ランニング用語総まとめ。ランナーが知っておきたい専門用語とは
- 2021年10月31日
ランニングを楽しみたい!そんなランナーたちに知ってもらいたい、ちょっと専門的なランニング用語。知っておけば、ランナー同士の会話や、トレーニングの向上など、きっと役に立つときがくるはず。わかりやすく紹介するので、ぜひチェックしてみよう。
Index
アイシング
ダメージを受けた関節や筋肉を冷やすこと。冷やすことにより血管が収縮し、血流が一時的に鈍り、炎症を 悪化させずにすむ。
アイソトニック
等張性の意味があり、アルカリイオン飲料で知られる体液と同じ浸透圧のドリンクがアイソトニック飲料。 腕立て伏せなどの等張性筋収縮はアイソトニック運動と呼ばれる。
アクティブレスト
積極的休養とも呼ばれ、ジョギングやウォーキング、ストレッチなどの軽い運動で全身をリラックスさせたり、筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促進させる。
アーチ
土踏まずの部分。着地時にアーチが落ち込みやすい人は、足のねじれが生じやすく、体のバランスに影響す ることもある。アーチの形状によって、ハイアーチや扁平足とも呼ぶ。
アライメント
骨や関節の形や並びのこと(機能軸)。アライメントが崩れると、ランニング時に体の特定部位にかかる負担が大きくなり、故障の原因に。
アンダープロネーション
カカトの内側から着地し、蹴り出すときにカカトが外側に傾くこと。着地するときの衝撃が大きくなる。
アンチエイジング
筋肉や骨、脳神経などの機能低下など、加齢にともなう生理的な老化だけでなく、生活や食事、運動不足からくる体の内部や機能の低下を可能な限り小さくすること。
イーブンペース
最初から最後まで一定のペースで走ること。レースでは自分のペースを守り、なるべく均一なスピードで走 るのが経済的。
イメージトレーニング
イメージのなかで一連の動作を行うこと。具体的には、過去の成功体験や競技会場の雰囲気などをイメージしてプラス思考にする。
インソール
シューズの内面底部にあって、直接足を支える機能を担っている。
インターバルトレーニング
速いランニング(負荷)を、休息(インターバル)を挟んで繰り返す方法。回復の時間や疾走の長さは、トレーニングの目的によってさまざまなバリエーションがある。
インナーマッスル
体の内部にあって、肩や股間節など体内の補助的な動作の微調整を行う筋肉のこと。インナーマッスルを鍛えることで、理想のランニングフォームに近づくことができる。
ウィズ(Width)
足の幅を表す。同じ部分の周り寸法は足囲とよばれる。マラソンシューズなど、同じサイズでも足幅がEEや4Eと異なれば、フィット感も違ってくるので、足長だけではなくウィズもシューズ選択の項目として重要視しよう。「ワイズ」ともいう。
ウインドスプリント
軽快ですばやい動作のランニング。スピードを体で感じるトレーニングだが、ダッシュではなく20〜30秒間、リラックスした走りを心がける。
ウォーターローディング
レース1週間くらい前から、ある程度硬度の高い水(中硬水が適しているといわれる)を毎日少しずつ摂取して体をつねに水で満たし、レース中の水分喪失によるパフォーマンス低下を防ぐ体調調整法のこと。個人差もあるが、1回の摂取量は250mlが目安で1日1〜1.5Lの水を飲むとよい。カルシウムが適度に含まれる中硬水でウォーターローディングすることで血管の柔軟性が高まり、血行が促進され新陳代謝もアップする。体内が活性化されるので、日々の健康法としても活用が可能。
ウォーミングアップ
レースやメイン練習の前に行う準備運動。「アップ」ともいう。ストレッチや軽いジョギングなどを行い、筋肉を温める。関節や腱、筋肉の動きがなめらかになり、神経の反応を高めることができる。
ウルトラマラソン
