読谷・やちむんの里で沖縄伝統の陶器の魅力に触れる
トリコガイドシリーズ 編集部
- 2017年03月30日
沖縄伝統の焼き物“やちむん”。ぽってりとした厚みや鮮やかな色柄など、南国らしい味わいのあるうつわは、自分へのご褒美やお土産にぴったり。ここでは、そんなやちむんの魅力に触れられる沖縄・読谷村のやちむんの里をご紹介。一緒に立ち寄りたい周辺のグルメスポット情報もお届けします。
Index
沖縄伝統の焼き物“やちむん”の魅力
“やちむん”とは沖縄の方言で「焼き物」のこと。南国の風土をそのまま映したかのような温かみのある素朴な風合いや、おおらかな絵付けが魅力です。沖縄の人々の暮らしに息づく民芸品なだけに、普段使いしやすいうつわが多いのも人気のひとつ。眺めているだけで「どんな料理を盛り付けようかな?」と心が躍ります。
やちむんの歴史は古く、その起こりは今をさかのぼること400年以上も前の1600年頃。当時の沖縄は琉球王国と呼ばれ、中国、朝鮮、タイ、ベトナム、日本などと盛んに交易をしていました。そうした海外の国々から陶磁器とともに焼き物の技術が伝わり、やちむんという独自の焼き物文化が花開いていったのだそう。
今日では、そんな長い伝統を受け継ぐベテラン作家の作品に加えて、新しい感性をプラスした若手作家の作品も登場。個性あふれる作品の数々が、うつわ選びをいっそう楽しいものにしています。
読谷村 やちむんの里には工房が集結
やちむんの魅力に触れたいなら、沖縄本島中部の読谷村にあるやちむんの里は外せないスポット。人間国宝の陶工である故・金城次郎さんが1972年に那覇市壺屋から工房を移したことに始まり、今では19の工房が集まる工芸村となっています。
緑豊かなこのエリアには、全国でも珍しい登り窯(土地の傾斜を利用して築かれた窯)や各工房の作品を展示・販売する2つの共同売店、ギャラリー、カフェが点在し、うつわめぐりを楽しみながら沖縄陶器の伝統・文化・歴史を感じることができます。
共同売店のひとつは、1980年開窯の登り窯・読谷山窯で焼成されたうつわを扱う読谷山窯共同売店。大嶺實清さん、金城明光さん、玉元輝政さん、山田真萬さんら4人の陶工による、伝統をふまえながらも独創性に富んだ作品が購入できます。
もうひとつは、1992年に開かれた登り窯・北窯で生み出されたうつわを扱う読谷山窯 北窯売店。宮城正享さん、松田米司さん、松田共司さん、與那原正守さんの4つの工房が手がけた、現代の暮らしにもしっくりなじむ皿やカップなどが並びます。
売店によって扱う工房が異なるだけでなく、手仕事で作られる焼き物にはひとつとして同じものはないため、お気に入りを見つけたときの喜びはひとしお!里の中をぐるりと歩いて回り、やちむんとの一期一会の出合いを存分に楽しみましょう。
【DATA】
●やちむんの里(やちむんのさと)
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味2653-1
電話:098-958-6494(読谷村観光協会)
営業時間:9:30~17:30
定休日:不定休
やちむんの里を楽しんだ後に。おすすめグルメスポット
美味しいモノを探すのも旅の醍醐味。やちむんの里でのんびりうつわめぐりを楽しんだら、地元で人気のグルメでお腹を満たして、さらに幸せいっぱいに。
もっちり生麺とあっさりスープがクセになる「自家製麺 金月そば 読谷本店」
沖縄そばでは珍しい県産小麦を使った自家製の生麺が自慢の店。粉選びから手間を尽くした麺は、のど越しがよく、もっちりとした食感。メニューごとに異なるスープとの相性まで考え、3種類の麺を使い分けるほどのこだわりぶりです。
看板メニューの金月そばはちぢれ太麺。化学調味料を使わない鰹だしのスープとのからみは抜群で、あっさり味ながら満足度の高い一杯に仕上がっています。読谷で買いつけたというやちむんの丼も沖縄らしくて◎。
木のぬくもりたっぷりの居心地のよい店内には、カウンター席のほかにテーブル席やお座敷席もあり、家族連れでも安心。券売機から気軽に注文できます。
【DATA】
●自家製麺 金月そば 読谷本店(じかせいめん きんちちそば よみたんほんてん)
住所:沖縄県中頭郡読谷村喜名201
電話:098-958-5896
営業時間:11:00~16:00
定休日:月曜
地元野菜たっぷりの沖縄料理が味わえる「島やさい食堂 てぃーあんだ」
