明月院（北鎌倉）あじさい寺と癒しのカフェ

北鎌倉の明月院といえば、全国にその名を知られるあじさいの名所。実はあじさい以外にも見どころが多く、1年を通して楽しめる癒しの場となっています。近くには美味しいコーヒーで一服できる素敵なカフェも！そんな魅惑の明月院散策をガイドします。

“あじさい寺”の異名をとる花の名所「明月院」

明月院の起こりは古く、1160年に創建された明月庵にあるとされています。その後、鎌倉幕府8代執権の北条時宗が最明寺を前身として禅興寺を創建。明月庵はこの寺の塔頭（子院）となり、明月院と改められました。明治初頭に禅興寺は廃寺となりましたが、明月院は残り、現在に至っています。

鎌倉に多い谷戸と呼ばれる谷間にある明月院は、緑深い景観が魅力。例年6月10日ごろから6月末にかけては境内に植えられた2500株のあじさいが咲きそろい、あたりをうっとりするようなブルーに染め上げます。ご覧のように、鎌倉石の参道脇を彩るあじさいも見事！シーズン中は行列ができるほどの混雑ぶりですが、それを覚悟で足を運びたくなる美しさです。

普段は入ることのできない後庭園の景色が望める本堂の丸窓は、必ず訪れたいスポット。悟りの象徴である丸（円）をかたどっていることから「悟りの窓」とも呼ばれています。丸く切り取られた新緑や紅葉の景色は繊細な日本画のようで、眺めていると時がたつのを忘れてしまうほど。

明月院やぐらと呼ばれる鎌倉時代の洞窟墳墓も、ぜひ見ておきたい貴重な遺構。間口約7m、奥行き約6m、高さ約3mと、その規模は鎌倉でも最大級。中央の塔は明月院の開基である上杉憲方の墓と伝えられています。ひっそりと佇む墳墓を前に、この寺の長い歴史に思いを馳せてみては。

【DATA】
明月院（めいげついん）
住所：神奈川県鎌倉市山ノ内189
電話：0467-24-3437
営業時間：9:00〜16:00、6月は8:30〜17:00
定休日：無休

香り高い自家焙煎コーヒーが味わえる「石かわ珈琲」

スペシャルティコーヒーの中でもニュークロップと呼ばれる新豆だけを扱う、こだわりのロースタリー＆カフェ。店内で焙煎したばかりの新鮮な豆を丁寧に抽出した一杯は、コーヒー通も納得の香り高く深い味わい。写真のチーズ&パウンド2種盛など、コーヒーの美味しさを引き立てるケーキも用意されています。

豆は量り売りで購入できるので、気に入った豆を買い求めて自宅で味わうのもまた楽しいもの。もちろん、お土産にしても喜ばれること間違いなし。

【DATA】
石かわ珈琲（いしかわこーひー）
住所：神奈川県鎌倉市山ノ内197-52
電話：0467-81-3008
営業時間：11:00～18:00 ※11〜2月は〜17:00
定休日：水曜日・木曜日

風情ある一軒家で楽しむ絶品フレンチ「北鎌倉 紫」

明月院に向かう閑静な住宅街に佇む一軒家のフレンチレストラン。鎌倉市内にあるミシュラン星獲得店「ミッシェル ナカジマ」の姉妹店で、本店同様の確かな味わいを楽しめます。手間暇を惜しまず丁寧に仕込んだ一皿一皿は、美しい盛りつけにも感動せずにはいられません。

店内はどこか懐かしさを感じる和洋折衷のしつらえ。大テーブルや半個室風のスペース、庭を望めるテラス席もあり、さまざまなシチュエーションで利用できるのもうれしい。

【DATA】
北鎌倉 紫（きたかまくら ゆかり）
住所：神奈川県鎌倉市山ノ内187
電話：0467-67-6159
営業時間：10:30～20:00 ※19:30L.O.

定休日：月曜日 ※祝日の場合は翌日休

体が喜ぶ具だくさんのけんちん汁「鎌倉 五山」

一度は訪れたいけんちん汁発祥の店。変化の激しい時代にあっても、この店のけんちん汁は味つけも具材も昔のまま。およそ30年にわたり変わらぬ味を守り抜いているのだそう。8種類の具材と本鰹の一番だしを使った一杯は素朴な味わいで、体に優しくエネルギーをチャージしてくれます。

昔ながらの食事処らしく落ち着いた雰囲気の店内は、ほっこりと安らげる空間。疲れた足を休めつつ、ヘルシーなけんちん汁のランチを楽しんで。

【DATA】
鎌倉 五山（かまくら ござん）
住所：神奈川県鎌倉市山ノ内1435
電話：0467-25-1476
営業時間：10:00～15:00 ※14:30L.O.
定休日：不定休 ※1・7月臨時休業あり

境内を埋めつくすあじさい、丸窓から望む庭園……明月院では心がしっとりと落ち着くような美しい風景に出合えます。周辺のお店もチェックして、癒しの時間を満喫してみては。

※掲載内容は、2017年３月取材時のものです。