IAU(International Association of Ultrarunners)では、フルマラソン(42.195km)を超える距離のマラソンをウルトラマラソンと定義している。一般的には50km以上の距離で、100kmは人気が高い。
ATP
アデノシン三リン酸という運動時に使われるエネルギー。酸素摂取によらない無酸素運動、スタートダッシ ュなどの運動で最初に使われる。
エイドステーション
レース中のランナーの水分補給のために設けられた給水所。通常は5kmごとに設置されている。
駅伝(リレーマラソン)
複数人でチームを組んで参加が可能なレース。一人ひとりの走る距離が短いレースも多く、職場や仲間で盛 り上がりたい人にもおすすめ。
エクササイズ
体を動かすこと、運動を意味する。
SAQトレーニング
器具を用い、「S:スピード=最高速度」「A:アジリティ=俊敏性」「Q:クイックネス=すばやさ」の3つの要素に分けて、トレーニングする方法。柔軟性や体のバランスを高めるウォーミングアップ方法としても知られている。
オーバートレーニング
運動で生じた生理的な疲労が、十分な休養がとれないために積み重ねられ、その結果として回復が間に合わ ず慢性疲労になった状態。
オーバープロネーション
カカトの外側から着地し、蹴り出すときにカカトが内側に傾いてしまうこと。関節に余計な負担がかかることから、故障の原因になる可能性も。
オーバーペース
その人の最適なペースを超えて速く走りすぎてしまうこと。マラソンなどでは、レース後半の失速の原因に。
加圧トレーニング
特殊な道具を用いることで、血流を制限し、その状況で筋力トレーニングを行うもの。
カーフレイズ
立った状態でふくらはぎの筋力を強化するワークアウトの一種。背すじを伸ばしてまっすぐに立ち、軽く脚を開く。バランスをとりながら、カカトを高く上げ下げする。脚にたまった血液を上へ押し戻す効果もあるので脚がむくみがちな人におすすめ。
カーボローディング
マラソンなどの長時間運動に向けて、レースの数日前から意識的に炭水化物中心の食事をとり、体内にグリコーゲンをため込むこと。
関門
レースでは道路の通行規制などによって制限時間が設定されているが、コースの途中にも数カ所に制限時間を設けて、時間以内に通過できなければ強制的にレースを中断させられることがある。
基礎代謝
寝ている間も心臓のはたらきや呼吸によって、人間はエネルギーを消費している。さらに体温維持など、生 きていくうえで最低限必要なエネルギー消費のこと。
機能性タイツ
脚の筋肉の余分な揺れを防いで疲労を軽減したり、関節をサポートしてケガを予防するスポーツ用のタイツのこと。また、正しい姿勢へと導きフォームの改善にも役立つ。
距離走
マラソンを走り切る持久力をつけるためのトレーニング。ペースはジョギングよりも速いが、距離は自由に設定する。
筋肉痛
激しい運動で損傷した筋繊維を修復するために、細胞から放出される物質が神経を刺激するなどが原因で起 こるといわれている。
グリコーゲン
体内に蓄積された糖質。必要に応じてすばやくブトウ糖に変換され、エネルギーとなる物質。穀類など糖質系の食材が消化・分解されることでグリコーゲンが合成される。おもに肝臓と筋肉に蓄えられるが、貯蔵量には限りがあり、グリコーゲンだけをエネルギー源として持久系の競技を乗り切るのは難しい。体内の貯蔵タンクを大きくするために競技本番の1週間ほど前からグリコーゲンローディングを行うアスリートは多い。
クールダウン
練習後に軽いジョギングやストレッチをして、心拍数を徐々に下げていくこと。心臓への負担を減らし、疲労回復を促進させる効果がある。
クロスカントリー
芝生などの未舗装コースを走るトレーニングやレース。スピードやスタミナ、バランス感覚をやしなう。
グロスタイム
レースで順位を判定するのはスタートの号砲に合わせて計測されるタイムによるため、スタート地点を通過するまでのロスタイムは考慮されない。ピストルが鳴ってからフィニッシュラインを通過するまでの、純粋の時間がグロスタイムである。
