四角友里のにっぽん“食”名山＃13「北九州・平尾台の小倉あんパン」

一つひとつの「食」から、山の時間や会話が蘇り、歩くだけでは気づけないとても大切なことを教わります。そんな心に残る山の食べものを四季折々の楽しみとともに綴るエッセイ連載です。

北九州・平尾台　小倉あんパン

日本三大カルストのひとつ、福岡県の平尾台は、開放的な草原と点在する石灰岩の景色が独特な風景が広がる場所です。登山口に向かう途中、タクシーの運転手さんにお願いして立ち寄ってもらったのは、デイリーヤマザキ小倉新道寺店。私にはこのコンビニでどうしても買いたい一品があったのです。

それがこれ。「平尾台」の刻印が押されている、あんパン。刻印つきのパンはほかに、クリームパンもあったけれど、平尾台は、北九州市の小倉（こくら）南区にあるので、迷わず小倉（おぐら）あんパンのほうをセレクト（注：シャレ）。中にはホイップクリームも入っていて、あんこ１に対してクリーム３とたっぷり。──この組み合わせ、何カロリーあるんだろう……なんて野暮な考えをあっさり打ち消す、これぞ王道の味。

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四角友里

「山スカート」を日本に広めた女子登山ブームの火付け役。講演や執筆、山ウエア・ギアの企画開発に携わる。日本全国の山を旅しながら、土地の食や文化を味わうのがライフワーク。
Instagram：@yuri_yosumi