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Keishi Tanaka「月と眠る」#6 主役を決めて家を出る

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaの「月と眠る」
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Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちらから↓↓
>>>「ランドネNo.110 3月号」

主役を決めて家を出る

ライブツアーのオフ日にキャンプをする。全国のキャンプ場で焚き火をして、心をリセットする。初めて試みたその行程に対する心のようすは、ランドネ本誌の連載を読んでもらうとして、ここでは今回も絵日記のように、気軽に書き進めていこうと思う。今回は時系列でなく、主役を務めたひとつの道具について。

▲ここはホテルであり、我が家。

前日は兵庫県神戸市でライブをして、朝にホテルをチェックアウト。次のライブ地である広島県福山市まで移動をするのだが、オフ日がある。普段であれば街を歩き、気になった洋食屋に入り、古着屋に入り、夜はカウンターの居酒屋で地元の友だちと乾杯、ということが多いが、今回はその時間を使ってキャンプをすることにした。

事前に調べておいた淡路島のキャンプ場「休暇村南淡路」に、キャンプに興味があると言っていた友人を大阪から招いた。持っているふたつのテントのうち、大きいほうのテントを選び、イスや食器なども2人分を移動車に積んで東京を出発している。準備は万端だ。

▲淡路島のタマネギを丸ごとホイル焼きに。

いきなり夜の写真になってしまったが、道の駅でそのエリアの特産品を買うのもキャンプの楽しみのひとつ。今回は淡路島のタマネギをいろんな料理に使い、最高に美味しいキャンプ飯を楽しんだ。

そして、特産品のほかにも、毎回の楽しみがある。それはやはり道具を使うこと。手に馴染んできたものも、買って初めて使うものも、同じく愛おしい。これこそ小さな幸せといえるだろう。今回はそのなかでも、とくに紹介したい道具について書こうと思う。さて、それはなにか。

▲モーラナイフでフェザースティックを作る。

フェザースティックを作るためのナイフ。ではなく……。

▲折れない木はレザーマンに付いているノコギリで。

拾ってきた木を切る小さなノコギリ。でもなく……。

▲テオゴニアの火バサミが手に馴染んできた。

見た目が気に入っている火バサミ。でもない。正解は……。

▲ネイチャーストーブとの相性も良い。

スノーピークの「ヤエン クッカー 1000」である。ツアーに出る2日前に手に入れたこのクッカーを使うことが、今回のメインのひとつになっていたように思う。

まずは数あるクッカーの中から選んだ理由について。いままで使っていたのはチタン素材で、登山用に購入したものだ。愛着もあるし、これからも使っていくとは思うが、チタンは熱伝導が低いため米を炊くのが少し難しく、一部を焦がしてしまうこともあった。アルミ素材のクッカーも持ってはいるが、少し小さく頼りないものだ。というわけで、アルミ素材のクッカーをひとつ買い足そうといろんなメーカーのものを調べていた。フッ素加工がしてあって、セットのフライパンが使いやすそうなもの、そして鍋をするときに美味しそうに見える形というのが最後の決め手だ。ほかにはないシルエットが気に入っている。

▲初めてヤエン クッカーで米を炊いてみる。

炊いたご飯は、チタンと比べて圧倒的に簡単で美味しい。もちろんお湯を沸かすのはチタンのほうが早いし、軽いという点でも、チタンのクッカーはすばらしい。しかし、米を炊くなら断然アルミのクッカーなのだ。わかっていながらしばらく買うことをしなかった自分が少し憎かった。深型から薄型にするということは、フライパンの大きさも稼げるということ。フライパンで肉や目玉焼きを焼いても、使い勝手の良さを感じた。

▲朝はチタンのクッカーで。

翌日、朝日を浴びながらパンと残ったスープを食べ、コーヒーを淹れるためにお湯を沸かす。そのときに使ったのは、もう8年ほど使っているチタンのクッカー。登山の道具を買い揃えたときに初めに買ったものだ。

バックパックひとつでキャンプに出かけるようなシュチュエーション、たとえば登山のテント泊や、飛行機に乗って島にキャンプしに行くようなときに、持っているクッカーのなかでどれを選んで、どのようにスタッキングするだろうか。それを考えるという遊びから始まるのが、キャンプなのである。

★今月のニューフェイス

スノーピーク
ヤエン クッカー 1000 5,900円(税別)

品薄が続く人気のシリーズ。サイズは今回紹介した1000のほかに1500があり、2〜3人で使う場合は1500が良さそう。薄型だがスタッキングのアイデアが詰まっている。さらに、湯切り穴やメモリもついていて、これひとつを登山に持っていくことを想定しているのがうれしい。1500の購入も検討中。

▲焚き火で米が炊けてご満悦のようす。

〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。自主企画として、バンド編成の[NEW KICKS]と、アコースティックの[ROOMS]を不定期に開催中。また、3月20日にベストアルバム「CLIPS」、5月8日に4thアルバム「BREATH」をリリース。『ランドネ』での連載は4年目に突入。
http://keishitanaka.com/

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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