クロストレーニング
自分の専門種目以外の練習を行うこと。普段鍛えられていない部分が鍛えられ、フィットネスレベル全体が底上げできる。ランナーにとってはサイクリングやスイミング。
肩甲骨
背中上部にあって、左右各1個からなる逆三角形の扁平骨。ランニングでの腕振りを支える役割を担う。
高所トレーニング
標高の高い場所でトレーニングを行うこと。標高1000m以上を高所としているが、トレーニング環境としては1500m前後の場所を利用することが多い。
股関節
すべての動きの要。骨盤と大腿骨(だいたいこつ)の接点で円運動をする関節。正しい走りには股関節の柔軟性が大切。ここが硬いと歩幅が小さくなり、スピードが出ない。
五大栄養素
健康な体を支える5つの栄養素。「糖質、脂質、たんぱく質、ミネラル、ビタミン」で、どれか一つ欠けても、健康な体を維持するのは難しい。
骨盤
大腿骨と脊柱の間で体を支える「寛骨(かんこつ)、仙骨(せんこつ)、尾骨(びこつ)」からなる骨の総称。
こむら返り
ふくらはぎの筋肉のけいれんのこと。筋肉の成分である筋線維は、温かいと伸び、寒いと縮む性質をもっているため、寒冷下では筋肉の柔軟性が低くなり、こむら返りが起こりやすくなる。運動中に温かい部屋から外に出るときなど、気温が急激に変化するときには入念なウォーミングアップやストレッチが欠かせない。
コンディショニング
トレーニングを継続する際の日常生活における体調管理。健康維持と体力向上のため、つねに心身の状態に気を配りながら、ベストの状態を保てればトレーニング効果が高まる。
コンプレッション機能
適度に筋肉を圧迫する(コンプレッション)ことで筋肉の不要な揺れを抑制。また血流をスムースにしてくれることから、疲労軽減に役立つものとして知られる。
再帰反射機能
どんなにゆがんだ曲面でも、また光がどの方向から当たっても、光源に向かって反射する機能のこと。夜間のランニング時にこれを身につけることにより、ドライバーにも認識されやすくなり車との接触事故の防止にもつながる。
最大酸素摂取量
1分間あたりに取り込むことができる酸素量の最大値を体重あたりで表す。この数値が高ければ、持久的能力に優れている。
最大心拍数
激しい(全力)運動をしたときの、1分間の心拍数の最大値。目安として「220マイナス年齢」で簡単に推測できるが、個人差が大きい。
サブスリー
3時間を切るタイムでフルマラソンを完走すること。サブ(SUB)とは下回るという意味で、4時間以内の完走をサブフォー、5時間以内をサブファイブと呼ぶ。サブテンはフルマラソンで2時間10分以内のことをいう。
サプリメント
「トレーニング、栄養摂取、休養」の3つの場面でその効果を補ったり上乗せするもの。タブレット、パウダー、ゼリーなど形状もさまざま。
持久力
体力要素のうちの一つで、運動を持続する能力を指す。全身持久力と筋持久力に分けられる。
膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)
大腿四頭筋がストレッチ不足のまま運動を続けるなど、膝蓋靭帯に必要以上に負担がかかると、そこに炎症を起きる。そのことにより、生じる痛みのことを膝蓋靭帯炎という。予防としては、大腿四頭筋の筋力アップとストレッチが効果的。
ジャンパー膝(ジャンパーひざ)
膝蓋骨(しつがいこつ)と頸骨(けいこつ)をつなぐ膝蓋靭帯(しつがいじんたい)に過大な負荷がかかり、痛みが生じるスポーツ障害。
シューレース
靴ヒモのことを表す。シューズはヒモの結びかたにより、履き心地が大きく変わる。ヒモを下から通す方法を「アンダーラップ」。上から通す結びかたを「オーバーラップ」という。前者のほうが柔軟性があり、微調整も可能。後者のほうは、緩みが少なくがっちりと固定することができる。また、靴ヒモがないベルクロでとめるタイプのスニーカーもある。
ジョギング
一般的にランニングは走ること、ジョギングはゆっくり走ること、とされている。