地元で採れた野菜や鮮魚をふんだんに使った、身体に優しい定食が魅力の店。「子どもに安心安全なごはんを食べさせたい」という店主の伊波さんの思いが、丁寧に仕込まれた料理の一皿一皿から感じられます。
ランチメニューにはてぃーあんだ御膳のほか、メインを県産豚のラフテー、本日の魚料理、旬野菜の天ぷらから選べる定食も。料理はやちむんのうつわに盛り付けられ、目でも楽しめます。
【DATA】
●島やさい食堂 てぃーあんだ(しまやさいしょくどう てぃーあんだ)
住所:沖縄県中頭郡読谷村都屋448-1
電話:098-956-0250
営業時間:11:00~15:00 L.O. ※金~日曜11:00〜15:00、18:00~20:00L.O.。夕食は前日までの予約のみ
定休日:木曜
旬の地魚をあらゆるメニューで堪能できる「大木海産物レストラン」
読谷村に30年にわたって店を構える鮮魚店直営のレストラン。店主は地元漁師の知人も多いため、鮮度抜群の上等な魚介が入手できるのだそう。
おすすめは、漁港から直接届く旬の鮮魚を、バター焼き、煮つけ、マース煮、塩焼き、唐揚げの5種類から選んで注文できるイマイユ(今魚)料理。どんな魚に出合えるかは訪れてからのお楽しみとのことで、期待に胸が膨らみます!
イマイユ料理にご飯、汁もの、刺身、小鉢が付いた定食や、モズクの天ぷらなどの単品料理もあるので、お腹の空き具合に合わせて注文を。
【DATA】
●大木海産物レストラン(おおきかいさんぶつレストラン)
住所:沖縄県中頭郡読谷村大木427-2
電話:098-956-5692
営業時間:16:00~23:00※22:00L.O.
定休日:無休
やちむんのうつわで楽しむ本格イタリアン「石窯ピザ屋 まるき」
本格イタリアンをカジュアルに楽しめる人気店。自慢のナポリピッツアは2種類の小麦粉をブレンドするなど生地にこだわり、オーナー自ら割ったやんばるの薪を使って焼き上げた本格派。芳ばしい香りもごちそうです。
本場ローマの味を追求したカルボナーラなどの生パスタも好評で、季節によっては鹿やイノシシ、熊などの肉を使ったジビエ料理を、種類豊富なワインと一緒に味わえます。
美味しい料理を肩肘張らずにアットホームな空間でいただけるのもうれしいところ。やちむんのうつわを使ったセンスのよい盛り付けにも注目です。
【DATA】
●石窯ピザ屋 まるき(いしがまぴざや まるき)
住所:沖縄県中頭郡読谷村瀬名波230
電話:098-923-2826
営業時間:18:00~22:00※21:00L.O.
定休日:火・日曜
一度は食べたい沖縄の定番スイーツ「鶴亀堂ぜんざい 読谷本店」
世界遺産「座喜味城跡」の目の前にある、知る人ぞ知る沖縄ぜんざいの名店。沖縄でぜんざいといえば、甘く煮た金時豆と白玉にかき氷をのせた冷たいスイーツのこと。たくさん歩いた後のクールダウンにはもってこいです。
この店ではミネラル分を多く含んだ氷を使った粉雪のようにふわふわのかき氷を、沖縄のやちむんや琉球ガラスのうつわでいただけます。
【DATA】
●鶴亀堂ぜんざい 読谷本店(つるかめどうぜんざい よみたんほんてん)
住所:沖縄県中頭郡読谷村字座喜味248-1
電話:098-958-1353
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜
南国テイスト満点の具だくさんかき氷「琉冰 おんなの駅店」
恩納村の道の駅にある、行列のできるフルーツパーラー。人気のアイスマウンテンというかき氷は、その名の通りてんこ盛りのかき氷の上に沖縄の新鮮なフルーツをふんだんにのせたフォトジェニックな一品。驚くほどのボリュームですが、あまりの美味しさにペロリと完食してしまうはず。このほか、沖縄の食材を使ったかき氷もおすすめです。
【DATA】
●琉冰 おんなの駅店(りゅうぴん おんなのえきてん)
住所:沖縄県国頭郡恩納村仲泊1656-9 おんなの駅内
電話:090-5932-4166
営業時間:10:00~19:00
定休日:無休
※掲載内容は2017年3月取材時のものです。
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オンは仕事をバリバリこなし、限られたオフはおもいっきり羽を伸ばして楽しむ!そんな大人のキャリアウーマンの「せっかくだから」を満たす、ちょっと贅沢な国内ガイドマガジン。
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