲骨を中央に寄せることができないので気をつけましょう。

ストレッチ2「風車」

動かしたいのはペットボトルを持つ腕ではなく、肩甲骨や鎖骨まわりの筋肉。腕が体より後ろの時は鎖骨まわりの筋肉がストレッチされ、腕が体より前の時は肩甲骨まわりの筋肉がストレッチされるので、ぐるぐる回すことで肩まわりの筋肉全体がほぐれていきます。

【回数の目安】左右5回ずつ
【ポイント】ヒザを床から離さずに腕を一周させる

(1)半身の姿勢になり上になった腕を伸ばす

上になった脚のヒザは床につけ、下になった腕は真上に伸ばして床を抑えます。腕はいつでも床と並行になるように注意しましょう。

(2)ペットボトルの重みを感じながら円を描く

ヒザを床から離さず、ペットボトルは上に向けたまま円を描きます。頭の上まで回したら手首を返し、一周したら2 回目は逆回りで行いましょう。

風車の注意点

ヒジを伸ばすことにより、ペットボトルの重みを利用して効果的に筋肉を動かすことができます。

ストレッチ3「タオルエレベーター」

タオルを下ろす動作では肩甲骨が中央に寄り、タオルを上げる動作では肩甲骨が外側に開きます。この動作をくり返すことで背中側の硬くなった筋肉がほぐれていきます。腕だけではなく、肩甲骨から動かすイメージで行いましょう。

【回数の目安】10回
【ポイント】タオルを張ったまま上下に動かす

(1)タオルの端をつかみ両手を高く上げる

親指と人差し指はタオルから離して、肩に余計な力が入らないようにします。背もたれには寄りかからず背すじを伸ばします。

(2)タオルを張ったまままっすぐ下ろす

ゆっくりと長く息を吐きながら、肩甲骨を中央に寄せる意識でタオルを下ろします。胸を張れば胸筋のストレッチにもなります。

タオルエレベーターの注意点

首まわりに力が入ると肩がすくみ、肩甲骨まわりが動かなくなってしまうので注意しましょう。

ストレッチ4「テイクオフ」

腕を下げた状態では肩甲骨は外側に広がっています。ここから腕を肩の高さで広げると肩甲骨が中央に寄ります。腕の動作に意識が行きがちですが、このストレッチのねらいは肩甲骨の寄せ広げ。逆にいえば、肩甲骨を動かす意識がないと、腕を動かしても効果は薄くなってしまうので注意しましょう。

【回数の目安】10回
【ポイント】肩甲骨を中央に寄せながら腕を広げる

(1)腰を曲げて立ち両腕を下に垂らす

足は肩幅程度に開いて、ヒザは適度に曲げておきます。腕を垂らしている状態では肩甲骨は外に開きます。

(2)床と並行になるまで腕を広げる

腕の上げ下げをくり返して肩甲骨まわりの筋肉を動かしましょう。肩の高さまで腕をまっすぐ広げることで、肩甲骨が中央に寄せられます。

テイクオフの注意点

腕をまっすぐ広げることで肩甲骨が中央に寄り、まわりのガチガチの筋肉が動いてほぐれていきます。肩甲骨を寄せることを意識しましょう。

ストレッチ5「クロールと背泳ぎ」

言葉で説明すれば「腕を大きく回す」となりますが、意識して動かしたい筋肉は、肩甲骨まわりの筋肉です。これらの筋肉を働かすには、背中から腕が生えているようなイメージで、大きく伸ばすことが大切になります。

【回数の目安】各20回
【ポイント】できるだけ手のひらを高く伸ばす

(1)天に向かってクロールを20回

天に向かって泳ぐように手のひらを高く上げて、前回しを連続20回行います。肩甲骨から上げるイメージで腕を伸ばしましょう。

(2)天に向かって背泳ぎを20回

クロールの次は、腕を後ろに回す背泳ぎを20回連続で行います。肩甲骨から上げるイメージで腕を伸ばしましょう。

クロールと背泳ぎの注意点

腕を真上に伸ばすことで肩甲骨が動くようになり、周囲の筋肉がほぐれていきます。真上に伸ばすことを意識しましょう。

デスクワークの間にできる体ほぐし体操

最後に、デスクワークなどの仕事中でも手軽に行える簡単な体操を紹介します。90分に1回程度は席を立ち、体をほぐしてあげるクセをつけておくと、肩こり、肩甲骨まわりの痛みがラクになるかもしれません。

体ほぐし体操1「ヒジ上げ」

ペットボトルを持った腕を垂らし、もう片方の手は座面について背すじを伸ばします。ヒジを引き上げて90度に曲げ、ガチガチになった肩甲骨を寄せる意識でヒジを引き上げます。

ヒジを真上に引き上げるのがポイントです。上体が傾くと、肩甲骨の引き寄せが甘くなってしまうので注意しましょう。

体ほぐし体操2「肩の前伸ばし」

イスに浅く座り、片方の腕を背中側に回して背もたれをつかみます。背もたれをつかんだまま、上体をゆっくりと前に倒していくと肩の前が伸びます。

背すじを伸ばしたまま、体を前に傾けましょう。首を傾ければ、首のストレッチにもなります。

忙しい毎日だからこそ、ちょっとしたストレッチを日々の習慣にすることで、肩や肩甲骨まわりの痛みはずいぶんラクになります。ツライ痛みをなくして、仕事もプライベートも、より楽しく過ごしていきましょう。

出典:『驚異の動的ストレッチ』(監修:中里賢一/スポーツマッサージ MARKS代表)
ライター:YOLO編集部(友廣)

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