ダイエットの敵、食欲を【科学】すると空腹もツラくない?!
YOLO 編集部
- 2019年11月14日
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食欲にかかわるグレリンとレプチン
ダイエットの大敵と言えば、ずばり「食欲」です。この食欲をコントロールしている摂食中枢と満腹中枢に関わっているのがグレリンとレプチンというホルモンです。これらがバランスをとることで食欲がコントロールされます。グレリンとは、胃内分泌細胞で作られており、脂肪をため込み体重を増加させる働きや、食欲を亢進(こうしん)させる働きなどがあります。
前述のように味覚や視覚、嗅覚が刺激を受けて「おいしい」と判断されると、胃や腸、摂食中枢を刺激しますが、この胃を刺激した時に分泌されるのがグレリンです。グレリンは空腹時に胃から分泌されますが、胃に食べ物(特に糖質)が入ることでグレリンの分泌は減ります。つまり、お腹がすくと増え、お腹がいっぱいになると減るホルモンであるため、厳しい食事制限をするダイエットをすれば、空腹を感じて過ごすことになるため、グレリンの分泌量は増えることになります。
レプチンは食欲を抑制する働きがある?
一方、レプチンの働きの一つには食欲を抑制する働きがあります。食事をすると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されることが刺激となり、脂肪細胞でレプチンが作られて分泌されます。レプチンは満腹中枢にあるレプチン受容体(レプチンをキャッチするところ)に作用して食欲をおさえるのです。レプチンは交感神経にも作用して、脂肪の蓄積をおさえ、エネルギー消費を促すという嬉しい働きもあります。脂肪細胞で作られるため、脂肪細胞の数が多いほうがレプチンも多く分泌さるため、体脂肪が多い人の方がレプチンの分泌量も多くなるのですが、一度に大量のレプチンが分泌されるとレプチン受容体の働きが悪くなり、レプチンの効果も得られず、食欲をおさえることができなくなるというデメリットもあります。肥満の人ほど食欲がおさえにくくなるのはこのためです。
また、レプチンは食べはじめて20分経ってから分泌されはじめるため、ゆっくり食べることが大切になります。食欲を促進するグレリンと抑制するレプチンは、バランスが大切です。厳しい食事制限をするとレプ
チンの分泌量が少なくなるともいわれているため、バランスのよい食事を20分以上かけて食べ、腹八分目を心がけましょう。
睡眠時間と食欲の関係を知っておく
また、グレリンとレプチンの分泌量は睡眠との関わりも大きく、睡眠時間が短いと、グレリンの分泌量が増え、レプチンの分泌量が減るとの研究結果が多数、報告されています。適切な睡眠時間は人により異なりますが、太らないためには7〜8時間はぐっすり眠りたいものです。下のグラフは、30〜60歳の男女1024人を対象としたものです。睡眠時間が少ない人は、満腹中枢に作用して食欲を抑えるレプチンの量が少なく(左)、逆に食欲を増進させるグレリンの量は多い(右)という結果になりました。また、肥満の指標となる体格指数(BMI)も高いという結果が出ています。
出典:『脱メタボ!太らない食べ方』
ライター:YOLO編集部
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