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KIRINJI・堀込高樹が考える、山と音楽のさらなる楽しみ方とは

宇宙的感覚を研ぎすます「山と音楽のさらなる楽しみ方」をテーマに、さまざまなミュージシャンにインタビューしていくシリーズ。音楽フェスをはじめ、アウトドアフィールドで聴きたい音楽を紹介する。

KIRINJIとして初のアルバム『crepuscular』を12/8にリリース

約8年間のバンド体制を経て、2021年より堀込高樹のソロプロジェクトとなったKIRINJIとして初のアルバム『crepuscular』が届いた!

──KIRINJIはデビュー当初からすると、バンド期を経て、いま、第3形態ですよね。そのときどきで刺激を追求してやってきたと思うのですが、新鮮な環境に身を置くようなところがある?

堀込:スタイルは変わっているように見えても、できる音楽ってわりと限られていると思うんです。新作を出す以上、新鮮に響かせないと意味がないから、そこは重要かもしれないですね。今作では、新しいミュージシャンといっしょに作るだけで刺激的でしたし、「この曲はこのミュージシャンがいいな」「こうしたいな」という自分の狙いがどんぴしゃでハマると同時に、それ以上の結果が得られました。エンジニアも含め、みんな優秀で、それが楽しかったです。

──今作はコロナ禍の捉え方が、どこかユーモアがあったり、とてもフィットする作品でした。

堀込:コロナ禍ということは気にせずに曲を作ろうとしていたのですが、頭の片隅にいつもあることだから、それはやっぱりできなくて。ほおっておくと鬱々としてしまうから、そこは気持ちを保とうとしつつ、かといってハッピーラッキーにはなりにくい。

感覚として、なにか一枚膜が張られている感じというか。それは、いまマスクをしていたり、リモートの画面越しの感じとか、つねに身の回りにあることで。今作はそういう音像とパキッとした音像とが同居しています。無理して元気を出すより、スッキリしない状況でも楽しくやるしかない気持ちが出ていますよね。

──アルバムのタイトルにもつながる「薄明 feat. Maika Loubté」にはどのようなイメージが?

堀込:雲の切れ間から光が来る「薄明」の感じって、いろんな絵画のモチーフにもなっていますよね。なにかいい兆しを象徴していると思いますが、いっぽうで、いまの我々の生活はぼんやりと先が見えない感じが続いている。その感じと希望を与えてくれるものを描いてみようと。歌詞は太陽や月を見て気持ちがあがるような……そこにいたるプロセスとして、「あのときここ行ったな。楽しかったな」とスマホのなかの写真をめくるような感覚で作っていきました。

──そうした写真や景色を眺めることにはどういう作用があると思いますか?

堀込:いまビルの17階にいますが、視界が広がるだけで気持ちが上向きになる気がするんですよね。この歌詞は横浜をイメージしましたが、横浜は抜けがあって、ボードウォークをぶらぶらするだけで晴れ晴れした気持ちになるので好きなんです。

──では、気分を変えたいときに、自然の環境へ行くというようなこともありますか?

堀込:山や海、キャンプとか心がリセットする感じがしますよね。父が群馬出身で榛名山や、みなかみになじみがあってよく行っていましたが、近場だと僕は石神井公園が大好きで。そこの三宝寺池は、ちょっと奥のほうにいくと、周りの高い建物が一切見えなくなる。ベンチに座っているだけで気持ちが安らぐというか。これからの季節も紅葉でいいと思います。

──12月7日からスタートする、ツアーも決定しています。

堀込:今回はアルバムを発売してすぐライブを開催します。KIRINJIは結成から25年ほど経ちます。これだけ長くやってきたので、今後は全体を俯瞰した活動をしたいなと思っています。今回のツアーは古い曲も新しい曲もいっしょにやって、新しい曲は新しい曲として、また、古い曲はどうやったら新鮮にいまのモードで響かせられるのかを考えています。

Field Like Music
◎アウトドアで聴きたい一枚

▶Music
キース・ジャレット/『ザ・ケルン・コンサート』

ジャズピアニスト、キース・ジャレットの作品で、これはドイツ・ケルンでのライブアルバムになります。すべて即興演奏ですが、いわゆるジャズのテンションコードをアドリブでやっている感じではなく、比較的シンプルなんですよね。もともとアウトドアの環境では自然音を聞きたいですが、ピアノは木を叩いて音を鳴らす楽器だし、環境音ともハマる気がします。もちろん、じっくり聴くのもいいですが、ダラダラ流していてもいいんですよ。

【Profile】
KIRINJI(キリンジ)

1996年堀込高樹、泰行の実兄弟でキリンジを結成。1998年メジャーデビュー。2013年泰行が脱退。同年に新メンバー5人を迎え、バンド編成で再始動。2021年からは堀込高樹のソロプロジェクト・KIRINJIとして活動し、4月に「再会」、7月に映画『鳩の撃退法』主題歌「爆ぜる心臓 feat.Awich」を発表。自身の作品のほか、楽曲提供やドラマ、映画の音楽など、幅広い分野で活躍中。
https://www.kirinji-official.com/

Information

▲限定盤
▲通常盤

KIRINJI『crepuscular』
https://kirinji.lnk.to/crepuscular

12.8 release
(SHM-CD)¥3,000+税
(SHM-CD+DVD)¥3,700+税
UNIVERSAL MUSIC JAPAN

LIVE

KIRINJI TOUR 2021
12月7日(火)なんばHatch
12月15日(水)Zepp DiverCity(TOKYO)
12月16日(木)Zepp DiverCity(TOKYO)

出典

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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