お伊勢参りの前に。『伊勢神宮』について知っておきたい6つのコト
トリコガイドシリーズ 編集部
- 2017年09月06日
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まずは伊勢神宮を知ることから
「お伊勢さん」の名で親しまれる伊勢神宮は、昔も今も変わらぬ伊勢志摩旅行の第一目的。広大な境内には神秘的な雰囲気が漂い、訪れる人を清々しい気持ちにさせてくれる。そこで、お参りをする前に頭に入れておきたい伊勢神宮の基礎知識をご紹介。これを知っているのと知らないのとでは、実際に歩いた時の心持ちがまったく違ってくるはず。「内宮と外宮って、どうして分かれているの?」「式年遷宮って何?」……こんな疑問の裏にある、歴史や由緒に触れてみよう。
その1:正式名称は「伊勢神宮」ではない?
広く親しまれている「伊勢神宮」は通称で、正式名称は「神宮」。神宮とは天皇、皇室の祖先神や大和平定に功績のある神を祭神とする神社の一部に使われている社号で、明治以降に改められた。『日本書記』に「神宮」と記されているのは伊勢神宮と石上(いそのかみ)神宮のみ。江戸時代には伊勢神宮と鹿島・香取両神宮の3社のみが「神宮」を名乗っていたのだという。神宮の前に「伊勢」という地名がつかないのは、神宮がすべての神社の中心であり、唯一無二の存在だから。つまり、伊勢神宮は伊勢だけでなく日本全体を護っているのだ。
その2:宮社の数は全部でいくつ?
神宮の宮社は内宮と外宮だけではない。正宮であるこの2宮のほかに、正宮と関わりの深い神を祀る別宮が14、『延喜式神名帳』に記されている摂社が43、神宮の儀式に関する文献『延暦儀式帳』に記されている末社が24、正宮と別宮が管理する所管社が42あり、全部で125にも及ぶ。
その3:内宮と外宮に分かれているのはなぜ?
内宮の正式名称は「皇大神宮」で、ご祭神は皇室の祖神であり日本国民の大御祖神とされる天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
一方、外宮の正式名称は「豊受大神宮」で、ご祭神は食物や穀物をつかさどる豊受大御神(とようけのおおみかみ)。豊受大御神は天照大御神の食事を奉るために丹波の国から迎えられたとされている。あくまでも神宮の中心は天照大御神が鎮座する内宮であるため、両宮は並列して祀られていないのだという。
その4:おみくじもさい銭箱もないってホント?
神宮は私幣(天皇以外の人が神社に捧げるお供えもの)禁断とされ、個人的なお供えものをすることは禁じられていた。おさい銭は私幣にあたるため、その名残で今もさい銭箱は置かれていない。また、おみくじは重要な決定事や祭り、政治において神様のご意志を占うためにされていたくじ引きが起源。日本を護る神宮では、個人的な吉凶を占うことをはばかるのだそうだ。
その5:社殿が倉庫のかたちをしている理由は?
神宮の内宮、外宮の御正殿の建築様式は唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)。神明造は弥生時代の高床式穀倉から発展したものとされ、大切な穀物を納める倉庫にご神体を納めるようになり、現在の形になった。神宮では正宮だけでなく、別宮や摂社などにも神明造が用いられている。
その6:『式年遷宮』って……なんだっけ?
式年遷宮とは、社殿を新造し、装飾品や調度品などもすべて新調して、御神体におうつりいただくこと。常に清々しい姿を保つ「常若(とこわか)」という概念を体現している。伊勢神宮では20年周期で行われており、準備には8年もの期間を要する。旧殿から新殿へ神体を移し奉る「遷御(せんぎょ)」が遷宮のクライマックスとされる。
内宮と外宮は離れているので、移動には少し時間が必要。片方のみの片参りにならないよう、しっかり時間配分しよう。外宮から内宮への移動はもちろん、鳥羽や二見まで足を伸ばすなら「CANばす」が便利(1時間に1〜2本ほどの運行)。行動派なら、外宮、宇治山田の観光案内所で貸し出しているレンタサイクル(4時間まで500円)もおすすめだ。近鉄やJR東海が発売しているお得な周遊チケットも賢く利用したい。なお、大きな荷物は駅などのロッカーか手荷物預かり所へ。キャリーバッグをゴロゴロさせて参道を歩くなんてことのないように!
(出典:『トリコガイド 伊勢志摩 2018-2019 [付録あり]』)
(エイサイト編集部 ヨシダ)
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オンは仕事をバリバリこなし、限られたオフはおもいっきり羽を伸ばして楽しむ!そんな大人のキャリアウーマンの「せっかくだから」を満たす、ちょっと贅沢な国内ガイドマガジン。
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