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都心の日本旅館で養生する2泊3日の滞在型スパプログラム「深呼吸養生」【星のや東京】

GoToTravel本格スタート!Withコロナ時代における東京再発見の旅

いよいよ10月から東京もGoToTravelキャンペーンの対象となり、少しずつ旅行の幅が広がりそうな予感。これまでは遠くの日本や海外ばかりに目を向けていた人も、これを機にあえて、身近にある“東京”を再発見する旅に出かけてみるのはどうでしょう?

東京圏を生活拠点にしてると都心のホテルに泊まる機会などそう滅多にないので、こんな時こそワンランク上のホテルライフで、東京の新たな魅力に触れるのも悪くないかも!

今回は「マイクロツーリズム」を提唱する星野リゾートによる「最高水準のコロナ対策」によって、3密を避けた非日常空間で安心安全なstaycaitonを体験したので徹底レポートします。

【参考記事】

1泊5,000円も!一人旅をデザインする3密回避の新ノーマルなホテルステイ【星野リゾート OMO7旭川】

World’s Best Awards2020 Top Hotels in Tokyo第1位!今世界が注目する日本旅館

高層ビル群が建ち並ぶ東京の中心地・大手町エリアの一角に誕生した【星のや東京】。創業当初は大手町に地下1,500mから源泉を掘り起こしたとして話題になりましたが、念願叶って今回ようやく滞在してきました。

2016年の開業以降、多くの外国人観光客を迎え入れてきましたが、今年はなんと、米国大手旅行専門誌「Travel +Leisure」が発表した「World’s Best Awards 2020 Top Hotels in Tokyo」で第1位に選出されました。少々敷居が高い印象でしたが、昨今のコロナによってインバウンドが減少した分、日本在住の私達にとってはGoToTravelキャンペーンも相まって、今こそ気軽に利用できるチャンス!

写真:星のや東京

地下2階、地上17階の縦に長いビル一棟から成る【星のや東京】は、従来の温泉旅館に見る広がりを持った敷地の中のランドスケープデザインとは異なり、空間を上手に活かした、東京の都市風景に調和するような佇まい。江戸小紋の「麻の葉くずし」柄の格子で覆われていて、遠目から見るとオフィス街に馴染む黒いビルですが、近づくと美しい和のデザインが浮かび上がり、存在感を放っています。

大きな青森ヒバの木扉を抜けて中に入ると、四季を書物にした「歳時記」を表現したという縁台の室礼(しつらい)がお出迎えしてくれます。今の時期はお月見、春は桜、夏は夏祭りなど四季折々の調度がしつらわれて、日本ならではの美しい風習に風情を感じる瞬間でした。

伝統的な和のしきたりを踏襲し、玄関では靴を脱いで上がります。壁一面に設えた竹細工の靴箱にしまったまま、館内ではスリッパなどの履物は特になく、イグサの香りと畳表の感触を直接感じられるよう、素足で過ごします。畳敷きのエレベーターに裸足で踏み入れる感覚もなんだか新鮮でした。

お月見ラウンジとお茶の間ラウンジでくつろぎのひと時

ロビーのある2階ラウンジでは、時の移ろいに合わせた催しが繰り広げられます。到着時には季節を感じるドリンクとお菓子(今の時期はお月見団子)、夕食前後には日本酒の利き酒、翌朝には目覚めの自家製デトックスウォーター、チェックアウト時にはお出かけ前のハンドドリップコーヒー、週末の夜には雅楽を観賞できたりと、趣向を凝らしたおもてなしの数々はさすが星野リゾート。

全14フロアある各客室階には、6室の客室と共有スペースである「お茶の間ラウンジ」があり、まるで一つの小さな旅館のよう。それらが積み重なることで「塔の日本旅館」というコンセプトを見事に表現しています。

お茶の間ラウンジにはお風呂上がりに飲みたくなるようなリフレッシュメントや、小腹が空いた時につまみたくなるようなセンスの良いお菓子が並んでいます。絵本や積み木、けん玉などの昔懐かしいおもちゃもあり、お部屋の一部のように大人も子供も楽しめます。

客室階は各階の宿泊客のみしか入れないため、一定のプライバシーが守られ、周りを気にすることなく心置きない時間が過ごせます。はたまた海外のゲストハウスに見るような、旅先で居合わせた宿泊者同士の団欒の場としても重宝しそう。

