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膝痛が健康寿命を縮める!?膝を健康な状態に保つための心がけとは

「若いから関係ない」が命とりに!健康寿命って何?

健康寿命という言葉を知っていますか?健康寿命とは、介護を受けたり寝たきりになったりせず日常生活を送れる期間のことです。健康寿命を短くする大きな原因が「膝の痛み」です。膝が痛くなれば動くことができなくなり、行動範囲が狭まります。自分で歩いて移動できなければ、必然的に家の中にこもる機会が増えます。すると、外に出て季節を感じたり、さまざまな情報を得たりすることもできなくなりますから、外からの刺激が激減して脳の働きも低下して認知症のリスクも高まります。人間は、歩くことで心身の健康が維持でき、毎日の生活を楽しむことができているのです。もしも膝が悪くて歩けなくなると、これができなくなるのです。

若い人はまだ先のことで自分には関係ないことと考えるかもしれませんね。しかし、膝の痛みやトラブルを放置しておくと、いずれは快適に歩くことができなくなり、健康寿命がどんどん短くなってしまうのです。そのため、若いうちから膝をケアして、痛みが出たら素早く対処していくことが大切と言えます。ここからは、膝をできるだけ長く健康に保つために知っておきたい基礎知識をご紹介していきましょう。

健康寿命を伸ばす膝痛ケアの基礎知識

膝の弱点は、「ひねり動作」

膝を痛める最大の原因は、膝をひねることです。膝関節は、もともと曲げ伸ばし動作が主体の関節で、ひねり動作はわずかしか起こりません。したがって、寝ているときや座っているときなど、膝に体重がかかっていないときに膝を痛めることはほとんどありません。膝を痛めるのは、体重がかかっているときに強くひねられたときがほとんどです。また、体重がかかった状態で慢性的に弱いひねりの力を受けていると、膝関節が擦り減って変形しやすくなります。

ひねり動作は、スポーツ時の急な方向転換(カッティング)や、軸足動作(ピボット)などのときに生じることが多いようです。とくに膝を痛めやすい動きとして有名なのがニーイン・トゥーアウトです。これは足部に対して膝が内側に入ってしまう状態で、股関節の外転筋力低下、膝関節の伸展筋力低下、扁平足などが原因で起こりやすくなります。以前は英単語どおりに「膝が内側を向き、つま先が外側を向く」とされていましたが、現在ではつま先の向きに関係なく膝が内側に入る不安定な状態はすべてニーイン・トゥーアウトに分類されます。

いっぽう、「膝が外側を向き、つま先は内側を向く」状態はニーアウト・トゥーインと言われます。このタイプも膝にねじれが入り、過度な負担がかかります。

膝が痛いときは、温める?冷やす?

急性期や急性痛は冷やして、慢性期や慢性痛は温めるという原則があります。急性期とは一般的に発症から2~3日までの期間です。急に痛くなり、腫れて、熱を持つのは、打撲、捻挫、骨折などの外傷直後や、急性関節炎がおもな原因です。局所的に熱を持ったり、腫れを起こしているときに患部を温めると炎症反応が悪化してしまいます。そのため、炎症があると患部を安静にして冷やすことが重要となります。外傷がなくても使いすぎで膝が熱をもったときも同様に冷やしましょう。

慢性的な膝の痛みは、風呂やカイロなどで温めます。慢性期には筋肉は硬くなり血流が阻害された状態ですが、炎症は起こっていません。したがって、温めると血行がよくなり、筋肉がほぐれるので痛みがラクになります。外傷の場合でも数週間経過しても痛むときは、温めたほうが治癒を促進できると言われています。温めるときには、低温やけどに注意してください。

サポーターの長期着用は膝の筋力低下を招く?

スポーツを日常的に行っている人は、膝サポーターを着用して膝ケアをしている人も多いのではないでしょうか?しかし、膝サポーターの常用はあまり好ましいことではないようです。健康な大学生に片膝だけ支柱付きサポーターを長期間装着してもらうという実験を行ったところ、8週間後に両膝を比較して、筋力には左右差が出なかったものの、サポーターをつけたほうの膝で筋肉が萎縮して大腿部が細くなってしまったという結果が……。さらに瞬発性も低下し、膝の曲げ伸ばしに違和感が生じたのです。実験を終えてサポーターを外して生活を続けたところ、半年経ってやっと全員が元に戻ったとのことです。このことから、膝のサポーターは治療の場合にはやむを得ませんが、安易な長期間着用は控えたほうがよいと言えるでしょう。

高価なサプリより、膝軟骨によいネバネバ食品を

膝をケアするには食にも気を配ることが大切です。膝ケア効果を謳うサプリメントも多々あるようですが、その機能に関しては、かなり誇張して宣伝されている傾向が強いうえ、高価なものが多いです。そのため、一般の食品から膝によい成分を摂取することをおすすめします。

