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間違ったランニングフォームが痛みの原因!問題ありな走り方のクセ4つ

痛みがある人もない人も、ランニングフォームの見直しを!

ランニングを始めて最初の壁となるのが「痛みのトラブル」です。とくにランニングを始めたばかりの頃は、大なり小なり体のどこかに痛みのトラブルが発生することは避けられません。まずは自分の体の状態に敏感になり、少しでも違和感を感じたら原因をつきとめ、すみやかに対処する。これが症状の悪化を防ぎ、再発を防ぐことにつながります。

では、痛みのトラブルを引き起こす原因はどこにあるのでしょうか?答えはズバリ、「ランニングフォームの問題」です。問題のあるフォームで走り続けることで体はゆがみ、最終的にはさまざまな部位に痛みが発生することになるのです。すでに痛みのトラブルに悩まされている人も、まだ痛みの症状が出ていない人も、いま一度、自分がどのようなフォームで走り、どのようなクセをもっているのかを把握して、問題点を改善をしていくことは、快適にランニングを続けていくためにはとても大切なことなのです。

ここからは、とくに痛みのトラブルを引き起こしやすいと考えられている4つの問題フォームと、それぞれ発生リスクの高い痛みのトラブルと、その原因・予防と対策をご紹介していきます。

問題フォーム1 全身を痛めつける大問題フォーム『腰落ち(骨盤後傾)フォーム』

腰落ちフォームはもっとも多くみられ、痛みのトラブルも頻発しやすい大問題フォームです。骨盤が後傾することで、腰が引け、背中が丸まり、着地のたびにストンと腰が真下に落ち、ヒザも曲がってしまうのが特徴です。このフォームで走ると、重心の位置も崩れて、前に進むときに下肢でブレーキをかけてしまうため、ヒザやふくらはぎなど下肢への負担が大きくなります。

このフォームによって発生する痛み

■肩こり&肩甲骨周囲から後頭部にかけての痛み

背すじが丸くなることで肩をすぼめたような姿勢で走ることになり、肩周辺の筋肉がつねに緊張状態となり、肩こりが発生します。また腰を落として猫背気味で走ることで、肩甲骨周囲から頸部にかけての筋肉に負荷がかかり、痛みが出ることもあります。アゴを突き出して首が反る姿勢になりやすいため、頚椎への負荷も高く、頸部(首付近)痛が起こることも…。

予防と対策

胸を開くイメージで、姿勢をできるだけまっすぐに、アゴを軽く引いて走ることを心がけ、あわせて、肩甲骨を回して動かすストレッチも定期的に行いましょう。また、日常生活でのデスクワークなどでも、姿勢を正す習慣をつけることが重要です。ランニング中は、ときおり、ヒジを引いたり、大きく腕を回す、肩の力を抜いたりするようにしましょう。

■ふくらはぎなどの下肢後面の痛み・肉離れ

脚が前方に位置して重心が後方にいくため、前へ進むとき下肢の筋肉に負担がかかってしまいます。結果、ふくらはぎに炎症や肉離れを起こすリスクが高まります。

予防と対策

アキレス腱やハムストリングス(太モモ裏)の柔軟性改善のためのストレッチや下肢の筋力を強化することが必要です。また、背すじを伸ばして骨盤を軽く前傾させて走ることを意識しましょう。

■アキレス腱障害

足が地面から離れて下肢が後方に動くときに足が後方に流れやすくなります。すると、足関節の底屈(足首を足の裏方向に曲げる動き)運動量が増加して、アキレス腱やその周囲に負荷がかかり、炎症を起こしやすくなります。

予防と対策

アキレス腱伸ばしなどのストレッチを行いましょう。また、過剰な回内(着地時の足首の倒れ込み)を抑えるテーピングなどを使用したり、回内防止機能のついたシューズやインソールを使うことも有効です。

■腰痛

腰まわりのさまざまな部位で痛みが発生しやすくなります。股関節周囲の筋肉の柔軟性が低下していたり、体幹の筋力が弱い人は、腰椎の反りを強めて股関節を伸ばそうとするため、椎間関節や背筋に大きな負荷がかかることもあります。

予防と対策

体幹の筋力強化のほか、大腿四頭筋やハムストリングスといった股関節周囲の筋肉のストレッチを行いましょう。ランニング中は、軽くアゴを引いて背すじを伸ばして走るようにしましょう。ランニング中に痛みが発生した場合は、ガードレールなどにつかまって腰を伸ばすようなストレッチをしたり、屈伸運動などをこまめにとり入れましょう。テーブルに両手をついて、上体を上下に動かしたり、腰を後方に引くなどのストレッチをして、腰まわりの筋肉を定期的にストレッチすることも効果的です。衝撃吸収力の高いシューズを選択することも効果的です。

