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1.2万冊の本と暮らす、本屋+図書館+旅館を形にしたブックホテルでデジタルデトックス【箱根本箱】

失われた読書習慣を取り戻す“Withコロナ時代”

新型コロナウィルスの影響で外出自粛生活がスタートして2ヶ月近く経過し、いよいよ緊急事態宣言も解除されましたが、リモートワークは勿論、ミーティング、レッスン、ワークアウト、飲み会さえもオンラインでやりこなす新たなライフスタイルが確立した人も多いはず。自粛当初は窮屈で仕方なかったはずなのに、いつのまにか“Stay Home”にも慣れて、自分なりの楽しみやトキメキを見出せるようになりました。

外出時の移動や外食の機会がパタッとなくなった分、時間的な余裕ができたことで、今まで後回しにして来た事柄に向き合ったり、新しいことに挑戦するには絶好のタイミングだと思います。部屋の断捨離をするのもいいし、服やインテリアをDIYしてみるのもあり。あるいは料理のスキルを磨いたり、語学を学ぶのもいいでしょう。

此の期に及んで私が向き合っていることといえば、ここ数年すっかり遠退いていた読書の習慣。話題のビジネス書を読んで知識を増やしたり、ジャケ買いした写真集を手に取って感性を磨いたり、家の本棚で眠っていたエッセイに没頭して泣いたり笑ったり。これはこれできっとかけがえのない時間なんだと思います。

インターネットの普及により、光の速度で飛び交う情報を瞬時に収集できる現代。圧倒的に便利になった反面、かつて大切にしていたはずの本や雑誌、新聞で情報を得る習慣は失われつつあります。活字から膨らませる想像力や、研ぎ澄まされる感受性、紙そのものの感触や温もりさえも、本だからこそ味わえる良さだったりします。

世の中の本離れに警鐘を鳴らすように、“本のある暮らし”を改めて体験できる素晴らしい施設が箱根に誕生したと聞きつけ、早速行って来ました。

グッドデザイン賞ベスト100を受賞!日本初のコンセプトホテル

今回私が宿泊したのは、日本初の「本をテーマにしたインタラクティブメディアホテル」として、開業以来SNSや旅行雑誌で話題を集めている【箱根本箱】です。外国人の友人から勧められてずっと気になっていた宿泊先の一つでした。

日本有数の温泉地・箱根の中強羅エリアに位置し、都心からはロマンスカーとケーブルカーを利用すれば2時間半、車なら1時間半ほどで辿り着くアクセスの良さが魅力。
かつては日本出版販売株式会社(以下:日販)の社員保養所だった場所をフルリノベーションして、ブックホテルを中心とした複合施設が2018年にオープンしました。(構想から約3年、開業までのプロジェクトメンバーによるエピソードは「奔走記」としてこちらに詳しく綴られています。https://dotplace.jp/archives/37502/

エントランスに設けた大きな吹き抜け、両サイドには天井にまで届く本棚と長い階段、ランダムに置かれた可愛いチェア、窓の向こうに覗く青空と箱根の山々…どこを切り取ってもフォトジェニックで、訪れた人をもれなく魅了させる、ある種の芸術作品のような空間です。「GOOD DESIGN AWARD2019」のBEST100に選ばれ、ホテルのコンセプトはさることながら、建築の観点から見ても国内外から益々脚光を浴びることでしょう。

とことん読書に没頭できる全室テラス+源泉露天風呂付きのおこもりステイ

今回は感染症対策ということもあり、「お部屋でプライベートステイプラン」を予約しました。食事も温泉も全て部屋で楽しむことができるので、衛生面は安心で、ひとり旅にも最適です。神奈川県民割や、リモートワーク長期滞在プランなどもあるので、用途に合わせて予約してみるのも良さそう。

いわゆる日本の温泉旅館とは異なり、海外でよく見るデザイナーズホテルやブティックホテルといった雰囲気。コンクリート剥き出しのスタイリッシュな内装ですが、無機質なようでどこか温かみを感じるのは、ウッドデッキやライティングがセンス良く施されているから。18室ある客室には全てテラスと露天風呂が備わっていますが、インテリアは異なり、一つとして同じ客室はないというのも特徴です。

今回宿泊した「マウンテンビューツインルーム」は、2階から箱根の山々を一望できます。虫の声や鳥の囀りに耳を傾け、夕日に染まる山々をボーッと眺めながら、テラスの露天風呂に浸かってじんわり汗をかいてデトックス。キンキンに冷えた湘南ビールがやけに美味しく感じました。

冷蔵庫にはアルコール(シャンパンまで!)やジュースが目一杯入っていて、全てコンプリメンタリーというのもまた嬉しいポイント。歯ブラシやコットンに加えて、クレンジングオイルや化粧水などアメニティも充実していました。ルームウェアはオーガニックコットンで着心地がよく、滞在中ずっと着ていました。

さらに客室それぞれに「あの人の本箱」というコーナーがあります。各界の第一線で活躍している読書家、たとえば内田也哉子さん、江國香織さん、椎名誠さんといった著名な方々が選書に関わっているそう。どの本箱にあたるかは泊まってみてのお楽しみですが、誰かの趣味やセンスを垣間見れるワクワク感と、未知なる本と出会うドキドキが味わえること間違いなし!

