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GI値って? 糖質制限に大切なワケをわかりやすく解説

糖質制限ダイエットのキーワード「GI値」のこと知ってる?


低GI食品であることを全面に打ち出しているダイエット食品を目にする機会は多いと思います。でも、GI値のことを知らずに、なんとなく安心感があるからと、口にしている人も多いのではないでしょうか? じつは、GI値のことを深く知ることで、ダイエットのツラさを軽減させることができるのです。そこで、管理栄養士の篠原絵里佳さんにダイエットを成功に導くGI値の基礎知識を教えてもらいました。

「GI値」とは?

GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、糖質の摂取量を制限することでウエイトダウンを目指す「糖質制限ダイエット」の基軸となる数値の一つです。GI値は血糖値が上昇していくスピードを計測して数値化したもので、数値が高ければ高いほど、血糖値の上昇は急激になります。そのため、糖尿病の患者さんはこのGI値の数値が低い食品を食べるように指導されます。つまり、どの食品がGI値の数値が低いのかを把握しておけば、血糖値のコントロールがラクに行えるようになり、ダイエットのツラさが軽減されることになります。

では、なぜ血糖値をコントロールすることがダイエットをラクにしてくれるのでしょうか?それは、肥満の最大原因が血糖値の急激な上昇にあるからです。

糖が体内にとり入れられると、消化・吸収を経てブドウ糖に変わり、血液中に放出されます。この血液中に漂うブドウ糖は血糖と呼ばれます。この血糖の量を数値化したものが「血糖値」です。血糖は、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンと結合することで、グリコーゲンという物質へと変換され、肝臓、筋肉に貯蔵されます。そして、インスリンの糖の処理能力の限界を超えると、血液中には使いきれなかった血糖が血液内に充満し、それはすべて体脂肪に変わってしまいます。

つまり、血液中に大量のブドウ糖が放出されると、血液中の血糖は急増してインスリンの血糖処理能力が限界に達し、余剰分が大量に発生することになるわけです。体脂肪を増やさないためには、血糖値を急激に上昇させないことがもっとも重要なのは、こういったしくみがあるからです。

もう一つの問題は、体は、いつ訪れるかわからない飢えに備えて、摂取した栄養素を絶対に無駄にすることをしないということです。しかし、肝臓と筋肉にあるエネルギータンクの容量は小さいため、体はそれらに蓄えきれない余剰分の受け皿を探します。それが体脂肪なのです。そのため、糖を摂りすぎると、肝臓や筋肉に蓄えきれなかった余剰分はすべて体脂肪に変わってしまうのです。ダイエットを目指す人にとってはやっかいな体脂肪ですが、体にとっては、無限に蓄える能力をもつ巨大なエネルギータンクである体脂肪は最高の臓器なのです。

GI値が低い食品はなぜ太りにくい?


太らないためには、肝臓や筋肉に貯められる範囲内の量の糖を摂ること、血液中に少しずつブドウ糖を放出することが必要となります。前者は単純に、炭水化物や砂糖たっぷりの甘いものなどを食べすぎないことで防げます。後者のブドウ糖の血液中に放出されるスピードを調整するために活躍するのがGI値です。

GI値の数値が低い食品は、体内に入って腸で消化されるまでの時間が長くなります。その結果、体に吸収されるスピードがゆっくりとなり、ブドウ糖は少しずつ血液中に放出されることになります。その結果、血糖も一気に増えることはなく、血糖値の上昇がおだやかになります。すると、インスリンは少しずつ血糖を処理することができるため、処理しきれなかった血糖が血液中に漂い続けることがほぼなくなるわけです。血液中に漂う血糖の量が減れば、インスリンの血糖処理能力が限界に達することがなくなり、体脂肪に変わる糖の量も抑えられます。つまり、太りにくくなるということです。

いっぽう、GI値が高い食品は腸での消化スピードが速く、食べ物を食べてからあっという間に血液中に糖が放出されてしまいます。あまりに速く、大量に血糖が増えるため、インスリンはあっという間に処理能力の限界を迎えてしまうのです。

GI値が低い食品と高い食品


では、どのような食品がGI値が高いのでしょうか?GI値が高いのは、ご飯、パン、麺類などの精製された穀類に豊富な炭水化物です。GI値は、いわゆる主食として食べられる食品は要注意ということになります。糖質制限で主食を抜いて、そのかわりに野菜や肉でお腹を満たす糖質オフダイエットというのは、このGI値を基本にしたダイエットというわけです。