■でん部(お尻)痛

ハムストリングスに負荷がかかり続けることで、お尻の下部(坐骨付着部)に炎症が起きることも。また、股関節周囲にある梨状筋という骨盤と大腿骨につながる筋肉に痛みが出ることもあります。

予防と対策

お尻まわり、ハムストリングスや梨状筋などの柔軟性改善、筋力強化を行いましょう。また、長時間の座位を避けることも予防につながります。背すじを伸ばして痛みを感じない程度にゆっくりと前屈をして、ハムストリングスからでん部まで、しっかりと伸ばすストレッチがとくにおすすめです。

■ヒザ痛

骨盤が後傾することで「大腿四頭筋」、「大腿四頭筋腱」、「膝蓋靭帯」といったヒザを伸ばすときに使う筋肉や腱、靭帯(膝伸展機構)に炎症が発生して痛みが発生します。とくに、膝蓋靱帯炎・膝蓋大腿関節症といった障害が多くみられます。

予防と対策

スクワットなどの太モモの前側に位置する大腿四頭筋(とくに内側広筋)を強化するトレーニングやストレッチを行いましょう。足の動きを安定させるサポート力の強いシューズやインソール、膝蓋骨(ヒザのお皿)を安定させるサポーターやテーピングを使うことも有効です。

問題フォーム2 ピョンピョン跳ね走りは下腿トラブルのモト『上下動が大きいフォーム』

体の上下動が大きすぎる走り方です。横から見ると、頭部の上下動が激しく、ピョンピョンと飛び跳ねているように見えるのが特徴です。股関節の伸展運動がスムースに行われないと、足関節の底屈運動(足首を足の裏方向に曲げる動き)を過度に大きくして推進力を出さなくてはならないため、下腿から足部にかけての負担が大きく、障害も起こりやすくなります。また、ヒザ関節や股関節の動きの連携がうまくとれないため、十分な推進力が得られず、走りの効率も悪くなってしまいます。

このフォームによって発生する痛み

■ふくらはぎ痛

下腿と足部への負担を増大させ、オーバーユースなどのリスクが高まります。とくに、ふくらはぎへの負荷は大きく、最悪の場合には肉離れを起こすことも。

予防と対策

ふくらはぎの筋肉を伸ばし、柔軟性を高めることが重要です。電話帳や雑誌を重ねて作った傾斜の上に立ち、痛みを感じない程度に最大限に伸ばした状態で30~40秒キープするストレッチが効果的です。

■アキレス腱障害

ふくらはぎの柔軟性低下や、過回内(着地時の足首の過度な倒れ込み)などにより、アキレス腱やその周囲の組織に負荷がかかることで、痛みや障害が発生します。

予防と対策1

アキレス腱をストレッチしましょう。前脚を前に大きく踏み出し、もう一方の脚を後方に伸ばした状態で腰を落としていき、アキレス腱をストレッチしましょう。また、過回内予防のシューズやインソールの使用も効果を発揮します。

予防と対策2

ふくらはぎ(下腿三頭筋)の筋肉も強化しておくことで予防効果は倍増します。壁や机につかまり、カカトの上げ下げを10~30回ほど繰り返しましょう。

問題フォーム3 下肢が内側にくるくる回る人は要注意『下肢の回旋ストレスが大きいフォーム』

蹴り出すときの後ろ脚の下肢全体が内旋(内側にねじれる)を起こし、足の小指寄りで離地し、蹴り上げた後は下肢(とくに下腿)が外旋(外側にねじれる)してヒザが屈曲するといういわゆる内旋⇔外旋と、脚がねじれた状態を繰り返しながら走るフォームです。とくにO脚やX脚といった脚のアライメント異常がみられる場合には、このフォームになりやすいといわれています。

このフォームによって発生する痛み

■ヒザ痛

下腿がつねに外旋・内旋するためヒザへの負担が増大します。このタイプの走り方をする人の大半はヒザ痛に悩まされることが多いことがわかっています。とくに、骨盤からスネの骨にかけてつながり、太モモの外側に位置する「腸脛靭帯」という部位を強く緊張させることが多いため、腸脛靭帯炎という障害の発生頻度が高くなります。ほかにも、膝伸展機構障害(膝蓋靱帯炎・膝蓋大腿関節症)、膝窩筋腱炎といったヒザまわりのさまざまな障害を発生することもあります。

