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Keishi Tanaka「月と眠る」#24 気分を変えられる場所

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaの「月と眠る」
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Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら!
>>>『ランドネNo.128 3月号』

気分を変えられる場所

ランドネ最新号では、昨年末のある1日のことを書いた。流行り病で体調を崩したあとの復活の日のことである。

このWEB版では、その場所を知らない人のために、もう少しだけ詳しく書いてみたいと思う。まだ山登りをしたことのない人にとってもおすすめの山なので、参考になればうれしい。

▲最初の別れ道。

今回は病み上がりの体に新鮮な空気を吸い込む目的の山登り。無理をせず行けるところまで車で登り、歩く時間も1時間ほどが良いなとというのが今回の山選びのポイントだった。選んだ山は東京と神奈川の県境に位置する陣馬山。都心からのアクセスも抜群である。今回は一番歩く距離が短い和田峠の駐車場を利用するルートにした。

駐車場で車を降り、靴紐を結んで顔をあげると、すぐに選択を迫られた。直線的なルートか、まき道か。まき道というのは少しだけ遠回りになると予測もできたが、僕が選択したのはまき道だった。

▲こちらが最短のルート。

選択というというのは少し大袈裟で、最短ルートに目を向けたとき、そこにある階段に足が向かなかっただけである。

▲こちらがまき道。

最短ルートもまき道も整備されてはいるが、やはりこちらのほうが気持ちが良い。

▲木々のあいだに陽が落ちる。

木漏れ日が最高に気持ち良く、何度も足を止めた。時間に余裕があることがわかっていたので、いつもよりじっくりと景色を楽しんだ。いや、もしかすると1週間ほど家に閉じこもっていたことが最大の理由かもしれない。とにかく気持ちが良い。

▲白い何か。

本当に散歩のような気分のまま、少しひらけた場所に着くと、視線の先に白い何かが見えた。「アレだな」とすぐにわかった。陣馬山を象徴する白い馬のモニュメントである。

▲陣馬山といえばこの白馬。
▲山頂に到着。
▲売店もある。

この日は利用しなかったが、しっかりとした売店もある。車の運転がなければ、病み上がりのビールをここで飲んでいたことは間違いない。

トイレも簡易ではなく、しっかりとした建物があったが、季節によって利用制限がかかる可能性もあるので、その辺は事前にしっかりと調べることをおすすめする。

▲立派なトイレ。

この日の目的は、山頂で昼食と珈琲を飲むこと。この日は一番手軽なごはんにしようと決めていたので、コンビニでカップラーメンとおにぎりを買い、家で挽いてきた珈琲を一人用のドリッパー入れ、ゆっくりと一杯の珈琲を楽しんだ。

▲この日の昼食。
▲遠くには富士山。

珈琲を飲みながら、遠くの富士山を眺める。体はもちろん、心もすっかりと元気になっていた。

1年ほど前から決まっていたライブを、自分の判断で延期にし、結果的には自分も感染して体調を崩し、それが仕方ないことだとわかっていても、やはりどこかスッキリしない数日を過ごしていた。山に登りたくなった理由である。もちろんてすべての山登りがそうとは思わないが、唐突に山に登りたくなるのは、そこで気分を変えられることを知っているからである。

山に来て良かった。

▲SNSでの復活報告用に自撮りを1枚。
▲凧揚げを楽しむ子どもたち。

★今月のニューフェイス

Rivers/マイクロコーヒードリッパー2
埼玉県のときがわ町に新しくオープンしたアウトドアショップ「GRID」で購入した、超コンパクトなステンレスフィルタードリッパー。紙のフィルターを使わないので、エコであり、経済的。一人分の珈琲を入れるのはこれがベストだと思えた逸品。

〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。最近はV6への楽曲提供が話題となる。5枚目のアルバム「Chase Aftrer」をリリース。

Keishi Tanaka Official Site
https://keishitanaka.com 

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ランドネ 編集部

ランドネ 編集部

自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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