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「神様百名山を旅する」番外編(前編)│足の神社に「足の神様」がやってきた!

足のお祭りの日に、大きな和太鼓を足助飯盛山の山頂へ持ち上げ、奉納演奏をするという企画を「神様百名山を旅する」の広田勇介さんが立案しました。演奏者は山伏でもある千代園剛さん、30kgの和太鼓を山頂まで運ぶのは日本一過酷な山岳レース「トランス・ジャパン・アルプス・レース」を4連覇した望月将悟さん。内容を想像しただけでも神秘的でワクワクします。その模様を広田さんがリポートします。

初めて神様が降りてきた山の山頂で奉納演奏を企画

レゲエの神様、ボブ・マーリーはあの有名なNo woman, No cryの中でMy feet is my only carriage -僕の乗り物は、この足だけさ- と歌った。足は僕たちを山の頂に運んでくれるし、登山の後には温泉にも愛するスイート・ホームにも連れて帰ってくれる。登山者ならずとも、人間は日頃から足に大変お世話になっている。そんなありがたい「足」に感謝する神社が愛知県豊田市にあると聞き、連載中の「神様百名山」の取材で3月にこの神社のある足助飯盛山を訪ねた。(足助飯盛山についてはランドネ2023年5月号を参照)

(足助飯盛山)

その際、足助八幡宮の宮司さんが「足助神社の春まつりが4/2にあるよ。足助神社の御祭神の足助次郎の偉業をたたえるお祭りです。花車も出て盛大にやりますよ。」と教えていただいた。飯盛山とそのふもとにある足助神社にすっかり魅了された僕は、とっさに二人の友人の顔が思い浮かび、宮司さんにその場でこう伝えた。

「友人に和太鼓奏者がいるんです。お祭りの日に、神社と飯盛山の山頂で太鼓の奉納演奏をさせてもらえませんか?」

あとで二人の友人のスケジュールも、ましてや参加の意思も確認しないまま、宮司さんに伝えてしまったことを少々後悔したが、宮司さんは意外にも「え?飯盛山の山頂で?でも、それはいいですね。ぜひ、お越しください」と受け入れてくださった。

(足助神社は南北朝時代の武士・足助次郎重範公をご祭神として祀る

2人の友人のうち、1人は和太鼓奏者の千代園剛だ。千代園さんは紅白歌合戦にも出場したことのある和太鼓奏者で、各地の神社やお寺で奉納演奏を続ける傍ら、東北の出羽三山では山伏の修行をしている。

(和太鼓奏者の千代園剛)

昨年は富士山にご一緒し、山頂で演奏をしてくれた。僕は富士山の山頂で聞いた太鼓の演奏が忘れられず、とっさにあの演奏が飯盛山の山頂で聞けたなら、さぞ素晴らしいだろうと思った。飯盛山の山頂には、かつて神様が祀られていた磐座(神様が宿るとされる神聖な巨岩)があり、そこに初めて足助八幡宮の神様が降りてきたと伝えられている。足助町という地名も、神様が初めて降りてきた際に、足助八幡宮の方角を向いて足を休めたことに由来するともいわれているそうだ。山頂で演奏したならば、足助の神様も喜んでくれるに違いない!

(千代園さんの富士山山頂での演奏)

導かれるように役者がそろう

僕はその場でさっそく千代園さんのマネージャーに連絡をし、あらましを伝えた。忙しいスケジュールの中、その日は和歌山県の熊野での演奏の帰り道で、愛知県を通るらしく、それならばということでさっそく参加を決めてくれた。しかし、飯盛山の山頂で太鼓を演奏してもらうとなると、太鼓を山頂まで担ぎ上げねばならない。標高はわずか254mとはいえ、太鼓は見るからに重そうで、30kg! 直径は三尺ということで1m弱もある。マネージャーさんから、太鼓は広田さんが運んでくれるのですか?という質問があったが、私は映像を撮らないといけないので!と丁重にお断りさえていただいた(笑)。

うーん、一体30kgの荷物を誰が運んでくれるだろう。しかし、体力がある山屋なら誰でも言い訳ではない。お祭りとか、神社とかにある程度、興味があってなおかつこんな特殊な催しにつきあってくれる人。そうだ、そんな人は一人しかいない!それは現代の「足の神様」望月将悟だ!

(山岳救助隊員でもある望月将悟

望月さんは、日本一過酷な山岳レース「トランス・ジャパン・アルプス・レース」通称TJARの覇者である。彼は静岡県で消防/山岳救助隊に勤める傍ら、TJARを4連覇し、さらには翌年、すべての荷物を背負って、前人未到の無補給での完走を成し遂げた、まさしく現代の「足の神様」のような超人だ。

望月さんとは以前、連載中の神様百名山の第7座目・静岡県の秋葉山の回にご登場いただいた。

(秋葉山の神札を掲げる望月将悟

ちなみに秋葉山(866m)は東京の秋葉原の語源になった山で、防火、火除の神様である秋葉大権現をお祭りする山だ。東京の秋葉原は元々火事がおおく、燃え移ることを避けるために人家を取り除いて原っぱにし、その原っぱにこの山の神様・秋葉大権現をお祀りしたことによる。望月さんは消防士でもあるので、防火の神様が祀られている秋葉山はぴったりだった。その後、昨年12月には、高千穂にある天岩戸神社の御神体「天岩戸」洞窟に注連縄をかけるお祭りにも、駆けつけてくれた。断崖絶壁にある天岩戸洞窟はロープワークのできる山男しか近寄れない。望月さんは山岳ガイドの天野和明さんとともに、これから数年間の間、毎年12月に天岩戸神社のお祭りで注連縄をかけ変えるお祭りに参加してくれる。

(天岩戸神社で望月将悟と山岳ガイドの天野和明さん)

今回、望月さんに声をかけた理由だが、それはこの天岩戸神社のお祭りに声かけした際に、このように答えてくれたからだ。

「僕は今まで、レースで困った時、散々神頼みをして助けてもらったきたから、いつか恩返しがしたいと思ってたんだ。いい機会だから是非、参加させてよ!」

この答えに味をしめて(笑)、今回のお祭りにも誘ってみた。

 

広田「足の神様のお祭りがあるんだけど?どうかな?」

望月「え?足の神様?それは凄いね!足にはいつもお世話になってるから、ぜひ行きたい!」

 

やった!あの望月将悟が来てくれる!その他、太鼓をどうやって持ち運ぶかなど、さまざまな課題があったが、望月さんからは「30kg?どうにかなるでしょ。実家に背負子があるから、それに結んでいけば問題ないと思うよ」と頼もしい答えが返ってきた。

 

足の神様のお祭りに、現代の足の神様が30kgの太鼓を担いで山に登り、山頂で奉納演奏が行われる。こうして前代未聞のすごい企画が動き出した。

(足助神社境内の足の神様)

 

(後編へと続く)

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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