予防と対策

テニスボールを太モモ側面で転がして太モモの側面を定期的にストレッチしましょう。外旋・内旋を抑えるインソールや、過回内(着地時の足首の過度な倒れ込み)を抑制するシューズを履くことも有効です。

■スネ痛

スネは、回内足(扁平足)のランナーはとくに痛みが出やすい部位です。内側縦アーチ(土踏まず)がつぶれた状態になってしまい、衝撃をうまく吸収できずにふくらはぎの筋肉(ヒラメ筋)などが強く引っ張られて炎症を起こすことが原因です。

予防と対策

アキレス腱、とくにふくらはぎ(ヒラメ筋)のストレッチなどを定期的に行いましょう。片ヒザを立てて座り、曲げたヒザに両手を添えてゆっくり体重をかけていくストレッチが効果的です。体を前傾していくとき、カカトは浮かさないように注意しましょう。また過回内(着地時の足首の過度な倒れ込み)を防止する設計が施されたシューズやインソールを着用することも効果的です。

■アキレス腱障害

太モモをはじめとした下腿の柔軟性の低下や、過回内などが原因でアキレス腱やその周囲に炎症を起こすことで痛みが発生します。

予防と対策

アキレス腱のストレッチがもっとも効果的です。また、過回内を防止する設計が施されたシューズやインソールを使用もおすすめです。

■足裏痛

下肢がねじれた状態で着地をすると土踏まずのアーチが過度に落ち込み、足裏全体の筋肉や腱への大きな負担となり、痛みが発生しやすくなります。とくに、偏平足やハイアーチ(土踏まずの隙間が大きすぎる状態)傾向の強い人は、足裏痛を起こしやすいため注意が必要です。

予防と対策

足底の筋群の筋トレもあわせて行いましょう。イスに座って足元に敷いたタオルを足の指だけでたぐり寄せます。定番トレーニングですが効果は絶大です。

問題フォーム4 下肢全体がねじれる…これは大問題!『ニーイン・トウアウトのフォーム』

正面から見ると、ヒザは内側に入り(ニーイン)、つま先は外側に向いている(トウアウト)の状態になっているフォームです。この状態で走ると、着地から蹴り出しへと移行するとき、支持脚のヒザの外旋(外側へのねじれ)が強くなり、股関節周辺では内旋(内側へのねじれ)が発生します。その結果、ヒザや股関節周辺への負荷が大きくなり、ヒザや股関節周辺に痛みが発生しやすくなります。

このフォームによって発生する痛み

■ヒザ痛

ヒザの内側が過度に引っ張られることでヒザの内側に痛みが出やすくなります。とくに、ヒザの内側が痛む障害である「鵞足炎(がそくえん)」の発生リスクが高まります。また、扁平足を誘発することも。ハムストリングスの柔軟性が失われるとニーイン・トウアウト傾向がより強くなる可能性があるので注意しましょう。内側へのサポート力が強いシューズでサポートすれは内旋傾向が抑えられます。

予防と対策

ハムストリングスのストレッチを定期的に行いましょう。腰くらいの高さのバーやイスに足をのせて上体を前に倒していきます。痛みのない範囲で脚を最大限に伸ばした状態で30~40秒間キープ。ヒザを曲げすに行うことが効果を高めるポイントです。

■鼠径部(そけいぶ)痛

鼠径部(股関節内側)に圧縮ストレスが生じ、鼠径部痛が発生しやすくなります。痛みがあるときはストライドを小さくして走りましょう。痛みがひどい場合は疲労骨折の場合もあるので、一度専門機関を受診しましょう。

予防と対策1

股関節周辺の筋力アップトレーニングが効果的です。両脚を大きく広げ、四股の動作を行うことで股関節周辺のインナーマッスル(深層筋)を鍛えることができます。股関節周辺の筋力を高めれば、鼠蹊部痛は改善されます。

予防と対策2

片脚を直角に曲げて大きく横に開き、痛みのない範囲で脚を最大限に伸ばした状態で30~40秒間キープします。これで股関節周辺の内転筋(太モモ内側の筋肉)がストレッチでき、柔軟性を取り戻すことができます。

<監修>
蔵本理枝子(くらもと りえこ)

日本整形外科学会認定スポーツ医、「いとう整形外科」(世田谷区)副院長、亀田総合病院スポーツ医学科/健康管理科非常勤。 整形外科医として、病院やクリニックで勤務するかたわら、「リエチ先生」の愛称で、スポーツに関わる痛みで悩む人々へ向けて情報を発信中。趣味はロードバイク、マラソン、トライアスロン。

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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