暑熱順化(しょねつじゅんか)
暑さに馴れること。日本の夏は高温多湿で熱中症や脱水症状のリスクが高まるため、体が気候に適応するま ではトレーニングにも注意が必要。
シンスプリント
脛骨過労性骨膜炎(けいこつかろうせいこつまくえん)をいう。着地時に脛骨に沿って鈍痛があり、スネの下部分を押すと痛むという症状の場合に考えられる。
心拍計(ハートレートモニター)
心拍数をリアルタイムで確認できるアイテム。心拍数の管理はもちろん、脈拍を自分で計測する手間が省けることから、トレーニング強度を正確に把握できる。
心拍数
心臓の動きを拍動といい、心臓が1分間に拍動する回数を心拍数という。血液を体中に送り出すための動きで、脈拍数と同じ。持久的トレーニングによって安静時の心拍数が低下する。
心拍トレーニング
心拍数を計測しながら目的に応じた運動強度を設定し、トレーニング効果を高めるためのトレーニング方法。腕時計式の心拍計の普及により利用するランナーも多い。
スタミナ
持久力と同義で用いられることが多く、スピードとともにランニングのパフォーマンスを評価する視点となる。マラソンの記録には重要な要素であるため、トレーニングの中心はスタミナ養成である。
ストライド
1歩の歩幅のこと。スピードを出すためには大きなストライドが必要だが、そのぶんエネルギー消費が大きくなるため、長い距離を走る際にはストライドを調整する。
スピードトレーニング
スピード能力を高めるトレーニングのこと。動作開始、加速、最高速、減速、停止など競技やポジションに要求されるスピード能力の練習が考えられる。
スポーツウオッチ
経過時間やペースを確認するために必要なアイテム。最近では、ラップ・タイムを100本以上保存できたり、ワールドタイムや電波時計など、機能性の高いものも店頭に並んでいる。
スポーツ障害(外傷)
バランスを崩したときや能力以上のパフォーマンスを発揮したときに、体がその負荷に耐えられず発生することが多い損傷。捻挫、脱臼、骨折、肉離れ、など。繰り返し動作や疲労が原因で発生することもある。
スポーツ心臓
運動に適応できるよう、心臓自体が大きくなったもの。スポーツ選手の心臓は、一般の人の1.5倍程度の大きさになることもあり、1回の拍出量が増大するために安静時の心拍数が低下する。
スロートレーニング
筋力トレーニングで用いる運動をゆっくりと行うトレーニング。実際の負荷以上の効果が得られるという。
成長ホルモン
「体が成長する=栄養を吸収しやすくする」ためのホルモン。眠り始めて、1時間程度経過し、熟睡状態になると分泌される。疲労回復や身体機能の向上にも重要な役割を果たす。
速筋・遅筋(そっきん・ちきん)
速筋(通称・白筋)は瞬発力やスピードを必要とする短距離走などでおもに使われる筋肉。遅筋(通称・赤筋)は長距離ランニングなどで使われ、大きな力は出せないものの収縮速度が遅く、疲れにくいのが特徴。
足底筋(腱)膜炎
着地動作での衝撃を緩和し、吸収するための土踏まずのアーチを支える足底筋膜に強い負荷がかかり、炎症や小さな断裂が生じて痛みが起きる。
体幹(コア)
腹筋や背筋、股関節周辺の筋肉群など、体の中核をなす部分。長距離走でフォームを安定させる働きがある。
体脂肪
体の中に蓄積している脂肪。腹まわりなどの皮膚の下につく脂肪を皮下脂肪、内臓のまわりにつく脂肪を内臓脂肪と呼んでいる。
代謝(メタボリズム)
生体内で起こる化学的反応のことで、運動を行う以外にも生命維持のためにはつねに体内部でエネルギーを獲得するための化学的変化が起きている。新陳代謝、基礎代謝、エネルギー代謝、脂質代謝など、スポーツ活動と切り離せないさまざまな代謝があり、トレーニングによってもその化学反応のしかたに変化が生じる。マラソンのように非日常的な身体活動において、その能力を向上させるためには、目に見えない生体内の細胞レベルの変化が求められる。獲得したエネルギーをどのように変換させて出力するのか、長時間のランニングに適応させるような化学反応を導かなければならない。