入浴しながら、はたまたトイレに入りながら、眠りに落ちる間際まで、いつでもどこでも読書に没頭できる滞在先はほかにないでしょう。

重箱で味わうオーガニック&クレンジング自然派イタリアン

【箱根本箱】というとまず本のイメージが強くありますが、実は本格的なローカル・ガストロノミーを味わえるレストランがあるとして高評を得ています。フードディレクターは、ミラノの名店「アンティカ・オステリア・デル・ポンテ」で修行を積んだのち、青森や新潟のレストランで経験を重ねたという佐々木祐治シェフ。

箱根を中心に、神奈川や静岡で採れた食材を存分に楽しめる、オーガニック&クレンジングをテーマに展開するイタリアンです。

今回は部屋食プランのため、食事の時間になるとスタッフの方が客室まで運んで来てくれました。魚介や山菜を使った前菜、コンキリエという名のパスタ、メイン料理の豚のローストまで、フルコースが三段の重箱にギュッと詰められています。スイーツや天然酵母パン一つとっても食材へのこだわりとシェフのセンスを感じられます。

他のゲストとの接触はなく、人目も気にせず、自分のペースでゆったりと食事ができるので、部屋食なら家族連れでも気兼ねなく過ごせそう。日本特有の至れり尽くせりの過剰なおもてなしはなく、必要最低限な接客が外国人観光客にも人気の理由の一つかも。

出来立て熱々のフレッシュなミールや、オープンキッチンならではのライブ感を味わいたいならメインダイニングでの食事をお勧めします。

本のある暮らしを未来に紡ぐ、大人のための秘密基地

館内には滞在中の読書タイムを有意義にさせる要素が、至るところに遊び心満載に散りばめられています。

たとえば地下の本箱シアターでは、ショートフィルムの総合ブランド「ShortShorts」とコラボして毎月テーマを替えて厳選作品を上映しています。

パブリックバスは、強羅温泉の源泉から引いた無色透明の美肌の湯と、大涌谷温泉から引いた白濁した硫黄泉の2種類の泉質が楽しめます。大浴場の廊下にも本棚があり、湯上がりにホッと一息つくように読書をするのも良さそう。

エントランス横にあるライフスタイル&アルチザンショップでは、本はもちろん、ハンドメイドアクセサリーやレザー小物など、暮らしに彩りを添えるグッズが並んでいて購入できます。
本を単なるインテリアとして捉えるのではなく、本のある暮らし、本に囲まれた環境の中で、好奇心や創造力を掻き立てられたり、知性を磨いたり、新しい自分に出会ったり…それはまるで宝探しのよう。

新刊と古書、洋書まで「衣・食・住・遊・休・知」の幅広いジャンルから選書した約12,000冊もの本の中から、実際に手に取って選んで読むに至った一冊には、なんだか物凄く運命的なものを感じます。

テレビやパソコンのない環境で、ただただ本と向き合い、静かに過ごすひと時は新鮮で、私たち現代人には必要なデジタルデトックスの機会だと思います。本好きにはこの上ない天国だし、本離れしていた人にはアドベンチャー要素の高い秘密基地のよう。しばらく遠ざかっていた本との距離がぐっと近くなった二日間でした。

館内にある全ての本を読むのはもちろん、気に入れば購入もできます。本のセレクションも定期的にアップデートされるそうなので、また季節を変えて再訪したいと思える場所でした。

本屋でも図書館でもネットカフェでもない、従来の旅館とも違う、ブックホテルという新しい滞在スタイルの提案。本が担う大切な役割を未来に継承していくためにも、“本のある暮らし”にもう一度身を置いてみませんか?

■施設詳細
名称:箱根本箱
住所:〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-491
公式サイト:https://hakonehonbako.com/
アクセス:箱根登山鉄道ケーブルカー「中強羅駅」から徒歩5分
予算:大人1室2名利用時1名分の参考料金19,688円〜

テキスト・撮影:渡辺由布子

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YOLO 編集部

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