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奈良公園内にOPENした隈研吾建築スモールラグジュアリーで心とカラダを巡らす和漢旅【ふふ 奈良】

京都から30分!いま、ふたたびの奈良へ

京都を後にして私が向かったのは奈良の地。近鉄線でわずか35分ほどで行けるアクセスの良さは言うまでもないけれど、修学旅行先だけにとどまってしまうのは惜しいほど、古都奈良には美しい自然と文化、歴史が根付き、日本の人類史上で重要な時代の遺産や文化財が今もなお残っています。

今年は新型コロナウィルスの影響で外国人観光客が激減したせいか、駅前のロータリーには奈良公園から逃げ出した鹿たちが餌を求めて徘徊している光景には驚かされましたが、それもまたなんだか風情があっていいなと。

奈良の大仏が祀られる東大寺、興福寺、春日大社など世界遺産登録された観光名所はおそらく誰もが一度は訪れたことがあるはず。JR東海が展開しているキャンペーンCMのキャッチコピーにもあるように、長い年月を経て、歳を重ねて、経験を積んだ今、もう一度その古き都に足を運んでみたら、その壮大な佇まいに心を震わされたり、重厚な時間の流れを肌で感じられたり、また違った感動があるかも。いま、ふたたびの奈良へ。

隈研吾建築デザイン“庭屋一如”の和リゾート

今回私が滞在したのは、今年6月にオープンしたばかりの【ふふ 奈良】。
日本の“スモールラグジュアリーリゾート”として人気を博している「ふふ」の熱海、河口湖に続く3目が奈良公園の一角に誕生しました。

「ふふ 河口湖」の記事はコチラ
富士山と河口湖を望めるスモールラグジュアリーリゾート【ふふ 河口湖】

今回は世界的建築家・隈研吾氏を建築デザインに迎え、「灯籠の灯り、歴史の香り、“庭屋一如”の奈良リゾート」をテーマに、世界遺産にも登録された春日山のおおらかな自然と中世の寺院遺構が残る奈良公園の鶯池のほとりに、家屋(宿)そのものが絶妙に調和するように建てられました。

数ある隈研吾建築の中でも珍しい、大和張りをはじめとする古都奈良の景観を継承する奈良格子、連子格子を取り入れ、繊細で陰影のある表情を生み出しています。木目の美しい吉野杉をふんだんに使用した多彩な格子と、軒高を抑えた現代数奇屋造りなど、奈良の魅力を世界に発信できるモニュメントとなりそう。

墨色を基調に、古都としての佇まいを感じさせるカラートーンを組み合わせ、洗練された高級感を演出しています。シックな印象なのにどこか温かみを感じられるのは、歴史が刻まれた古木をインテリアとして大胆に取り入れているから。

たとえばレセプションとスーべニールではこの地に根付いていた立派なクスノキが到着を迎えてくれ、BARのエントランスではムクノキが堂々と存在感を放っています。

奈良の職人技を五感で感じる全室露天風呂付スイート

ふふシリーズといえば、ホテルと旅館の良さを取り入れた、ラグジュアリー且つプライベート空間を大切にしたオールスイートが魅力ですが、【ふふ 奈良】は全30室に天然温泉の露天風呂が備わったスイートでありながら、すべて大きさもデザインもファブリックも異なるしつらえだというから、これは宿泊する楽しみの一つになりそう。

今回宿泊した「プレミアムコーナースイート」は80㎡以上の広々とした空間の中に、日本古来の「座する」をテーマにデザインされた掘り込みリビングと、寝心地の良さにこだわったシモンズとカトープレジャーグループ共同開発のベッドを設えた寝室が一体化したワンルームタイプ。

客室に入るとふわっと漂うウッディな香りは、奈良をイメージして作られたというオリジナルのアロマオイル。奈良の土を用いた香台の上に置かれた吉野杉の角材にアロマを垂らすことで滞在中ずっと香りを演出できるのです。

パウダールームはゆとりのあるシンクで、Dysonのドライヤーやふふオリジナルのアメニティが並びます。墨の香りを取り入れた「YOKOU(余香)」という名のヘアケアは保湿力が高く、使うたびに癒されます。