タイムトライアル
実際のレースと同じように最大努力で走る単発的なトレーニング。レースよりも短い距離で実施するのが一 般的。
超回復
筋力トレーニング後、24〜48時間ほどの休息によって、運動により壊された筋繊維が修復され、それ以前より筋肉が強化されること。
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
ヒザ関節の外側に付着する靱帯がランニング動作の繰り返しによって炎症を起こし、痛みが生じる。O脚に発症しやすいランニング障害で、炎症を抑えるアイシングや膝関節周辺のストレッチなどで予防。痛みが出ればランニングを控えたほうがいい。
腸腰筋(ちょうようきん)
「腸骨筋、大腰筋、小腰筋」からなる腰まわりの筋肉。脚(太モモ)を引き上げるときに使われるため、ランニング時に重要なインナーマッスル。
低酸素トレーニング
大気中の酸素濃度が低下した環境下で行うトレーニングのこと。低酸素環境でトレーニングを行うことによって、血液性状の変化や心肺機能の向上がもたらされ、その状態に身体が適応すれば有酸素系の持久的能力向上につながる。
低ナトリウム血症
発汗による脱水症状などを予防するために水分補給を行うが、ナトリウムなどの電解質も失っているため、水のみを大量に補給すると血液中のナトリウム濃度が著しく低下する。頭痛や嘔吐、けいれんなどを引き起 こす恐れがあるので、水分のとりすぎにも注意が必要。
テーパリング
レースに向けた調整段階で徐々にトレーニングの量を減らすことで、“先細る・次第に減らす”などを意味する“taper”。レース直前の2週間程度がおおよその目安で、疲労回復と心身の充実を図りながら最高のパフォーマンスを発揮できるように導く。
テーピング
伸縮性のある専用テープを使い、筋肉の動きをサポートしたり圧迫することで、肉離れなどの症状の悪化を抑えたり、ケガを予防する。
でん筋
でん部(尻)の筋肉は、腹筋やイン ナーマッスルとともに体を支え、ランニング時に力を出す役割をもつ。
トレイルランニング
未舗装路や山道を使って行うランニング。山岳コースを使ったレースも実施されている。
トレッドミル
フィットネスクラブでよく見かけるランニングマシン。速度を調節できるので、雨の日や夜でもランニングを楽しめる。
内転筋(ないてんきん)
腸腰筋の内側にある太モモの筋肉の一つ。骨盤を支える働きをもつ。長距離ランニングで重要な役割を担う。
肉離れ
筋肉が瞬間的に伸ばされ、筋繊維に断裂が生じること。スピード練習で起こりやすく、予期せぬ動きをしたときに生じやすいといわれている。
ニコニコペース
歩くような速度で体に負荷をかけないランニング。各自の体力レベルに応じて実施できるので、初心者でも安全に取り組め、生活習慣病の予防にも効果的といわれている。福岡大学の田中宏暁教授が提唱した。
乳酸
無酸素性状態で糖を分解することによって生じる有機酸の一種。血中の乳酸濃度は運動強度の目安となる。以前は、疲労物質と呼ばれていたが、最近では、体内でエネルギーとして再利用されることがわかっている。
熱中症
暑熱環境で発生する障害の総称。高温下での長時間運動で起こることが多いが、急激に気温が上昇したときや室内でも起こる。死に至ることもあるので、高温多湿環境下で走るときは、練習内容や水分補給に十分気をつけることが必要。
ネットタイム
参加人数が多いマラソン大会ではスタート地点を通過するまでのロスタイムが生じるため、ロスタイムを差し引いて実際のスタートラインからフィニッシュラインを通過するまでの記録で表示されることがある。
ノルディックウォーキング
ノルディックスキーのポールを使い、山の中を歩くスポーツ。もともとは、クロスカントリーの選手が夏場のトレーニングとしてとり入れていた。
パイピング
ウエアなどの布の端を、共布や別布、専用のテープでくるむフチどりのこと。すそや袖口、ポケット口などにアクセントとして行うことが多いが、生地を縫い合わせた部分に施す場合もある。