もちろん、野菜にも糖は含まれているので、血糖値は上がります。しかし、野菜はGI値が低いものがほとんどなので、血糖値の急上昇を招くようなことはありません。ただし、一部の野菜はGI値が高いものもあるので、食べすぎには注意してください。注意すべき野菜は、ニンジン、トウモロコシです。ニンジンはGI値80~85、トウモロコシはGI値75。同じく甘みのある玉ネギがGI値30ということを考えると、かなり高い数値であることが理解できると思います。

もう一つ注意してほしいのがイモ類です。ポテトサラダなどのレシピが存在するため、イモ類を野菜と勘違いしている人も多いようですが、イモ類は栄養素的にほぼ炭水化物が多い食品です。

たとえば、ジャガイモのGI値は90~95、いっぽうのトマトはGI値が30。ジャガイモはトマトの3倍のGI値をもっています。この2つの食品を同じスピードで食べた場合、ジャガイモはトマトの約3倍のスピードで血糖値を上昇させてしまいます…。里芋や長芋、サツマイモなども高GI値となっています。とくにジャガイモのGI値の高さは突出しているため、ポテトサラダと肉じゃがをおかずにごはんを食べればW炭水化物で血糖値はハネ上がってしまいます!

低GI食品を見分けるコツは「色」


でも、GI値を覚えることは至難の業ですよね。ここでちょっとしたGI値の高低を見分けるコツをご紹介しましょう。チェックすべきは食材の「色」です。色を見ることである程度GI値の高低は予測がつくのです。

たとえば、「白い炭水化物はGI値は高く、茶色が濃くなるほどGI値か低くなる」傾向にあります。具体的には、精白されている白米よりも精白されていない茶色の玄米のほうがぐっとGI値が低くなります。白米がGI値88なのに対し、玄米は65と、かなりの差であることがわかると思います。パンや麺類も同様です。精白されたものより、全粒粉を使用した茶色がかったもののほうがGI値はずっと低い数値となっています。この炭水化物の色の基準を使うことで、GI値の低い=血糖値を急上昇させない、ご飯、パン、麺類を選ぶことができます。

ここまで読んで、炭水化物好き、甘いもの好きの人は絶望的な気分になってしまったのではないでしょうか…。そんな人のためにGI値が高い食品を食べる時の対策法をご紹介しましょう。

カギとなるのは、食物繊維です。食物繊維を多く含む食材はダイエットを成功に導くためには欠かせません。繊維質が多く、消化に時間がかかるため、糖質を多く含む食材でも血糖値の上昇がおだやかになるからです。ちなみに、脂質の多い食材も、食物繊維が多いものほど脂質の吸収を抑えられるということも覚えておきましょう。

糖質オフダイエットの落とし穴。カロリーチェックも忘れずに

糖質オフダイエットをしている人のなかには、低GI食品を多く食べ、糖質摂取量さえコントロールすればカロリーや脂肪分を気にせず食べていいと思っている人が多くいるようです。しかし、それは大間違いです。リバウンドのないダイエットをするためには、トータル摂取カロリーにも気を遣うことも必要だからです。

たとえば、天ぷらうどんとそばのどちらを食べるか迷ったら、おそらく糖質オフ派は迷わずGI値が低い天ぷらそばを選ぶでしょう。しかし、トータル摂取カロリーを減らすという観点からみると、正解は天ぷらうどんを食べることなのです。

うどんは1玉189キロカロリーなのに対し、そばは238キロカロリー。カロリーだけを考えれば、そばのほうが高カロリー…。天ぷらそばを食べた時のほうが血糖値の上昇はおだやかであっても、カロリーは高いので痩せることはできません。糖質オフダイエット中にいくら食べても問題なしといわれることの多い肉も、じつはそんなことはありません。たしかに肉は血糖値を上げにくい食品ではありますが、カロリーだけみれば、炭水化物と同等、または部位によってはそれ以上のことが多いのです。余ったカロリーはすべて体脂肪に蓄積されるので、肉からとったカロリーであっても体脂肪に変わらないという都合のいいことはないのです。

GI値はダイエットには非常に有用な情報ですが、万能ではありません。それぞれの食品のカロリーも必ずチェックし、カロリーオーバーにならないように気をつけることもとても大事なことといえます。

監修:篠原絵里佳(しのはらえりか)/管理栄養士。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験と抗加齢医学の活動を通し、体の中から健康を作る食生活を見出し、最新情報を発信している。アスリートの栄養指導経験も豊富。睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士としても活躍。食事と睡眠の観点から健康にアプローチする「睡食健美」を提唱。
ライター:楠田圭子

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