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滞在スタイルを自分流に!進化型スモールギャザリング【箱根リトリート före】

春の息吹を感じる旅に出よう

長い冬を終え、雪解けとともに、冬眠していた小さな生きものたちが一斉に息を吹き返す。柔らかな日差しと暖かい風が草木を揺れ動かす。黄色いミモザの花が咲き乱れ、桜の蕾が芽を出す。

日常のあらゆるシーンで春の息吹を感じられる、この季節が好きです。今年は残念ながら、新型コロナウィルスの影響で続々と春行事が中止になっていますが、リモートワークの推進によって、いつもと違った環境に身を置きながら仕事をする絶好の機会ではないでしょうか?

 

サク旅の極み!都心から一番近い温泉地、箱根の森でリトリート

春のはじまりに私が旅先として選んだのは、都心から最も近い温泉地の一つであろう、箱根です。新宿駅から小田急ロマンスカーを利用する方法が定番ですが、今回はバスタ新宿から高速バスで宿まで2時間ジャスト、一切乗り換えなしという楽々コースにしてみました。

箱根の数ある宿の中から、今回は箱根散策には外せない仙石原の森の中に佇む【箱根リトリートföre(フォーレ)】に宿泊。

ガラスの森美術館からほど近く、なだらかな山道を少し登ると、リゾートへのダイレクションが見えてきます。パーキングで予約名を伝えると、カートでレセプションまで連れて行ってもらえてチェックインもスムーズに行えました。

前日に積もった雪のおかげで、3月なのに思いがけず雪景色を見ることさえできました。空の青と草木の緑を映し出す窓ガラスが全面に広がった、ビニールハウスのような建物はまさにföreのランドマーク。太陽の光が差し込む大きな池では、春の訪れを喜ぶように鯉が元気よく泳いでいました。

5.5万平米の広大な敷地には、客室棟、大浴場、ラウンジ、ベーカリー、カフェ、レストラン、多目的ルーム、会議室などファシリティがとにかく充実していて、飽きることなく過ごせます。

スウェーデン語で「前へ」という意味をのせて、従来に見た温泉旅館ともホテルとも違う、どこか北欧の趣きを感じるような、進化型リゾートスタイルを体感できます。

 

グループステイにも◎、2BRの北欧スイートで暮らすように旅する

föreの雄大な森に客室はわずか39室。今回滞在した【FORE SUITE】は109平米の広々とした空間に、二つのベッドルームとバスルーム、リビング、キッチンシンク、薪ストーブが備わり、ホテルというよりは別荘に遊びに来たような、どこか温もりと安らぎを感じられました。

たとえばフロアライト、コーヒー豆のグラインダー、デスクのメモパッドや羽根ペン、リビングのラグやソファの上に並んだクッション、ベッドのリネンひとつとっても、センスの光る空間づくりに感銘を受け、日常に取り入れたくなるものばかり。

窓の向こうには緑が広がり、枕元にある小窓から差し込む朝の光りで目覚める幸せ。バルコニーに出れば大涌谷が望めて、季節によっては朝日が山々を赤く照らして、グランドキャニオンのような神々しい情景に遭遇することもあるそう。

冷蔵庫内に完備されたドリンクは全て滞在中フリーで楽しむことができるというホスピタリティもまた嬉しい。

一見チャイナ服のようなルームウェアは、ユニセックスで着られる、シンプルだけどかわいいデザイン。驚くほど軽く、着心地が良いから家に持って帰りたいというゲスト達からの声を受けて、近い将来アメニティとして販売予定だとか。

夜は好きな音楽をかけて、部屋の薪ストーブを囲って揺らぐ炎を見つめたり、ソファで寛ぎながらビール片手に読書をするのもいい。バルコニーに出て澄んだ空気を吸い込んで星空を眺めてみるのもいい。たまにはこうしたテレビのない環境に身を置いて、静かに過ごす夜もいいかもしれない。

一泊二日の二人だけの滞在ではスペースを持て余してしまうから、今度は家族や友達を連れて来よう。子供ができたらまた違う楽しみ方があるだろう。いつかこんなマイホームに住みたいなぁ、とあれこれ夢が広がります。