ハイポトニック
運動中には体液の浸透圧が低下するため、水分補給のときにはスムースに体内へ吸収される、低浸透圧のハイポトニック飲料が有効である。
白色脂肪細胞
脂肪を体内にためる働きをもつ細胞。この細胞のサイズが大きくなると太ってしまう。
ハーフマラソン
フルマラソンの半分の走行距離(21.0975km)で開催されるレース。
ハムストリングス
太モモの背面、内側にある筋肉群。半腱様筋(はんけんようきん)、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、 半膜様筋(はんまくようきん)の3つで構成されている。
ピーキング
日頃のコンディショニングにくわえ、レースに向けたベストの状態を整える方法。疲労回復とともに食事や睡眠に配慮し、トレーニングの質と量を調整することによって、心身ともに最高の状態を築く。ピーキングの成否がレースの結果を左右する。
BPM
「Beat Per Minute」の略で、ある音楽が1分間に刻むビートの数のこと。ウォーキングやランニングには、それぞれに適したBPMがあり、目的に合ったBPMの音楽のビートで足を踏み出すことにより、ペースキープのストレスが軽減される。
ピッチ
走っているときの脚の回転数(歩数)のこと。エリートランナーではマラソンレース中のピッチは1分間に190回前後。
ピリオダイゼーション(期分け)
スポーツ選手が重要な試合に向けて、コンディションを合わせるための期間を、「準備期、鍛錬期、試合期、回復期、移行期」の5つに分けて、トレーニングの目的に応じ、内容を変化させること。
ビルドアップ走
ビルドアップとは「積み重ねる」という意味。少しずつペースを上げながら走ることをビルドアップ走といい、逆にペースを下げるものをビルドダウンという。
貧血
肺から取り込まれた酸素は、心臓を経由し血液中の赤血球(ヘモグロビン)によって全身に運ばれる。このヘモグロビン値が低くなると、酸素運搬能力が低下して貧血症状が出やすくなる。原因不明の疲労感や体のだるさは貧血の可能性があるといわれている。鉄分やたんぱく質、ビタミンCの補給が重要になる。
フラットシーム/シームレス
「フラットシーム」とは縫い目が 肌に当たらないよう加工されたもの。縫い目の跡が素肌につきにくく、ソフトで自然な着心地を味わえる。 「シームレス」は縫い目がないこと。
フルジップ/ハーフジップ
トップスのアイテムで、襟からすそまでジッパーがついていて、ジャケットのように着脱できるのが「フルジップ」。ジッパーが襟から胸元までと短く、頭からかぶって着るタイプを「ハーフジップ」と呼ぶ。
プロテイン
たんぱく質を補うサプリメントの一 種。アスリートが筋力をつけるためのものだと思われがちだが、一般の ランナーにとっても体のもととなり、走るための筋肉作りに役立てられる。
ベアフットシューズ
裸足に近い状態でトレーニングができるシューズ。普段あまり使わない筋肉が鍛えられ、人間がもつ本来の能力を目覚めさせてくれるといわれている。
ペース走
走力に応じて一定のペースをキープしながら長い距離を走るトレーニング方法。
ペースメーカー
オリンピックや世界選手権などのタイトルを争うレース以外では、記録更新を目指すために数名のペースメーカーを配置して25kmや30kmまでを決められたペースで先導する。役目を終えると、その地点でリタイアするのが一般的である。
ベンチレーション
ウエア内の温度と湿度を快適に保つための換気・通気機能で、汗をよくかくワキの下や背中、太モモのサイド部分に装着されている場合が多い。ファスナーも基本的なベンチレーションの一つ。
マラソン
紀元前490年、マラトンの丘でペルシャ軍と戦い、勝利を収めたアテネ軍の戦士が伝令としてアテネまで走り(約40km)、「わが軍勝てり」と告げるとそのまま息絶えたという伝説が残っている。それを第1回のアテネオリンピックで再現したのがマラソンレースの始まり。その後、第4回ロンドンオリンピックでは42.195kmでレースが行われ、現在の正式距離の起源となった。
