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ランナーを悩ますヒザの痛みを予防・改善!本当に効くストレッチ法とは?

ビギナーランナーは要注意!ヒザの痛みは避けられない!?

どんな体調に気を遣っても、トラブルフリーで走り続けることは難しいものです。とくに、痛みのトラブルはランナーにはつきものです。ランニングは思っている以上に筋肉や関節への負荷が大きいため、長く走り続けていれば確実に体のどこかしらにトラブルが発生することは仕方がないことなのです。

そこで肝心になるのが、「痛みのトラブルに遭遇したときの対処法」です。痛みを感じたらどうしたらいいのか?ということさえ知っておけば、悪化を防げ、再発も防ぐことができるからです。つまり、痛みのトラブルに怯えながらランニングを続ける必要もなくなるということです。

ランナーが見舞われやすい痛みのトラブルはさまざまですが、多くのランナーが最初に遭遇するのがヒザの痛みのトラブルです。ヒザは着地時の衝撃をダイレクトに受け、さらに、つねに屈伸運動を繰り返します。つまり、ランニング中にもっとも酷使される部位なのです。とくに、フォームが安定していないビギナーランナーの場合、ヒザへの負担は大きくなり、その結果、ヒザが悲鳴をあげることになるわけです。

ヒザの痛みを引き起こす主な原因は、“腸脛靭帯炎”

ヒザの痛みを引き起こす疾患はさまざまです。そのなかでも、ヒザの外側の痛みを起こす「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」という疾患に悩むランナーは多く、別名「ランナー膝」とも呼ばれているほどです。腸脛靭帯とは、大腿四頭筋という太モモの大きな筋肉の外側に位置し、お尻の筋肉からヒザにかけてつながっている部位です。この腸脛靭帯が大腿骨外側上顆と呼ばれるヒザのあたりにある骨の出っ張った部分に圧迫されることで炎症を起こして痛みが発生する疾患です。

ほかに、膝蓋骨(しつがいこつ:お皿)まわりに負荷がかかることが原因でヒザの前側に痛みが出る「膝蓋大腿部痛」、ヒザの内側に痛みが出る「鵞足炎」がランナーに多く見られる疾患です。

痛みが出る原因は、オーバーユース、ランニングフォーム不良、股関節、臀部(お尻)などを含めた下肢の筋力・柔軟性の低下、体幹の筋力低下、オーバープロネーション(足首の過度な倒れ込み)、加齢などがあげられます。

痛む部位でわかる疾患

■ヒザの外側が痛む
腸脛靭帯炎、外側半月板損傷など

■ヒザの内側が痛む
変形性膝関節症、内側半月板損傷、鵞足炎など

■ヒザの前側(お皿まわり)が痛む
膝蓋大腿部痛など

■ヒザの後ろ側が痛む
膝窩筋腱炎、膝窩部ガングリオン、腱付着部炎、ベーカーのう腫など

ヒザ痛改善には体幹や股関節まわりの筋力強化も必要

ヒザの痛みを改善し、予防するためにはヒザの機能に関連する筋肉の柔軟性改善や、股関節、体幹などを安定させるための筋力を強化することが大切です。これらの筋力が低下していると、ランニング中の体の動きが安定せず、ヒザへの負担を減らすことができないからです。また、脚の動きを支えるお尻の筋肉は硬くなりやすく、ヒザにも悪影響を及ぼします。そのため、お尻の柔軟性を維持するストレッチもあわせて行うことが必要です。

また、普段から日常生活のなかでストレッチを習慣化することも大切です。とくに筋肉の柔軟性に左右差があると感じている場合は、その差がなくなるように入念なストレッチを行いましょう。ストレッチのほかに硬く感じる筋肉に円柱状のローラーをあてがい、ほぐすのもおすすめです。ストレッチはすべて反動を使わず、気持ちよいと思える位置で止め、15秒から20秒ほど伸ばしましょう。

【実践1】ランナーのためのヒザ痛予防・改善ストレッチ

では、ここからはヒザまわりの硬くなった筋肉をほぐすストレッチをご紹介します。ただし、痛みの症状があるうちはストレッチは無理に行わずに患部を安静に。患部にストレッチを行うのは、症状が落ち着いてからにしましょう。また、ランニング後など、筋肉を酷使した後は筋肉が硬くなっているため、入浴後など、体が温まっているときに行ってください。

大腿四頭筋のストレッチ

15秒キープ
左右各2回

背すじを伸ばして片ヒザをつき、もう一方の脚を前に立てる。前後のヒザは90度に曲げる。後ろ脚のヒザを曲げ、両手で足を持つ。バランスがとりづらい場合は、反対側の手はイスなどの支えに置くか、前脚のヒザに置いてもOK。上体を床と垂直にしたまま、後脚の太モモを前へ傾け、15秒キープ。

