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山のそばでものづくりVol.4「PRIRET」プライレット主宰・上久保匡人さん

山のそばに拠点を置き、山の恩恵を受けながらものづくりをする人々に注目する本連載。今回は、山ストールを作る上久保匡人さんにお話を伺いました。

桐生の伝統織とアウトドアのかけ合わせ

PRIRET(プライレット)

profile
上久保匡人さん

「プライレット」主宰。群馬県桐生市出身。大学卒業後にワーキングホリデーでカナダへ行き、山遊びを満喫。帰国後、桐生市へUター ンし、山ストール作りをスタート。休日は赤城山などを登っている。http://priret.com/

▲フォレストキャンプストールプロ。

奈良時代より「織物の町」として栄えてきた群馬県桐生市は、いまも織物にまつわる多くの職人が活躍する、国内有数の繊維産地だ。山ストールブランド「プライレット」を立ち上げた上久保匡人さんは、そんな桐生市に生まれ育った。カナダや東京での滞在を経て桐生市に戻り、しばらくは会社員として働いていたが、次第に「自分でなにかやりたい」という思いに駆られたそう。そこで、趣味である〝アウトドア〞と地元産業の〝織物〞に目をつけた。

「知識がまったくないまま、とある織物の会社に『織物でなにかを作りたいんです』と電話をかけたら『興味をもってくれるのはうれしい』と言われて、すぐに社長に会いに行きました。それから、商品開発に向けた試行錯誤の日々が始まりました」

▲吾妻山麓の住宅地の一角に建つアズマベース。山頂までは、片道50分ほど。吾妻山の登山帰りに立ち寄る人も多い。

織物の知識がなかったからこそ生まれた、”風通織の両面に捺染する”というアイデア

こだわったのは、桐生の伝統織と天然素材を用いてアウトドア用のアイテムを作ること。ウエアなど試作を重ねていくなかで、「風通織(ふうつうおり)」という伝統織のストールに出合ったそうだ。風通織とは二重織りのことで、縫製ではなく織りで二枚の生地を接 合しているため、丈夫で肌触りがよい。山ストールのもうひとつの特徴は、生地の両面に捺染(プリント)が施されていること。風通織の生地の両面に異なる色を捺染するのは前例になく、完成まで何度も試作を行なったそうだ。

「織物の知識がなかったからこそ、新しいものづくりに挑戦できたのかもしれません」

2018年末には、吾妻山麓に直営店「アズマベース」が開店。ここから、新しい伝統が紡がれていく。

▲商品のデザインはすべて上久保さんが行なっている。デザインは独学で習得したという。
▲ストールの捺染を行なう染工場「平賢」の小山哲平さん。上久保さんとは、山友を通じて知り合った。手ぬぐいブランド「桐生てぬぐい」(https://kiryu-tenugui.jp/)も手がけている。
▲風通織を可能にする「シャトル織機」。
▲継ぎ目がないので肌触りよし。
▲捺染したての生地。このあと別工場にて、蒸らして色を馴染ませる。
▲捺染前に、皺ができないよう生地を丹念にならす。
▲裏写りがないのは、職人の成せる技。

PRIRETの商品ラインナップ

TNGマウントプレイヤーストール プロ(ネイビー&レッド)

片面に谷川岳の等高線、片面に山遊び柄が描かれた風通織ストール。ネックゲイターとしても使用可能。素材はシルクコットン。11,000円。約120㎝×33㎝。

キャンプファイヤーストール(写真右下)

火の粉にも強い、コット ン100%で一枚生地の大判ストール。焚き火の際は羽織りとして、ピクニックの際は敷物として活躍。6,750 円。190× 87㎝。

麻混CJSストール(グレー)

シルクコット ンに麻が加わり、より吸水速乾性に優れる風通織ストール。ビ ルの隙間から星空を眺めるようすを幾何学模様で表現。11,000円。約120㎝×33㎝。

Tシャツ

桐生市から眺める赤城山の山容がモチーフとなっているブランドロゴが、胸元に大きくプリントされた一枚。ほか色違いもあり。3,800円(店頭限定販売)。

ブレードカバー

桐生の帽子メーカー「コンポジション」とのコラボレーションによるガス缶カバー。帽子職人が、麻ブレードをていねいに編み上げている。8,800円。

皮鈴

音色が優しい皮製の鈴は、丸型とUFO型の2種類。UFO型には、囚われた牛が描かれていて遊び心満載。熊鈴やキーホルダーに最適。各4,400円。直径約4㎝。

 

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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