連泊しても飽きることなく寛ぎの滞在を送れることでしょう。

ボディリメイクと深呼吸ストレッチで体と心を調える

慌ただしい日常生活や季節の変わり目、あるいは感染症対策でマスクを手放せない現代では、無意識のうちに自律神経が乱れ、体調を崩しがち。そこで考案されたのが、滞在型スパプログラム「深呼吸養生」(2018年よりスタートし、新型コロナを機に一部リニューアル)。

ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経が優位になり、筋肉が弛緩して体はリラックスします。自分の意思で自律神経をコントロールできる「呼吸」に焦点を当て、withコロナ時代において重要とされる「肺機能を強化する」「体温を上げる」「免疫力をつける」という点に着目して、深い呼吸を意識するための衣食住、アクティビティを体験するプログラムになっています。

2泊3日の滞在スケジュール例
【1日目】
15:00 チェックイン
16:00 プログラム説明、コンサルテーション
16:30 ボディリメイク
19:00 夕食「豆乳鍋」
21:00 お休み前のスパトリートメント
【2日目】
6:45 天空深呼吸
8:00 深呼吸ストレッチ
9:20 朝食「季節のスープ」
10:00 香りのブレンド体験
12:00 昼食「深呼吸養生オリジナルランチ」
14:15 温泉入浴法レクチャー
14:30 貸切温泉
15:00 スパトリートメント
18:00 夕食「Nipponキュイジーヌ〜発酵〜」
【3日目】
7:00 パワーウォーク
9:00 朝食「生姜ごはんと焼き魚の和朝食」
11:00 アフターコンサルテーション
12:00 チェックアウト

まずはチェックインと同時にウェルカムスイーツのパフェをいただき、コンサルテーションからスタート。

「ボディリメイク」では専属のコンディショニングコーチが医科学的根拠を基に体の状態を分析してくれます。今抱えてる不調と、体の癖、歪み、関節の可動域や柔軟性、筋肉のバランスなどを見て、それぞれに適した美しく健康な体づくりのコンディショニングメソッドを学びます。

私の場合、長年ヨガインストラクターをしているのもあり、柔軟性と体幹には自信はある方でしたが、ここ最近左肩と左股関節に違和感を感じていたので、今回はそれを改善するようなトレーニング方法を伝授していただきました。竹刀のような棒を使ったり、ヨガとは異なるアプローチで行う動きは新鮮で勉強になりました。自分では気付けなかった体の偏りを知ることができたのも大きな収穫です。

ボディリメイクで理論と実践を理解した翌朝は、「深呼吸ストレッチ」を行います。呼吸のリズムに合わせて体を目覚めさせるようにゆっくり動いていきます。爽やかな柑橘系の香りが漂う空間で、自分の呼吸に集中することで肺機能が刺激され、心身共にリラックスできました。

ボキューズ・ドール受賞シェフによる発酵食品とフレンチの融合!免疫力高める美食体験

長きにわたり日本で培われてきた「発酵」という食文化。醤油、味噌、漬物、納豆など各地に根付く多種多様な発酵食品があり、食事に取り入れることで免疫力を高める効果が期待できると言われています。

「深呼吸養生」のプログラムでは、2日目の夕食として発酵食品とフランス料理の調理技法を融合したコース料理「Nipponキュイジーヌ〜発酵〜」を楽しめます。健康に保つ免疫細胞の約6割が腸に存在することから、腸内環境を調える働きをする「善玉菌」を活性させる発酵食品を取り入れて、腸を正常に機能させ免疫力をつけます。

料理長は浜田統之氏。世界最高峰のボキューズ・ドール国際料理コンクールなど数々の受賞歴を持つ実力派シェフです。数年前、星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコートの「ユカワタン」に伺った際にも浜田シェフの料理に感銘を受けたのを鮮明に覚えています。フレンチの高い技術と日本人としてのアイデンティティが独自の世界観を作り出しているとして定評があります。

私がいただいた夏のメニューでは、新型コロナの影響で打撃を受けた生産者の力になれるようにと、出荷時期に消費量が減少してしまった食材も使用しています。メニューには右から「汕、石、鮮、素、彩、涼、蜜」というように漢字一文字で前菜からデザートまでフルコースが表現されていて、お皿に載って運ばれてくるまではベールに包まれています。