ミトコンドリア
“エネルギーの生産工場”ともいわれ、細胞内に含まれる。ミトコンドリアの数を増やすことによって酸素消費量が高まり、持久的能力の向上につながることから、ミトコンドリアの増加をトレーニングの目的とすることもある。
むくみ
血管の外の体内に水分(血液の液体成分)がたまってしまう状態のこと。血行不良がおもな原因といわれている。体内の水分は栄養や酸素を体の各組織に運んで、血管の中と外をいったりきたりしている。しかし、筋力がなかったり、体内の電解質バランスが悪いと、血管外に出た水分が元に戻らなくなってしまうことがある。ランニングで代謝を高めれば、むくみのトラブルも改善できる。
無酸素運動
有酸素運動に対する呼び名で、酸素供給をともなわずに解糖系のエネルギー代謝によって筋肉を活動させる高強度の運動。10秒以内の短時間に最大努力で力を発揮するため、酸素不足の状態に陥るが、運動中でも体内にはつねに酸素は取り込まれているため、正確には無酸素ではない。
メディカルチェック
安全に安心してランニングに取り組むために病院などで行う検診。心電図、血圧、血液検査、レントゲンなどの一般的な項目では、日常生活における異常を検査するが、運動負荷心電図の検査を行うと運動時の状態を確認できるので、ランナーの健康管理に活用できる。
有酸素運動(エアロビクス・エクササイズ)
ジョギングやウォーキングなど、体内に酸素を取り込みながら持続的に行う運動。
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア)
20代から30代の男性に多くみられる脊髄神経が圧迫されることにより痛みが生じる障害のこと。椎骨間で強い圧迫を受けると、椎間板の中の組織、髄核が外に飛び出し、脊髄神経を圧迫することが原因とされている。
ラップタイム
一定区間の距離を走るのにかかった時間。スプリットタイムともいう。
ランナーズハイ
長時間ゆっくりと走っているうちに、肉体的にも精神的にも高揚してくることを「ランナーズハイ」と呼ぶ。
ランナー膝(ランナーひざ)
ヒザの皿の外側が痛む「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)」の一種。走るときはヒザの屈伸動作を絶えず繰り返すが、その際の太モモの外側にある腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)が、大腿骨(だいたいこつ)の外側部分とこすれ合うことで起きる炎症。
LSD(ロングスローディスタンス)
長い時間、長い距離をゆっくりと走り続けることをLSD(ロングスローディスタンス)と呼び、1km7〜8分のペースで、120分以上走り続けるのが理想とされている。長時間走ることによって持久力や内臓の疲労に対する抵抗力を高め、脂質の代謝を促進してグリコーゲンを温存させるトレーニングになる。心拍数も上がりすぎず、無理なく続けられるため、マラソンランナーにとって重要なトレーニングの一つ。
ワークアウト
運動やトレーニングの総称。正しいフォームを意識づけるための筋トレや、補強トレーニングを指すことも。
WMM(ワールドマラソンメジャーズ)
ロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークのメジャー大会に東京をくわえた6レースからなる世界最高ランクのマラソン大会。各レースごとの順位にくわえ、シーズンのポイント制でも順位を争う。
- Brand :
- RUNNING style
- Credit :
- 監修=前河 洋一(国際武道大学 体育学科 教授)
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