テラスは、日本人がかつて集いの場としていた縁側での過ごし方を現代のスタイルに再生しているそう。暖かな日差しが差し込み、奈良公園に漂う心地良い風と、鳥の囀りや虫の鳴き声、豊かな緑の匂いを感じながら、和漢の香りの湯に浸かり、じんわり汗をかきます。大和当帰の葉をはじめ、数種類の和漢植物が入った袋を湯船に投じればたちまち和漢(今の季節はミントとヒノキ)が香り、翌朝の入浴まで楽しむことができます。備え付けのポータブルテレビを視聴し始めたらつい長湯してしまいます。

その他床暖房や、ボタン一つでナイトモードに切り替わるターンライトなど、懐かしさの中にも新しさと快適さをきちんと兼ね備えた客室は、非日常空間の中に上質な暮らしを連想させるような寛ぎの滞在を約束してくれます。他の宿泊客との接触はほとんどなく、プライバシーが十分に守られているのでコロナ禍でも安心して滞在できるのでは?

さらに注目すべきは、美しい歴史と文化が根付く奈良の地で、それを形どったアートや伝統工芸品。これらがアートギャラリーのように客室をはじめ館内の至るところに絶妙なバランスで飾られています。

たとえば、客室の玄関にある「道標」は明治40年創業の垣本鉄工所で作られた鉄のアート。香台もまた奈良の陶芸家・畑中篤氏による作品。ベッドのサイドランプは「奈良晒」一本一本の糸を紡ぐ職人の手仕事が施されていて、温かみのあるやさしい灯りを醸し出しています。

知るほどに面白く、学ぶほどに奥深い奈良の伝統や職人技を随所で感じられ、視覚、嗅覚、聴覚…五感が一つ一つ呼び覚まされるようでした。

ここでしか味わえない地産地消・和漢生薬を取り入れた日本料理

遡ること611年、推古天皇の時代に薬草が伝わり、聖徳太子の時代にはすでに薬草摘みが行われていたことが日本書紀に記されているように、奈良県は漢方にゆかりの深い地としても知られています。
【ふふ 奈良】の「日本料理 滴翠」では、地産の大和野菜や和ハーブを取り入れた、一風変わった懐石料理を味わうことができます。

ディナーは先付、八寸、お椀、お造り、強肴、焼物、食事、留椀、香の物、水菓子の贅沢なフルコース。どの席からも四季折々の移ろいを感じる庭園を眺められ、プライバシーを保ちながらゆっくりと過ごせます。

先付には体に良いとされる甘茶と、芍薬(しゃくやく)と当帰根の成分が入った滋養煮凝り、八寸には大和真菜を使用した芥子浸しなど、随所に和漢を取り込んだメニューが続きます。奈良の地酒やワインとも相性抜群でお酒が進みます。

メインの「大和牛和紅茶焼き」は、柿の葉や当帰葉、ドクダミを燻して和紅茶に絡めて焼いた大和牛がキハダの皮に盛り付けられて登場。肉の燻された香りが広がっていっそう食欲をそそります。シンプルに塩で食べるもよし、大和味噌と蓮の実を使った2種類のソースで変化を楽しむもよし。

そしてもう一つ、奈良の郷土料理の一つでもある「飛鳥鍋」を今回初めていただきました。茴香(ウイキョウ)や日本最古のチーズと言われる「飛鳥の蘇」を入れ、現代風に食べやすくアレンジした【ふふ 奈良】オリジナルのレシピ。和風の牛乳鍋をイメージしていたら、鍋いっぱいに大胆に乗ったオマール海老の魚介出汁によってロブスタービスクのようなコクのあるまろやかな味わいに!〆には白飯を投入してリゾット風にしてもいいし、ブレッドやパスタを絡ませて食べても美味しそう…なんて妄想しながら最後まで楽しみました。忘れられない一品に出会えました。

翌朝は、大和野菜のスムージーからはじまり、地元の納豆を使用した納豆鍋、そして奈良の郷土料理でもある茶粥、それにマッチする地産の食材を豊富に使った七寸と焼き魚、デザートの葛切り。これらを1プレートにまとめた贅沢な朝食です。