写真:星のや東京

浜田シェフのスペシャリテでもある「石 五つの意思」は、五つの前菜を五味(酸・塩・苦・辛・甘)として、五つの石にのせて繊細に表現しています。青森ヒバで作られた台座と、わずか直径5cmほどの白い石の上に、赤、緑、黄色というように彩り鮮やかな小さな料理がちょこんと飾られた、まさに芸術作品。

一つひとつの料理の味付けには、べったら漬け、塩麹、酒粕、かんずりなど日本で古来より親しまれてきた発酵食品を取り入れています。口の中に入れた瞬間、あらゆる味覚が融合してふわっと広がっていき、より敏感に研ぎ澄まされるようでした。

「鮮」を表すサラダは、鰹の内臓を長期にわたり塩蔵熟成し、発酵することによって造られた塩辛とシーザードレッシングとの相性抜群。「素」を表す魚の主役は鮎。珍味、酒の肴としても知られる黒うるか(鮎の腸をすり身にした塩辛)を岩に見立て、白うるか(鮎の白子をつけた塩辛)で文字を描いた、遊び心満載の一品。発酵食品の代表格の大徳寺納豆で和えたインゲンを添えて。

「蜜」を表すデザートは、コロナの影響で消費量が低下した乳製品を使用しています。フードロス削減を目指して作ったミルクジャムをソースに、ヨーグルトで作ったアイスクリーム、桃のコンポートの上品な甘さのハーモニー。蝶々の羽に見立てたカラフルなラングドシャクッキーが漆黒のお皿から今にも飛び立ちそう。

日本の豊かな自然から生み出される季節の食材とフレンチの技法を掛け合わせた、唯一無二のフルコースです。それぞれの料理の魅力をさらに引き出すようなワインペアリングも素晴らしく、感動の連続でした。

また、2日目の昼食には、なんと30種類以上の季節の野菜を中心とした食材を用いて作る小皿と、生姜のスープの特製ランチをいただきます。心身のバランスが調った状態で、素材の味、香り、彩りや食感に意識を集中させます。一皿ずつ大切に口にして、研ぎ澄まされた五感で味わう、忘れられない食体験です。

上質な眠りを誘う深呼吸スパトリートメントとオリジナル抱き枕

滞在中は2回のスパトリートメントを受け、心身のバランスを調えます。初日の夜は、温めた翡翠を使ったボディトリートメントを行い、就寝前に心身の緊張を和らげます。

オイルは3種類の中からその時の気分に合わせて選びます。足裏から膝下の疲れを和らげ、全身を温めて深い呼吸へ誘い、リラックスへと導きます。丸みを帯びた滑らかな肌触りの翡翠が優しく、流れるように肌の上をつたっていきます。翡翠の熱がゆっくりと体に浸透してポカポカと次第に全身から発汗していくのがわかります。

その後オイルトリートメントで隅々まで心地よさを巡らせていきます。知らずのうちに凝り固まっていた肩甲骨周りを繊細なタッチとほどよい圧でじっくりほぐし、手から伝わる温もりが安心感のある寛ぎへ導いてくれました。

施術後は薬膳茶をいただきました。グリーンルイボスティーをベースに、太古の昔から生薬として用いられる霊芝(れいし)をはじめ、エルダーフラワー、クコの実などをブレンドした薬膳茶で、免疫力を高める効果があるそう。

客室に戻ると、眠りに適した環境が整っていました。快適な室温、湿度、明るさに調整され、ベッドには4種類の枕と、深呼吸養生のために作られたというオリジナル抱き枕がセットアップされていました。コンサルテーションの際に「自分にぴったりの枕に出会えてない」と相談したことを配慮して、いくつか用意してくれたのでしょう。

優しく温かな気分にさせてくれる照明、肌触りの良い柔らかな室内着、眠りに誘うふかふかの寝具、日本の静寂な夜の森林をイメージしたという安眠効果のあるヒバの香りに身を委ね、U字型の抱き枕にすっぽりと包み込まれながら、心地よい眠りにつくことができました。