 

銀座レカン出身のシェフが織り成す地産地消フレンチ

高い天井とガラス張りの開放感溢れるアイコニックな建築は、ダイニングレストラン【WOODSIDE dining】。


日本を代表するグランメゾン「銀座 レカン」出身の実力派シェフが手掛けるフレンチが仙石原で味わえるとして定評があります。ウッドバーニングオーブンの香りが立ち込めるオープンキッチンで、ライブ感を味わいながら食事をすることができます。

ディナーは、アミューズからデザートまでの6プレートにマッチしたワインを楽しめるペアリングコースをいただきました。菜の花、桜エビ、そら豆、鰆など、春の訪れを思わせる旬の食材を上手に使った、目にも美しい繊細な料理の数々。

専属のソムリエが丁寧にゲストのワインの好みを聞き出しながら提供してくれるのも印象的でした。フランス産のピノからトレンディなナチュールワインまで、ワイン好きにはたまらないマリアージュ体験でした。

朝食はビュッフェスタイルで、地下にあるパン工房から出来立ての天然酵母パンをはじめ、オーブンで焼き上げる自家製ベーコンやソーセージ、採れたて野菜のサラダ、自家製ドレッシング、搾りたてのフレッシュジュースなど、一日の始まりに最高のセレクションです。特にトリュフオムレツは絶品!これほど満足度の高いホテルビュッフェにはなかなか出会えません。

 

こだわりのスペシャリティコーヒーとベーカリーでギャザリング

滞在中は客室以外にも寛げるスペースがたくさん。CAFÉ&LOUNGEでは、厳選したコーヒー豆を、日本に数台しかないというエスプレッソマシン(なんと1,000万円超の高級品!)で淹れた、スペシャリティコーヒーをここで味わえます。ホテルゲストは何度利用してもフリー!食後に、お風呂上がりに、自然と集まりたくなる居心地の良い空間です。

さらに併設しているベーカリーは、鎌倉の名店「Paradise Alley Bread&Co.」とのコラボによって誕生しました。パン職人を仙石原までお呼び立てして、レストランの地下にわざわざパン工房まで作ってしまったというほどの情熱とこだわり。

毎朝工房で自家製天然酵母を使ってじっくり発酵させて焼き上げたバゲッドは香り高く、リンゴやバナナなど季節のフルーツを取り入れたフォカッチャは味わい深い。パンを買いにわざわざ仙石原まで足を運ぶ人もいるそう。私もこの味が忘れられなくて、この旅の終わりに自宅用にテイクアウトしました。

 

ダイバーシティな滞在スタイルの提案


この森に足を踏み入れた瞬間、ふうっと自然に深呼吸をしたくなるように、ここで時間を過ごすことが最大のリトリート。

ファミリートリップはもちろん、リーズナブルなプランもあるので一人旅も多いそう。企業の短期研修で、はたまたföreの敷地ごと丸々貸し切ってウエディングで利用する外国人カップルもいるとか。屋外のデッキや多目的ルームを生かせばヨガのリトリートツアーとしても利用できそう。

ゆっくり温泉に浸かって旅館飯を食べて、という日本ならではの温泉旅行もいいけれど、ゲストのライフスタイルやニーズに合わせて、想い想いの自分らしい滞在スタイルをカスタマイズしながら楽しめる多様性と柔軟性、あれこれ想像を膨らませてくれる空間づくりこそが何より魅力で、またこの森に再訪したいと思う所以かもしれません。

施設詳細
名称:箱根リトリート före(フォーレ)
住所:〒250−0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1286-116
TEL: 0460-83-9090
URL:https://www.hakone-retreat.com/hotel/
アクセス:バスタ新宿から高速バス「箱根ガラスの森駅」まで120分
所要時間:2時間
宿泊料金:
28,000円〜(1名一室利用時の1名分料金)
28,000円~(一室2名利用時の1名様一泊二食付料金)
36,300円~(一室1名利用時の1名様一泊二食付料金)

テキスト・撮影:渡辺由布子

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