和漢をテーマに趣向を凝らしたメニューの数々。味わいはさることながら、見た目にも美しく、食べることで内側からのキレイも育む、感動の食体験となりました。

「Spa by SISLEY」西日本初出店!SISLEY監修の薬湯付きスパ

フランスの高級スキンケアブランド「SISLEY」社が100%監修したスパ「Spa by sisley」がここ【ふふ 奈良】に誕生しました。関西圏では初出店で、薬の発祥地としても知られる奈良ならではの薬湯を取り入れたコースはほかにないそう。

植物美容学(フィトコスメトロジー)とテクノロジーの融合から生まれたSISLEYのプロダクトに、近年注目されている禅のボディワークや和漢美容が期待できる薬膳茶を織り込んだ、和と洋の要素を融合した独自のトリートメントメソッドが受けられます。

まずカウンセリングを受けたのち、大和当帰、桂皮、生姜など10種類の自然生薬を独自にブレンドしたオリジナルの薬湯に入浴します。生薬がもつ独特の自然な香りと、天然由来の褐色のお湯が温浴効果を高め、血行促進、冷え性、肩こり、神経痛などを和らげるよう。わずか10分ほどでしたが、じわじわ汗が吹き出て体の芯から温まっていくのがわかります。

続いて施術前後に“禅の呼吸法”を取り入れます。奈良に伝わる鍛金技法で作られたお輪のやさしい音色に合わせて深く呼吸を整えて行きます。お輪を鳴らすことで空気を浄化し、心を落ち着かせていく効果があるそう。

その後経絡に沿った身体全体を包み込むような絶妙な圧と、流れるようなロングストロークで、足裏から背面のコリをじっくりほぐしてくれます。

施術後は和紅茶でホッと一息。薬湯の温浴効果、禅の呼吸、アロマトリートメントで、身も心も温まり、解きほぐされ、巡りが良くなったよう。長旅からの疲れ、日常の疲れが癒されて、至福のひと時でした。

歴史的文化財を復元した庭園は奈良の新たな観光拠点に

エントランスから眺める中庭は、日本を代表するランドスケープアーキテクト・宮城俊作氏が手掛けています。世界遺産春日山の原始林、既存樹を積極的に活かしたデザインで景観を彩ります。石・木・土・水を使うことで自然を表し、打ち水が施された小豆島の石と、土の狭間に小さな緑が顔を覗かせ、古(いにしえ)の平城(=奈良)と京(みやこ)と現在を繋いでくれています。

春には梅から枝垂れ桜へ、夏はヤマボウシの白い花やフィリヤブランの紫色の花が足元を彩り、秋は木々が紅葉し、冬は葉を落とした枝の中でツバキが花を咲かせ…四季折々の彩りある情景をこの庭に見ることができるでしょう。

また、名勝奈良公園に追加指定された旧山口氏南都別邸庭園は、かつて茶の湯文化を通じた交流の場として親しまれていました。瑜伽山の高低差を活かした飛石、石階段、石橋など様々な園路をつたいながら、美しい竹林の中をゆったりと回遊できます。

茶道家・山口吉郎兵衞(滴翠)の茶室を復元した和室はレンタルスペースとして、敷地内にある庭園は奈良県が運営管理して一般開放されています。名建築として奈良公園の新たな観光スポットとしても注目されています。

まるで自然と共生するような野趣あふれる新旧の庭園、奈良の歴史風土に根ざした数々の設え、隅々まで行き届いた拘りが、まさに現代の「庭屋一如」を体現し、奈良公園と宿そのものを確かに引き立てています。

うましうるわし奈良の伝統と自然、そして和漢の力がもてなす、静謐で贅沢な時間に身をゆだね、身も心も浄化され、この地の魅力にとことん没入できるスペシャルな滞在となりました。

■施設詳細
名称:ふふ奈良
住所:奈良県奈良市高畑町1184-1
TEL:0742-81-7738
URL: https://www.fufunara.jp/
アクセス:東京駅からJR東海道山陽新幹線で約2時間京都駅下車+近鉄電車で約40分近鉄奈良駅下車+タクシーで約5分
所要時間:約3時間
宿泊料金:77,000円〜(1室2食1室2名・税サ込)

テキスト・撮影:渡辺由布子(@watanabe_yuko

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