【いつか泊まりたい山小屋#26 八ヶ岳・赤岳鉱泉】ビギナーからベテランまで、あらゆる登山者の交差点
ランドネ 編集部
- 2022年09月22日
「あの山小屋に泊まってみたい」。そんな憧れが、山へ向かうきっかけになることもあるはず。本連載では、立地や食事、山小屋の主人やスタッフの人柄など、その山小屋ならではの魅力にスポットを当てながら、ランドネ編集部おすすめの山小屋をご紹介。26軒目は、南八ヶ岳唯一の通年小屋、赤岳鉱泉をピックアップ!
Index
南八ヶ岳の峰々に囲まれた通年営業の安全基地
なだらかで樹林帯に包まれている北八ヶ岳とは対象的に、急峻でゴツゴツした岩稜帯が多い南八ヶ岳。その南八ヶ岳の山々の西麓に佇む赤岳鉱泉は、主峰・赤岳への登山の重要な拠点のひとつだ。駐車場やバス停のある登山口、美濃戸口から赤岳鉱泉までは片道約3時間。行程の半分以上が林道で歩きやすく、高低差は800mなので、初日に体力を使い切ることなくたどり着ける。
赤岳鉱泉は、南八ヶ岳では唯一、通年営業を行なっているので、冬も多くの雪山登山客で賑わう。特徴的なのは、冬のあいだ、山小屋のすぐとなりに国内最大規模のアイスキャンディが設置されること。アイスクライミングの練習はもちろん、雪山登山に欠かせないアイゼン&ピッケルワークを練習する場として、多くの登山者に利用されている。
夕食にステーキ⁉登山の活力になるグルメとお風呂
周囲に歩き応えのある山々が多い赤岳鉱泉では、パワーをしっかりチャージできるグルメが用意されている。とくに登山者たちを虜にしているのが、夕食のメインとして日替わりで提供されている厚切りステーキだ。生肉の状態で、野菜といっしょに一人用の鉄鍋の上に盛り付けられる。自分好みの加減でジュージューと焼いて、タレをつけて、炊きたてのごはんに載せていただくという至福の瞬間を味わえる。
もうひとつ欠かせないのが、お風呂の存在だ。サッと湯船に浸かれば全身を温めることができるので、真夏以外の寒い季節は、登山者にとってオアシスのような存在。グルメとお風呂のコンボで、一日の疲労感を吹き飛ばすことができるはずだ。
山小屋から目指すおすすめルート【赤岳鉱泉~硫黄岳 片道約2時間10分】
健脚派にはぜひ赤岳を目指してほしいところだが、ここでご紹介するのは、山小屋の滞在もたっぷり堪能しつつ八ヶ岳の雄大な景色も楽しめる、硫黄岳へのピストンだ。山小屋から硫黄岳までのコースタイムは片道2時間強なので、山頂でゆっくりしたとしても5時間ほどで山小屋へ戻ってくることができ、その日のうちに無理なく登山口まで下山することも可能だ。
硫黄岳の特徴は、山頂で眺められる景色だろう。南を向けば赤岳や横岳が、北を向けば北八ヶ岳の山々が眼前に広がる。また、爆裂火口と呼ばれる火口跡があり、ほかにはない独特な景観を楽しめる。
稜線上はなだらかで歩きやすいものの、遮るものがなにもないので、風が強い日などは要注意。悪天候で景色が見えなかったら魅力半減なので、可能な限り天候の良いタイミングを狙って訪れてみてほしい。
多くのベテランにも利用されている赤岳鉱泉。もう一歩ステップアップしたいというビギナーも、滞在するだけで新しい刺激を得られるだろう。Instagram(@akadakekousen_gyoujyagoya)で日々のようすが発信されているので、事前にチェックしながら、自分に見合った登山計画を立てて訪れてみて。
赤岳鉱泉
https://userweb.alles.or.jp/akadake/index.html
・標高:2,220m
・営業期間:通年
・宿泊料金(税込):1泊2食12,000円、素泊まり(寝具付き)9,000円、お弁当1,000円
※個室料金は別途。
・電話番号:090-4824-9986
・コロナ禍での確認事項:完全予約制、個室あり、マスクを要持参
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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