富士山とおなじご利益あり!全国の富士塚に登る【#9 上落合富士】
ランドネ 編集部
- 2023年02月24日
登れば本物の富士山を登ったときとおなじご利益があるとも言われている富士塚に、地図好き芸人・小林知之さんが参拝。みなさんの抱える悩みやモヤモヤを、山の頂に届けてくれます!
適度な距離を保つ、富士塚の山頂へ
東京に住んでいるとなかなか山に行く機会がありません。機会というか時間が、というか余裕が、というか気力が。そんなときは「青山だって代官山だって山がつく、東京でも山登りだ」なんて思ってみても、よほどのことがない限り、青山も代官山も行きません。そうです、友だちの結婚式の二次会か、なんだかよくわからないおしゃれ関係者とのごはん会でしか、青山も代官山も行くことはないのです。
そんなふうに、山と絶縁状態でも富士塚ならどうにかなります。ということで、今回も富士塚に登った気持ちで、悩みを解消してもらいましょう。
【お便りいただいたN子さんのお悩み】
「日々目にするSNSの投稿に、一喜一憂してしまいます。スマホを手放して山に行きたい……」
「上落合富士」で悩みを成就
今回は、地下鉄東西線落合駅から歩いて5分ほどの場所にある、上落合富士塚に悩みを成就してもらいましょう。
この富士塚は月見岡八幡神社の境内にあります。まず神社の名前がステキです。まるで「スマホを見ずに月を見よ」と言っているかのようです。そしてこの神社の境内には富士塚のほかに保育園があります。鳥居をくぐると、遊具のうんていがお出迎えしてくれます。月見に保育園から聞こえる子どもの声、それだけも充分な英気を養えそうなのに、そこに富士塚があります。そんな上落合富士からN子さんへのアドバイス
「適切な距離を保ちなさい」
上落合富士塚、実は富士塚の前には閉ざされた柵があります。この柵を見て「なんだ登れないのか」と思ってしまいがちですが、社務所に行き「すいません、富士塚登らせてください」というと「どうぞ、門を開けて登ってください」と声が聞こえます。
ひと声かけて門を開け、富士塚を堪能する。小ぶりながら険しい登山道を登り山頂を目指します。1分ほどでたどり着いた山頂からは、昼間の月が見えました。
上落合富士塚は、ほかの富士塚のようにお正月や特別な日限定で解放しているわけでもなく、年中登れるけれど、かといって維持費が大変になるわけでもなく。「ひと声かける」たったこれだけのことで、富士塚と登山者は適切な距離が保たれているのだと思います。
SNSに一喜一憂するのではなく、リアルの中で一喜一憂して、SNSもスマホも手放すのではなく、適切な距離を保つことが大切なのです。
山に登ることができないから、SNSのぞいて山欲を発散させようとするけど、友だちの登山投稿見てモヤモヤする。けれど、山に行く余裕もないし……なんてヤキモキしてるときほど富士塚です。日常と山のあいだ、ちょうどいい距離間に富士塚はあります。お近くの富士塚にアタックしてみてはどうでしょう。
プロフィール/小林知之
太田プロダクション所属の芸人。芸人といいながら日本大学地理学科で学んだ地理好きスキルを使って、地図会社で働いたり、国土地理院で地図の講習をしたり、国旗の本を出したりと、謎のWワークをする二児の父。芸人としては竜兵会所属、コント中心のおもに「つっこみ」と呼ばれる役割を担っている。
Instagram:@cobayashitomo
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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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