お花見のお供にピッタリ！　最高のおもたせ『いなり寿司』一挙紹介

手軽な寿司の代表格に挙げられるのがいなり寿司。家庭でも簡単に作れる寿司のひとつとして、手作りしたことがある人も多いのではないだろうか。油揚げとシャリ。たった二つの材料で完成するいなり寿司は、シンプルだからこそ作り手の創意工夫が凝らされ、唯一無二の味わいとなるのだといえる。

今回は都内で買える、絶品いなり寿司を紹介しよう。

『お稲荷さん』で親しまれる庶民の小腹を満たす寿司

いなり寿司は江戸時代末期には登場したとされるが、その起源については定かではない。だが、稲荷神に供える油揚げにシャリを詰めたものがその発祥という説もある。豊川稲荷のある豊川市では、実に90以上もの店がいなり寿司を扱っているという。

シャリを赤く色付ける東北、甘辛の濃い味付けの関東、三角形に仕上げる西日本……。いなり寿司の形状や味は地域によって様々だ。自分の好みに合ういなり寿司を探して、食べ比べてみるのも面白いだろう。

京の粋が光る銀座の新星『銀座 白金や』

『四君子折り詰め』（4,212円）24個入り
歌舞伎役者への差し入れという文化が息づく京都。店主の母が花柳界出身ということから、東京でもこの文化を広めたいと生まれたのが、一口サイズのいなり寿司だ。『四君子折り詰め』は、柚子、山椒、梅という和食の三大味覚に、大人はもちろん、子どもにも喜ばれる鶏牛蒡を加えた4つの味が楽しめる。

左から刻み柚子をたっぷり入れた柚子いなり、大ぶりの山椒が利いた山椒いなりと、爽やかな梅、鶏牛蒡の4種。

歌舞伎座横に位置し、モダンな雰囲気の店内。油揚げは、上品な京風の味付けと、関東風の甘辛の味付けの2種類。

【DATA】
●銀座 白金や
住所：東京都中央区銀座4-13-16
電話番号：03-3542-9090
営業時間：10:00〜16:00
定休日：不定休、歌舞伎座の休演日と同じ
公式サイト：http://platinumya.jp

裏を食う縁起物のいなり『おつな寿司』

『いなり寿司』（1,630円）12個入り
裏返した油揚げにシャリを詰める『おつな寿司』のいなり寿司。裏（番組）を食うことから、テレビ関係者へ縁起の良い差し入れとして使われてきた。約140年前の創業時から継ぎ足し続ける煮汁で煮た油揚げは、江戸っ子に馴染みのある甘辛の味。シャリは四国産の柚子が香り、後味爽やかだ。

甘めにしっかり味のついた油揚げは関東の伝統。シャリを油揚げに詰める際に刻み柚子が混ぜ込まれ、口にした時に香る。

新たな煮汁を注ぎ足すことで創業時の味を守り続けてきた。リズミカルかつスピーディにいなり寿司ができあがる。

【DATA】
●おつな寿司
住所：東京都港区六本木7-14-4 レム六本木ビル1F
電話番号：03-3401-9953
営業時間：11:30〜14:00（L.O.）、17:00〜21:00、土曜 11:30〜14:00（L.O.）、17:00〜20:30※いなり寿司・巻物の持ち帰りは10:00〜、日曜 10:00〜13:00
定休日：不定休

最先端は洗練の極み『呼きつね』

『いなり寿司』（2,500円）20個入り
いなり寿司に特化していながら、具材は築地や契約農園から仕入れるというこだわりは、オーナーが寿司屋だと聞けば納得。パクリと口に入る小ぶりないなり寿司は、熊本の「南関揚げ」を上品に煮込み、硬めに炊いた米を包むのではなく、巻き上げている。スタイリッシュな形は、手土産にぴったり。

オープン当時、東京では珍しかった南関揚げを、甘過ぎず辛過ぎず、上品な味付けに仕上げた。米は硬めに炊上げている。

手早く、くるくると巻き上げる。女性の小さい口でも、化粧が崩れずに食べられる細長い形に仕上げている。

【DATA】
●呼きつね
住所：東京都港区六本木7-12-12
電話番号：03-6434-9171
営業時間：10:30〜19:00
定休日：月曜（祝日の場合は翌日休み）

いなり寿司は、まさに日本一のおもたせともいえる。お花見のお供にピッタリのいなり寿司、一度購入してみては？

（出典：『寿司大全 〜THE SUSHI〜』）

（ヤマダタケシ）