大腿筋膜張筋のストレッチ

15秒キープ
左右各2回

背すじを伸ばしてイスの上に片脚をのせてヒザを曲げる。イスにのせた脚の側の手を壁につき、イスにのせた脚の股関節を内転させて太モモの外側を伸ばし15秒キープ。

腓腹筋ストレッチ

15秒キープ
左右各2回

片脚を大きく前に出してヒザを曲げる。後ろ脚のヒザは伸ばしたまま前に体重をかけていき15秒キープ。カカトを床から離さないように注意しよう。

ヒラメ筋のストレッチ

15秒キープ
左右各2回

片ヒザを立てる。両手は片ヒザを立てたほうのヒザの上に添える。つま先に向かってスネを前傾させて15秒キープ。このとき、片ヒザを立てたほうの足のカカトが浮かないようにしよう。

長母趾屈筋のストレッチ

15秒キープ
左右各2回

母趾(=足の親指)を伸ばすために足指の下にタオルを置き、片ヒザを立てる。両手は立てたほうのヒザの上に添える。つま先に向かってスネを前傾させた状態で15秒キープ。このとき、タオルにのせたほうの足のカカトが浮かないようにしよう。

クラムシェル(股関節まわりの筋力強化 : 中臀筋・外旋筋群)

左右各10回×3~5セット

床に横になり、片腕を枕にする。両脚を揃えて閉じ、カカトをつけたままヒザを開く。股関節を開いたときに腰が後ろに倒れないように注意する。

大でん筋の筋膜リリース

30秒×3セット

フォームローラーの上に座り、4の字になるように足首を反対側のヒザの上にのせる。ヒザにのせたほうの手は後ろにつき、バランスをとる。体を少し斜めに傾けて、ヒザにのせた側のお尻を上下に動かしてフォームローラーを30秒コロコロと転がす。

【実践2】ヒザ痛+プラスαの筋力強化エクササイズ&ストレッチ

ここからは、ヒザへの負担を減らすための筋力強化エクササイズと、硬くなるとヒザに悪影響を及ぼす部位のストレッチをご紹介します。とくに、体幹や股関節まわりの筋力がつくと、着地時の安定性が高まり、ヒザへの負担を減らすことができます。筋力不足が気になる人は、毎日行うようにしてください。

体幹エクササイズ1 下向きブリッジ

左右各30秒×2セット

四つ這いになり、片腕をまっすぐ前に上げる。その対角の脚をヒザを伸ばして上に上げる。その姿勢を30秒キープする。背すじを伸ばして指先からカカトまでが一直線になるようにしよう。

体幹エクササイズ2 サイドブリッジ

30秒キープ
左右各2セット

背すじを伸ばして両脚を揃えて床に横になる。下側の肘を逆側の肩の真下につき、上体を支える。上側の手は対角の肩に添える。バランスを崩さないように注意しながら、腰を肩から足までが一直線になるくらいまで真上に持ち上げ、30秒キープ。

お尻伸ばしストレッチ1

15秒キープ
左右各2回

床で仰向けになり、片ヒザを曲げて、もう一方の伸ばすほうの脚を太モモのあたりで組む。床についたほうの脚の太モモの後ろを両手で持ち、できる限り太モモを胸に近づけて15秒キープ。組んだ側のお尻が伸びていることを意識しよう。

お尻伸ばしストレッチ2

15秒キープ
左右各2回

イスに座り、片脚の足首を反対のヒザにのせ、足首とヒザ下に手を置く。上体を前に倒し、のせた脚のふくらはぎに胸が近づくようにしてお尻を伸ばして15秒キープ。

ヒップリフト

15回×3セット

仰向けになり、両ヒザを曲げてタオルやクッションをヒザに挟む。肩からヒザまでが一直線になるくらいまで腰を上げていく。

ハムストリングスストレッチ

10秒キープ
左右各5回

仰向けになり、片方のヒザを曲げ、ヒザの裏を両手で抱えて胸まで引き寄せる。反対の脚は伸ばしておく。ヒザの位置はそのままに、ヒザを伸ばしてなるべくまっすぐにして10秒キープ。

<監修>
蔵本理枝子(くらもと りえこ)
日本整形外科学会認定スポーツ医、「いとう整形外科」(世田谷区)副院長、亀田総合病院スポーツ医学科/健康管理科非常勤。 整形外科医として、病院やクリニックで勤務するかたわら、「リエチ先生」の愛称で、スポーツに関わる痛みで悩む人々へ向けて情報を発信中。趣味はロードバイク、マラソン、トライアスロン。

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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