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サーフィン・伊豆下田|日本ロングボード紀行

海に囲まれた日本列島には、日々、大海原からうねりが押し寄せる。豊かな海岸線、峻嶺な山々から注ぐ大河に恵まれ、さまざまな波を生み出している。四季折々、津々浦々で、今この瞬間も波が生まれては消えていく。そこには、その波をこよなく愛し、守り、慈しむサーファー達の姿がある。そう、日本は世界に誇るサーフアイランドなのだ。

「日本ロングボード紀行」
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この連載では、ロングボードを切り口に、各地のサーファーコミュニティと彼らの地元の波への思いを伝えていきたい。今回、足を運んだのは伊豆半島の南部に位置する下田。果たして、どんなサーファーと波が待っているだろうか?

本州では一番のビーチ!

伊豆下田は日本でも屈指の人気観光地だ。都内からクルマでも3時間半ほどとアクセスが良好にもかかわらず透明度の高い海と真っ白な砂浜は、まるで海外の南国のビーチリゾートのようだ。近年では、その魅力が海外にも口コミで広がり、世界中からツーリストが集まっている。さらに良質な温泉に新鮮な魚介とまさに三拍子そろっている。それに加えて波もよしとなれば、サーフトリップのデスティネーションとして申し分ない。

▲キンメダイといえば下田、下田といえばキンメダイ。下田港のキンメダイ水揚げ量は日本一

▲情緒漂う、なまこ壁。下田はペリー提督率いる黒船が来航と歴史のある街

「水も青いし砂浜も奇麗だし、中々、こういう所はないよ。本州では一番のビーチじゃないかな」

と語るのは、地元で生まれ育ったサーフィン・フォトグラファー土屋高弘さんだ。サーフィン雑誌を発行する出版社の専属写真家として、国内はもとより海外も飛び回ってきた土屋さんだけに、その言葉には説得力がある。

▲この海の透明度はすごいのひと言。自分の影が海底の白砂に落ちる

下田の波はパワフルでインパクトも強く決してロングボード向きとは言えない。だが、サイズが小さい時には波質もメローで、ロングボード向きの波がお目見えすることもあると土屋さんは言う。

「下田の波はショートボード向き。だけど、波が小さい時はロングも楽しめる。地元のショートボードのプロもロングボードを引っ張り出して楽しんでいますよ」

▲下田屈指のプロサーファー、ノリこと大野仙雅。ショートボードのトッププロも波が物足りない時は、ロングボードを楽しむのが下田流

▲波は基本的にショートボード向きだが、サイズが小さければロングボードカインドのファンな波が楽しめる。狙い目は台風でクローズした後。砂が沖に持って行かれて、波のパワーがマイルドになる

その日のコンディションに合わせ、エリアを変えて楽しめる

下田エリアのサーフスポットの魅力は、そのバリエーションの豊富さだろう。主なサーフスポットは、白浜、多々戸浜、大浜、入田浜、弓ヶ浜。それぞれのビーチが微妙に向きや地勢が異なるので、その日の風やうねりに合わせてチョイスできる。

▲白浜という名前の通り美しい砂浜と透明度の高い海は、まるで南国のよう

「台風で湘南がクローズしていても白浜は胸くらいということもある。逆に湘南がフラットでも白浜がアタマ以上あることも」

年中サーフィンが楽しめる下田だが、冬場は西風をかわしながらもうねりもあるので、プアコンディションとなる御前崎や愛知など伊豆半島より西エリアのサーファーが多く訪れると言う。

多くのプロサーファーを輩出しているだけあって、地元のサーファーの数は多くレベルも高い。波がよければ、ポイントが混み合うことも多々ある。

▲太平洋に突き出た伊豆半島はうねりに敏感。比較的コンスタントに波があり、年中サーフィンが楽しめる

▲下田は年中コンスタントに波があるが、ロングボード向きのファンウェーブを当てるなら、台風で大荒れした後が狙い目

「下田はどこもポイントが狭いので、混雑することも。特に朝イチや夕方は地元のサーファーで混むので、時間をずらして昼間に海に入るのも手。コンディションがちょっと悪くても、空いている隣のビーチで波乗りした方が楽しめるのでは」と、土屋さんはビジターサーファーにアドバイスを送る。

▲ショートボードを楽しむサーファーが多い中、近頃はレディスロングボーダーの姿も

観光地だけあって、地元のサーファーはビジターにはウエルカムだ。だが、それは基本のルールとマナーを守ってのこと。大人数で一度に入ったり、ノーリーシュはNGだ。さらに多々戸浜は、ロングボーダーは向かって左側のみで波乗りというローカルルールもあるので注意をしたい。

▲ロングボーダーに人気のポイントが多々戸浜。ロングは向かって左側がサーフエリアだ

「下田は波を当てにくるというよりも、温泉や観光、グルメを楽しみながら、のんびりトリップをして楽しむのがいいのでは。家族連れにもいいと思いますよ」

▲下田では、キッズサーファー向けのイベントが盛んだ。地元を代表する鈴木直人プロも子供向けのスクールを毎年開催している

▲下田には数々の温泉があるが、おすすめは蓮台寺の金谷旅館の千人風呂。日本一の総檜風呂で自家源泉掛け流しの湯が、日帰りで楽しめる

 

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NALU 編集部

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テーマは「THE ART OF SURFING」。波との出会いは一期一会。そんな儚くも美しい波を心から愛するサーファーたちの、心揺さぶる会心のフォトが満載のサーフマガジン。

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