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四角友里のにっぽん“食”名山#02 平野屋の志んこ

京都・嵐山にある創業400年、茅葺き屋根の茶屋「平野屋」。京都一周トレイルを歩いていたときに、ふらりと立ち寄り、出逢ったのが『志んこ』と呼ばれる米粉で作ったお団子です。「ねじれた形と色は愛宕山の坂道を表しているんですよ」という女将さんの一言に、俄然、志んこへの興味をそそられました。

愛宕山は山頂の愛宕神社に「火伏せの神様」が祀られた信仰の山です。江戸時代には、庶民にも“火迺要慎”(ひのようじん)のお詣りが広がり、「伊勢へ七たび、熊野へ三たび、愛宕さんへは月参り」とうたわれたほど。志んこは賑わう参詣者の愛宕名物となったそうです。

そして一昨年。ついに私も江戸時代流に”由緒正しく”、愛宕山参詣と合わせて平野屋へ向かいました。

▲縁側に座ると、まず出してくださった桜茶。登山で汗ばんだ体にすっと馴染みます

数年ぶりの「志んこ」。おくどさんと呼ばれる竈(かまど)で蒸されたもちもちのお団子は、白、茶(ニッキ)、緑(お茶)の3色。山道の色を思い出しながらいただきます。形のとおり、たしかに山道も九十九折でした!! お薄も、京都らしい風情があって優雅。

▲きな粉にまぶされた黒糖のつぶつぶもおいしい。黒文字も、ちかくの山から採った枝で手作りしているとのこと

▲標高差が900mもあって、険しかった〜

これは、江戸時代からの“山おやつ”。
「おいしい」の一品が、山の歴史を伝え、登ってみたいという動機までも作ってくれたのです。
……食名山、認定です!

************************

愛宕山は、比叡山と並んで、京都の街中からもよく見えるシンボル的な山であり、京の都の「守り神」。平野屋の前にある一の鳥居は愛宕神社の起点で、ここから五十町の山坂を登りお詣りします。昔は、一丁目ごとに茶屋が建っていたそうで、道中に跡地もありましたが、いまは平野屋だけ。鮎料理やぼたん鍋も有名で、山と清滝の清流の風が通り心地よいです。「ようこそ、お詣りくださいました」とかけてくれた言葉が印象的でした。

Data:平野屋
京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町16 
TEL.075-861-0359
営業時間:11:30~21:00
休み:なし
志んこと抹茶のセット840円
http://ayuchaya-hiranoya.com/

写真◎四角友里、加戸昭太郎、廣田勇介

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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