体が硬い人はヨガができないの?〜ヨガをする上で一番大事なこと〜
大嶋朋子
- 2019年11月25日
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ヨガはカラダが硬いとできない?
ヨガをしたことがない人から聞くことが多いのが「自分は体が硬いからヨガできない」というコメント。実はこれは大きな誤解だっていうこと、ご存知でしょうか?
ヨガの先生達のものすごいポーズを見ていたら、こんなことできない!と思うのは当然のこと。でも、すごいポーズを取ることがヨガなわけではないんです。この記事では、そもそもヨガで大事なことって何なのかをお話します。
呼吸>ポーズ
ヨガでは三密(さんみつ)という考え方があります。これは、体・呼吸・心の三つを協調させるということ。今回はその一つ、呼吸のお話です。
あのポーズができるようになりたい!と一生懸命に頑張るのももちろん大事ですが、力みすぎてポーズをしている時に呼吸が止まってしまうと、残念ながらヨガの効果は得ることができません。形を追い求めすぎず、まずは深い呼吸を意識して、それに合わせてポーズをしていくというように優先順位を変えることが大切です。
日々のストレスやスマホ、デスクワークなどで呼吸が浅くなっている現代人にとって、深い呼吸をすること自体が難しいことがあります。それはストレスによって体に余分な力が入ってしまっていたり、猫背になって肺の動きが小さくなっていたりなど、いろいろな原因が絡み合ってのこと。
でも逆にきちんとした呼吸ができるようになれば、体のこわばりや滞りが流れ始めて、自分が思っていた以上に体が伸びるようになったりするから驚きです。
脳内しあわせ物質が増える!?
この呼吸がもたらすもう一つの効果。それは幸せ物質とも呼ばれる、セロトニンの分泌を増やしてくれることです。このセロトニンは脳内のバランスを整える物質で、感情の起伏をコントロールして平常心を保ったり、ポジティブな心の状態をもたらしてくれる大事な大事な物質なんです。
深い呼吸を意識的に行うと、脳内の前頭前野の血流量が増加。ここは記憶や状況を基に判断を下したり、集中力を向上させたり、人間らしい心をつかさどっている場所です。この血流が増えることにより、セロトニンの分泌が増すという仕組みなんです。
自然とポーズがきれいになる
さらにセロトニンは、抗重力筋と呼ばれる、その名の通り重力に逆らう筋肉を刺激します。この抗重力筋が強くなるほど、持ち上げた腕をしっかり保っていられるようになり、ポーズがより安定し美しく見えるというワケ。
有名なあの先生のような美しいポーズを最初に目指すのではなく、まずは深い呼吸を続けながら動いていくことで、結果的に美しいポーズへと繋がっていくということです。
たかが呼吸、されど呼吸。日々無意識に行っている呼吸を、あるべき姿に戻していくだけで、こんなにも大きな効果が得られるんです。まずは、深い呼吸を意識的に行う練習をして、心と体のバランスを整えていきましょう。
監修:龍村修
龍村ヨガ研究所所長。求道ヨガの世界的権威・沖正弘導師に師事。インド、中国、日本のヨガを30年にわたって学び、ホリスティック医療とヨガを融合。そのオリジナルメソッドの信奉者は国内外を問わず多数。
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監修:龍村修
龍村ヨガ研究所所長。求道ヨガの世界的権威・沖正弘導師に師事。インド、中国、日本のヨガを30年にわたって学び、ホリスティック医療とヨガを融合。そのオリジナルメソッドの信奉者は国内外を問わず多数。
Photo=藤村のぞみ/Model=MaiMai/Text=鈴木さおり(Yogini編集部)
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