科学的にみても「瞑想」はやはり効果がすごかった!
大嶋朋子
- 2024年11月18日
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瞑想すると脳は静かに
瞑想から戻ってきた後、どんな気持ちになるだろうか。個人差はあるが、うまく雑念を流してとらわれず、静かな状態になれた時や、「今」に居続けることができた時は、穏やかで平和、何だかうれしい…という気持ちを味わったりするものだ。
では、瞑想をしている人の頭の中はどうなっているのだろう?実は科学的にはこんなことがわかっている!
01
自律神経を制御
交感神経、副交感神経からなる自律神経は、CAN(central autmomic network/中枢性自律神経繊維網)と呼ばれる脳のネットワークによってコントロールされている。ストレスを感じると、このCANが興奮するため、交感神経が高まる。瞑想は、この興奮を抑制。前頭前野のある一部の働きを高めることで、興奮を抑える。
02
脳内鎮静物質の分泌
脳内鎮静物質GABA(ギャバ)は天然アミノ酸の一つ。脳に存在する抑制系の神経伝達物質として、ストレスを和らげたり、興奮した神経を落ち着かせたりする。GABAが少ないと常にCANが興奮し続けるので、GABAの分泌は多いほうがいいのだが、GABAは脳内でしか作れない。瞑想はGABAの分泌を促すことがわかっている。GABAが分泌されると、脳の雑念が静かになっていく。
03
自分を客観視できる
瞑想をすると雑念が湧いてくるが、それに気づくことは客観視の始まり。普段は雑念にとらわれいるが、瞑想では「雑念が湧いてきた」と、その状態に気づくからだ。そして、「気づく」という客観性があれば、「流す」こともできるようになっていく。それを繰り返すことで、日常的に自分を客観視できるようになっていく。自分を俯瞰できると、自他を分け、人の言葉で落ち込むことを防いだり、自分の能力と環境を切り離して見ることができるようになる。
04
デフォルトモードを作る
私達が何かを見たり、本を読んだりと意識的に活動している時は、脳の一日のエネルギーの5%程度しか使っていない。これに対して、ボーッとして何もしていないような時は、75%ものエネルギーを消費している。最近の画像診断装置の進歩によってわかってきたことだが、これは脳のデフォルトモードと呼ばれる状態。この時、脳は得た情報を整理しているという。それによって、紛れていた情報同士がくっついて、新しいひらめきが起こったりするのだ。
05
不安にさいなまれなくなる
瞑想にはいろいろな方法があるが、「今」にいることを目指すのがマインドフルネスタイプの瞑想。人は過去を後悔し、未来を不安に思うもの。そして、なぜか過去や未来にばかり思いを馳せるクセがある。しかし、今という瞬間にとどまり、今できることを100%行う意識になれると、過去や未来のネガティブなことにとらわれなくなる…というか、過去や未来を気にしなくなっていく。マインドフルネス瞑想は、「今」にとどまることを練習する瞑想。これが日常生活でのクセになると、ポジティブな意識が増えていく。
瞑想を始めたけれど、雑念ばかりが湧いてきてイヤになってしまった…といって、続けない人は多い。けれど、雑念に気づけることは万々歳。自分の頭の中に起こったことを見始めた証拠だ。私達は、例えば外のもの音が聞こえても、それを気にせず流すことができるが、同じように湧いてきた雑念を流し、次に湧いてきた雑念を流し…とやっていくと、そのうち頭の中は静かになっていく。そんなつもりで、気長に瞑想をしてみよう。
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- Credit :
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監修=石井正則
いしいまさのり。医師。JCHO TOKYO新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科臨床部長。スタジオ・ヨギー公認インストラクター。テレビや雑誌など、さまざまなメディアでヨガと医療の接点を医学的、科学的に紹介している。
Illust=タムラカヨ(asterisk-agency)/Text=Tomoko Oshima(Lotus8)
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