モデル仲川希良の「山でお泊まり」静岡県・沼津編Vol.2
ランドネ 編集部
- 2019年04月17日
昨夏からスタートした、モデル/フィールドナビゲーター仲川希良さんの連載「山でお泊まりレポート」。
スペースの関係で誌面に収めきれなかった情報は、こちらのサイトで偶数月に美しい写真とともにお伝えしてきます!
第5回目は、東京よりも一足早く春の香り漂う、静岡県沼津市へ。沼津アルプスとふもとを歩いて味わった模様を4回にわたってお届けします。
Vol.2は、沼津アルプスのふもとの公園で一泊したエピソードをどうぞ。
Vol.1はこちらから>>>
***
今回、宿泊した「INN THE PARK(インザパーク)」は、泊まれる公園。沼津市の南側にある愛鷹山の、裾野に広がっています。
沼津市で30年以上愛されてきた「少年自然の家」をリノベーションした施設で、林間学校を思い起こさせるような雰囲気がそこかしこに残っています。
かつては子どもたちが泊まったであろう一棟貸しの宿泊棟もあるのですが、私が選んだのはこの施設のアイコン的存在、森のなかの球体テント!
静かな森の木々の間に、白くて丸いテントがひっそり浮遊していて神秘的……。
テントの中にはベッドが2台と、必要最低限のアメニティが用意されています。
▲デラックスタイプは広々!
▲テントの窓から森を眺められる
小さいころは公園で遊んでいて夕暮れになると、「暗くなる前に帰らなくちゃ」とさみしくなったものだけれど、今日はその公園に泊まれるのです。それだけでなんだかワクワクします……!
受付のあるメインの建物内でも、自由にゆっくりと時間を過ごすことができます。
食堂には小さく音楽が流れ、穏やかな空気が漂っていました。
▲食堂
▲書棚のセレクトも素敵
里山暮らしについての本を見つけて思わず読みふける私。ふと気づけばスタッフの方の夕食の準備が始まっていました。
▲なにやら机に書いている……?
▲わあ!うれしい!
他の宿泊者もだんだんと集まり、夕食の始まりです♪
地元の食材をたくさん使ったコースメニューに合わせて、飲み物は伊豆で作られたビールと赤ワインを選びました。
▲旬の地場野菜とバーニャカウダソース
▲メインはボリューミーなお肉!
▲スタッフの方との何気ない会話も楽しい
暖かい時期は、夕食を外でいただけるのだそう。炭火をセットした机でお肉を焼いて、沼津市街地の煌めく夜景を味わいながら、素敵なコースメニューを食べられるなんて……贅沢。
山でのごはんは空気の気持ち良さと相まってとてもおいしく感じるものですが、そんな体験を気軽に、そしてより豪華にできるんですね!
▲外の食卓……夏にまた改めて来てみたい
コースにデザートまで追加してしっかり堪能した後は、夜の公園を散歩しながら球体テントへ戻ります。
東京よりも温暖な沼津ですが、夜はひんやり。森に囲まれた丘陵地であることを思い出します。
ちなみにお風呂は共同浴場がある別棟に、お手洗いはテント場近くのサニタリー棟にあります。移動のたびに歩いて森を抜けるので、外の空気を感じることができます。
テント内には電気毛布があり、眠るときは寒くありません。
ホテル泊ともテント泊とも違う、このバランスがインザパークのおもしろいところ。
自然のなかでひと晩過ごすことの楽しさも不便さも、ほどよく体験できるので、山小屋泊やテント泊をするほどはまだ勇気が出ない……なんて方にぴったりかも。
▲夜の本当の暗さも、明かりがある安心感も、自然のなかだからこそ感じられる
翌朝。
夜明けの少し前に、いっせいに鳴き出した鳥の声で目覚めました。
日が差し始めると、テントに映る梢の影がとてもきれいです。
▲おはよう!
▲鳥の声に囲まれながら
寝ぼけ眼のまま、テントから見えていた沢沿いに下りて朝の散策。
この道は前日にスタッフの方から教えてもらったもの。前回泊まりに来たときは気がつきませんでした。ワサビ田があったこともあるほどきれいな水が流れる沢で、時期が来るとホタルが飛び回るんだそう。
広大なこの公園の味わい方は、まだまだほかにもありそうです。
▲朝の新鮮な空気で深呼吸
▲朝日が差し込む森の澄んだ美しさは特別
楽しみにしていた、ピクニックスタイルの朝ごはん。
熱々のスープとサンドイッチを受け取ったら、公園内のどこでいただいてもいいのです(もちろん屋内でも)。
私は芝生広場で、散歩中の犬や朝練の学生たちを眺めながら……♪
朝日を浴び、ひと口ずつじっくり味わう朝ごはんは幸せそのもの。
▲シートを貸し出してくれます
▲夕食に続き、パンは地元の「Bakeryつみき」さんのもの
いつまででも過ごせそうな心地よさ。インザパークのそんな魅力は、自然環境はもちろん、スタッフの方と宿泊客の距離感も関係している気がします。
付かず離れずそっとしておいてもくれるし、友達のようにも盛り上がれる。近くに暮らす方が多く、お客さんと同じくらい、いやそれ以上に、この空間での時間に魅力を感じ、楽しんでいるように見えます。
▲朝ごはんを受け取りがてら、この日のプランを相談
▲ありがとうございました!
あまりの心地よさにうっかりこのまま公園で一日を過ごしてしまいそうでしたが、昨日とは打って変わってすばらしいお天気。
せっかくだからハイキングへ出かけることにして、インザパークをあとにしたのでした。
***
INN THE PARK
静岡県沼津市足高220-4
055‐939-8366
料金:1泊2食12,150円~
次回は地元のみんなに愛される沼津アルプスの北端、香貫山をレポートします。
お楽しみに!
***おまけ***
もともと「少年自然の家」だった名残がこんなところにも。
工夫して作られた喫煙所の看板に、思わずクスリとしてしまいました!
写真◎大畑陽子
Share
Profile
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。