世界に一つだけのオリジナルブレンドオイル作り

「香りのブレンド体験」では、香りの歴史や原料になる植物の特徴、香りそのものが私たちの日常にどのように関わっているのかを学びます。香りの芳香成分は脳を刺激し、交感神経と副交感神経のバランスを調えるため、香りを使って深呼吸をすると自然と心を落ち着かせることができます。

この時間は日本の植物から抽出し精製した和精油を含む12種類のオイルを嗅ぎ比べ、嗅覚という感覚に意識を張り巡らせます。その中から好きな香りを選び合わせて、世界に一つだけのオリジナルブレンドオイルを作ります。

深い呼吸によって心身が調った状態で、たくさんの香りに触れ、嗅覚を研ぎ澄ませながら、今の自分が求める香りを探し出します。香りに集中することで邪念や雑念を忘れる、マインドフルネス的な効果もありそう。

星のや東京に足を踏み入れた瞬間にふわっと漂ういぐさの香りと、枕元に設えられた和の香りが印象的だったので、自宅に帰ってもこの滞在を思い出せるようにと、ヒノキをトップノートに、ショウガ、ゼラニウム、ユーカリを調合してみました。

日常に自分の好きな香りを取り入れるだけで、気分がリフレッシュしたり、心が静まったり、上質な眠りを助けたり……。香り一つでこれほど毎日が豊かになるのかと驚かされました。

東京の空を近くに感じる天然温泉「大手町温泉」を貸切に!

「深呼吸養生」 では、地下1,500mから湧き出る最上階の天然温泉を貸し切ることができます。

オリジナルの入浴法をもとに、温泉の中で上半身を大きく捻じったり、腰から太腿を伸ばすストレッチを行います。深呼吸を意識しながら、大きな関節や手足の末端を動かすことで、筋肉を緩め、より呼吸しやすい体へと導きます。

内風呂からひとつづきの湯船が広がる露天風呂では、フローティングポールを使い、空を見上げながら只々お湯に身を委ねて浮かせることで、体の緊張やこわばりから解放され、ゆったりとした時間を過ごせます。

格子を抜ける風の音や、高い天井の先にある空の色合い、雲の佇まいから季節を感じられるよう。

温泉に浸かりながら全身運動をする機会はそうないので新鮮で、体の芯から温まって、入浴後もしばらく汗が止まりませんでした。お風呂上がりの牛乳や冷たいお茶でクールダウン。都心にいながらもどこか遠くまで旅行に来たような、贅沢な気分を味わえます。

滞在型プログラムを終えて

アフターコンサルテーションでは、2泊3日の滞在を振り返り、心や体に起きた変化を観察します。自宅でも実践できるようにと、ボディリメイクで教わったトレーニング法や、今回ブレンドしたオイルレシピをまとめたファイルをプレゼントしていただきました。

「深呼吸養生」のプログラムを通して、普段当たり前のように行なっている「呼吸」という行為にしっかりと意識を向けて、その大切さに改めて気づかされました。

今回はあいにく天候不良のため体験できませんでしたが、「天空深呼吸」や「パワーウォーク」など屋外で呼吸を感じるアクティビティが目白押しで、一人旅にも最適です。

写真:星のや東京

呼吸が調うことで、姿勢が調う。姿勢が調えば心が調う。心が調えば表情が調う。交感神経と副交感神経のバランスが調う。感覚が調う。体調や心の状態は、毎日の生活に全て繋がっていることを実感しました。

新型コロナウィルス感染症の影響で、これまで以上に人々の免疫力に対する意識が高まった今、長引くマスク生活で乱れた心身のバランスを調えながら、自ら免疫力を高めていくことこそが、何よりwithコロナ時代を乗り越える上で必要なのだと思います。

都会の喧騒を離れた和の安らぎを感じられる非日常空間で、自分を内観し、労わり、養生する、大切な時間を過ごしてみては?

■施設詳細
名称:星のや東京
住所:〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-1
TEL:0570-073-066(星のや総合予約)
URL: https://hoshinoya.com/
アクセス:東京駅丸の内北口出口徒歩10分、東京メトロ大手町駅直通
宿泊料金:42,000円〜(2名1室1名あたり・税サ別)
2泊3日深呼吸養生プログラム:147,000円(宿泊料・税サ別)

テキスト・撮影:渡辺由布子(@watanabe_yuko

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Profile

渡辺 由布子

渡辺 由布子

17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。

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17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。

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