おすすめしたい成分が、関節軟骨に多く含まれる構成成分として「ムコ多糖類」です。ムコ多糖類はネバネバした食品に多く含まれています。具体的には、納豆、めかぶ、もずく、オクラ、長芋など。ほかに、ウナギ、ドジョウ、ナマコ、フカヒレなどもおすすめですが、ものによっては少し高価であるというのが難点です。

グルコサミンやコンドロイチンが豊富な食品

植物性

オクラ、納豆、里芋、山芋、長芋、めかぶ、もずく

動物性

フカヒレ、ウナギ、ドジョウ、ヒラメ、ナマコ、鶏の皮、牛・豚・鶏の軟骨

膝を守って健康寿命を伸ばすには?

体重を増やさない!食事8割、運動2割のダイエットを

膝を守るうえのでもっとも大切なことは無駄に体重を増やさないことです。厚生労働省の平成24年国民健康栄養調査で、肥満の人は、変形性膝関節症になるリスクが男性で3.9倍、女性で4.2倍とされています。適正体重は、身長から計算できます。求め方は「身長(m)×身長(m)×22=標準体重(㎏)」です。たとえば、身長1m70㎝の人なら1.7×1.7×22=63.58㎏が適正体重となります。

標準体重の求め方

身長(m)× 身長(m)×22=標準体重(kg)

体重を減らすには、食事療法と運動療法があります。どちらかいっぽうでなく、どちらも必要ですが、割合としては食事8割、運動2割です。運動だけでやせるというのは極めて効率が悪いのです。まず1日の摂取カロリーが消費カロリーを下回るように少しだけ食事量(摂取カロリー)を減らしてください。わずかに減らすだけでよいのです。急いで無理をすると長続きしません。

また、はじめは順調に体重が減っていきますが、1~2カ月もすると減らなくなります。そうしたら食事量はそのままで、今度は少し運動してみてください。そうするとまた減っていきますが、それも1カ月を過ぎる頃から頭打ちになります。そうなったら今度はまた食事量を減らしてください。このように少しずつ、段階的に体重を減らしていかないとリバウンドをしてしまうのです。

ちなみに、運動することで軟骨が厚く強くなります。もちろん過度な重量や運動はいけませんが、体は負荷を与えるとそれに対して抵抗しようと自動的に調節されます。しっかりと運動することで、骨も軟骨も強くなるのです。

正しく歩いて膝の負担を減らして、健康寿命を伸ばそう

膝痛がないときの正しい歩き方

膝の痛みを防ぐ基本は、正しく歩くことです。膝の痛みが出やすいのは、歩行時に膝が伸びきらずに曲がっている歩き方です。膝がきちんと伸びずに足裏全体で着地していると、体重の衝撃を受け止める足裏のクッション機能がうまく働かずに、膝に負担がかかってしまうのです。「着地する脚の膝は完全に伸ばし、カカトから地面につける」ことです。足裏の皮下脂肪はカカト側がもっとも厚くなっていることから、カカトで着地すればクッション機能が働き、膝を着地時の衝撃から守ることができるからです。

また、あまりに強くドンとカカトで着地するのではなく、ソフトランディングを心がけましょう。まずはカカトの真ん中か、やや外側で着地し、体重を足の小指側から足の親指へと移動させて蹴り出しに至りましょう。

カカトの真ん中か、やや外側で着地し、足の小指側を通って、最後は足の親指で蹴り出しましょう。

膝が痛いときの歩き方

膝に痛みがあるときは歩き方を変えることが必要です。ポイントは、足裏全体でフワッと着地させることで衝撃を和らげることです。そのためには必然的に歩幅は小さくなります。膝は少し曲がったままで、多少すり足になってもかまいません。注意点は、お尻が引けて体が前傾しないようにすることと、下ばかり見ないようにすることです。体が前傾して下を向くと、猫背になり、腰に負担がかかってしまいます。また、痛みがひどい場合は、歩行時に杖を使うことをおすすめします。

捻挫などで膝を傷めたときには、痛いほうの膝のつま先を外側に向けて、片方だけガニ股で歩きます。最大で90°(つま先が完全に外を向く)まで開くことが可能です。歩くときの膝の曲がりが少なくなるので、ラクに歩けるようになります。

<監修>

吉原 潔(よしはら きよし)

アレックス脊椎クリニック院長。日本医科大学卒業 医学博士
日本内視鏡外科学会技術認定医、日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術技術認定医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会指導医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。内視鏡手術専門の脊椎外科医として一般の患者さんから、トップアスリートまで幅広い人々の背骨の悩みを解決。フィットネストレーナーの公認ライセンスも所持(NESTA:全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)。筋力トレーニングおよび体重管理にも造詣が深い。

アレックス脊椎クリニック⇒https://ar-ex.jp/spine

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楠田 圭子

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