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Keishi Tanaka「月と眠る」#26 渋滞と無縁の登山計画

ランドネ本誌で連載を続けるミュージシャンのKeishi Tanakaさん。2019年春から、連載のシーズン2として「月と眠る」をスタート。ここでは誌面には載らなかった当日のようすを、本人の言葉と写真でお届けします。

Keishi Tanakaの「月と眠る」
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Keishi Tanakaさんの連載が掲載されている最新号は、こちら!
>>>『ランドネNo.130 7月号』

渋滞と無縁の登山計画

少し時間が経ってしまったが、今年のゴールデンウィークに登った山のことを書いておこうと思う。本誌でも触れたとおり、渋滞を避けて休日を楽しむことが、今回の山登りの動機と言って良い。どのように都心を離れて、どのようなルートで歩いたかを書き記しておくので、これを読んでくれたあなたの次の休日の参考になればうれしい。

渋滞を避けるために、今回は電車とバスを使った移動で登山口を目指す。都心からの場合、JR中央線、もしくは京王線を利用して、高尾駅で下車。北口改札から出るとすぐにバスのロータリーがあるので、小仏行きのバスに乗る。今回はゴールデンウィークということもあり、長い列を作っていたが、増便をしてくれていたので予定通りのバスに乗ることができた。

▲小仏バス停にて下車。

小仏バス停を降りるとすぐにトイレがあり、横を見るとすでに登山道かのような案内も発見。ほぼ登山客用のバス停となっているようだ。

今回は景信山まで登り、小仏峠、城山を歩いて、高尾山まで縦走するコース。ここから10分ほど舗装の道路を歩くとすぐに本格的な登山道に入る。

▲木漏れ日のなかを歩く。

地面がコンクリートから土に変わると、俄然やる気が湧いてくる。呼吸をするだけで気持ちが良い。そして上を見ると……。

▲まるで「秘密の森」に迷い込んだようだ。

天気にも恵まれ、初夏の匂い漂うなかでの最高の山登り。普段の忙しさを忘れる時間。とても大切で贅沢なことのように感じる。

▲景信山山頂から。

1時間ほど森を歩くと景信山の山頂に着いた。見晴らしもよく、ベンチやテーブルも広々として気持ちの良い空間。「頂上景信茶屋青木」という暖簾がかかる小屋もすてきだ。

▲景信茶屋青木。
▲青木のとろろそば。

今回はカップラーメンとおにぎりを持ってきている。そもそも昼ごはんにはまだ早い時間。にも関わらず、ついつい注文してしまうのが山小屋マジックとも言える。なかなか来れない場所だからこそ、気になったものは食べておくべし。

▲山頂が広いのは気持ちが良い。

予定よりたっぷりと休憩を楽しんだあとは、再び森のなかへ。その道の先には富士山が見えた。

▲雲がワニの口に見える。

ここからは大きな登りや下りではない。結果的には最初の景信山までが登りで、あとは景色を楽しみながらゆっくり歩ける印象。体力に自信がない人にもおすすめのルートである。

▲光る道。

あとで見返すと、今回は足元の写真を多く撮っていた。人の手で作ることは難しい光の揺れ方など、美しいと思うポイントやタイミングは山を登るたびに違う。それが自然のなかに入る理由なのかもしれない。

▲次のポイント、城山茶屋。

景信山の山頂から歩くこと1時間、次の休憩スポットに到着。ここで改めて昼食をとる。写真にはないが、お湯を沸かし、世界一美味しいカップラーメンを食べた。ほかの山を思い出したりもした。さらにビールも注文。このあとのルートや自分の体力とも相談する必要はもちろんあるが、ご褒美のビールが少し早めに飲めてしまうのも低山ならではのこと。アルプス級の登山の場合、山小屋やテントに泊まるならば話は別だが、日帰りではあまりお酒はおすすめめできない。下山してからの楽しみにとっておこう。

▲城山茶屋のぜんざい。

こちらも名物と書いてあったので。疲れた体に甘いものが沁みる。

▲今回3枚目の山道写真。
▲遠くに見える都心。

再び歩き出し、40分ほどで高尾山の山頂に到着。少し前から聞こえてきた多くの人の声で、現実世界に戻された感覚もあった。しかし、歩いてきた森のなかも紛れもない現実。やはりどちらも知ることに意味があると感じる。賑やかで楽しい笑い声も、静かじゃないと聞こえない葉っぱが擦れ合う音も、結局はどちらも心地よい。

▲最後はリフトで下山。

休憩も入れて、トータルで4時間ほどの山登りがここで終了。帰りは、行きとは別の京王線高尾山口駅から帰ることになるのだが、周りには土産屋や温泉もあり、さらにはコーヒーやクラフトビールを楽しむこともできる。そこまで含めて、渋滞と無縁の休日の過ごし方、いつかの機会にぜひ。

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今回の山登りには新しいギアがなかったので、ここでは最近手に入れた新しい焚き火台を紹介。ガレージブランド「TokyoCamp」の焚き火台は、おしゃれなのはもちろん、軽さや燃焼効率、さらには五徳の高さなど、使いやすさ的にも◎。価格も含め、ソロからふたりくらいまでのキャンプにおすすめ。

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〇Keishi Tanaka
1982年11月3日、北海道生まれ。ミュージシャン。作詞家。作曲家。Riddim Saunterを解散後、2012年よりソロ活動をスタート。ライブハウスや野外フェスでのバンドセットから、ホールやBillboardでの11人編成ビッグバンド、さらには小さなカフェでの弾き語りなど、場所や聴く人を限定しないスタイルで年間100本前後のライブを続けている。最近はV6への楽曲提供が話題となる。5枚目のアルバム「Chase Aftrer」をリリース。

Keishi Tanaka Official Site
https://keishitanaka.com  

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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