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フォロワー急上昇の美人インストラクターは、働くママ!桂美佳さん|トレーナー探訪

第16回は、フィットネスインストラクターの桂美佳さん。全国各地に展開している大手スポーツクラブ「メガロス」にて、スタジオプログラムやパーソナルトレーニング、マシン指導などを行っています。「フィットネス業界にも“働くママ”のフィールドをもっと広げたい」という、桂さんの夢と思いに迫りました。

連載「トレーナー探訪」

引き締まった長身の小顔美人!桂さんに迫る

フィットネス業界を支えるトレーナーを訪問して、仕事へのやりがいやトレーニングへのこだわりをインタビューする連載企画「トレーナー探訪」。今回は、現在「メガロス立川」で勤務している桂美佳さんです。昨年、コロナ状況下を機に本格的に始めたInstagramはフォロワーが急上昇し、9000人近くに上っています。

Instagramが人気上昇中!投稿に込められた思い

コロナ状況下で、どうしてInstagramを始めたのですか?

フィットネス離れを止めたかったからですね。もともと日本のフィットネス人口って、総人口の3%と言われているんですよ。それなのに、現場にいると人がさらに減っていくのを肌で感じて、すごく悲しかったんです。でも、なかなか外に行けない状況だからこそ運動が必要だし、肉体的にも精神的にも健康を維持してほしい。そういう思いから、発信をはじめたんです。

どの投稿も、長い文章にたくさんの思いが込められていて、すごく心に残ります。

「1人でも多くの人にフィットネスの大切さを伝えたい」というのが、大きなテーマです。ジムがどういうものなのか、メガロスにはどんなプログラムがあるのか、ジムに通っている人はどんな思いで頑張っているのかーーーそういったことを綴っています。投稿するたびにコメントをたくさんいただいて、ジムでは聞けない生の声に触れることもできています。

桂さんの投稿を見て、悩んでいる人が救われたり、運動するきっかけになることがたくさんありそうですね。

SNSのすごくいいところが、コメントだけでなくDMをもらえるところですね。実際、「拒食症を克服しました」とか、「ジムに興味がなかったけど行って人生変わりました」とか、「病気だった母がジムに通って治りました」というDMをこれまでにいただいたんですよ。発信した意味があったし、SNSの力というものを感じましたね。

桂さんはスタジオレッスンにパーソナルトレーニングなど、幅広く担当されています。オールラウンダーですよね。

メガロスにはプールもあるので、以前はスイムプログラムを担当していたこともあります。1人でも多くのお客様に接したいから、「総合型スポーツクラブ」で働くことにこだわりがありました。そのためには、私もたくさんアイテムを持っていないとできないですよね。キッズスクールの体操も担当しているので、小学生と接することもあれば、92歳のおじいちゃんと接することもあります。年齢も性別も関係なく接することができるのは、私にとっての喜びですね。

女子高生がドハマり?フィットネス業界を目指した運命の出会い

桂さんがフィットネス業界を目指した理由

そもそも、きっかけは何だったのでしょうか。

地元・山形での高校生時代、母がジムに入会したのがきっかけで、自分も一緒に通い出したのが原点です。制服を着ている会員なんて少ないからかなり浮いていましたけど(笑)、そこでドハマりしたんですよ。

仙台の大学に進学後も、ジムに通っていましたね。そうしたら支配人に声をかけていただいて、在学中はそこでアルバイトをしていたんです。もともと目指していた教員の道か、やりがいを感じてきたフィットネスの道か……悩んだ結果、フィットネスを選んで地元で就職しました。

目指す道さえも変わった、大きな出会いだったんですね。

在学中から、週に1回東京に通って資格をたくさん取りました。だからヨガもピラティスも指導できますし、ダンスやエアロビクスも教えられます。東京の現場を見ると刺激があって、どんどん欲が出てきたんですよね。

就職後は、「最初は地元で頑張って、25歳になったら上京して、花を咲かせてやる」と意気込んでいました。でも、その思いが強すぎて、摂食障害になってしまったこともあるんですよ。

なんと……きっと、肩に力が入っていたのでしょうね。

拒食症と過食嘔吐を繰り返していました。ひどい状態になって最終的に倒れて入院したんですけど、それでも仕事がしたくて精神安定剤を飲みながら続けていました。

今思うと、その状態を”フィットネスで”回復させようと思っていたんですよ。意地ですよね。心と体はつながっているから、いくら食事や運動を見直したって、心を整えないと治らないということに、そこで気づかされたんです。

病気を克服し、宣言通り、25歳で上京しました。

退職願を提出したのが、2011年3月10日。東日本大震災の前日でした。だから、あの日は地元のジムで被災したんです。マシンは倒れるし、プールは津波のように荒れました。3年間勤めたジムの会員様と誰一人挨拶ができないまま東京に来たことは、心残りですね。ただ、そのジムでの経験があったからこそ、今の自分があると思っています。

気づかされたトレーナー像と、ママとして目指す世界

「知っていれば教えられる」では届かない。本気で向き合うトレーナーの在り方

東京に来てからの10年間で、妊娠・出産による退職、パートとしての復帰、そして留学まで経験されているんですよね。

オーストラリアはスポーツサイエンスの研究が進んでいて、フィットネス大国でもあるんです。そこへ一家で留学しに行って、1年間学びました。もうカルチャーショックで!フィットネスの概念がガラッと変わりましたね。

日本では、ジムって日常にプラスしていくもののように思われていますが、オーストラリアでは歯磨きをするのと同じくらい日常。ウエアを着て「Hello!」と言って現れて、汗をかいてもそのまま帰っていく。全く特別じゃないんですよ。

捉え方にそんなに違いがあるんですね。指導という観点でも、何か考えは変わりましたか?

お客様とインストラクターの関係性を考え直しましたね。向こうでは、友達みたいに対等なんです。「先生=特別な存在」じゃなくていいんだということに気づかされて、帰国してからは会員様との距離は近くなった気がします。

指導、というのは、本当に奥が深くて難しいのだろうなと思います。

インストラクターになりたての頃は、「知っていれば教えられる」と思っていたし、「満員のスタジオで輝ける」と信じていましたね。

一番ひどかったのが、山形での勤務時代。最大100人入るスタジオなのに、どんどん参加者が減っていって……4人しか来なくなった時があったんです。当時は頭の中に教えたいことがあっても、それがうまく出てこなかったんですよね。長い年月をかけてやっと、自分はインストラクターなのだと胸を張って言えるようになりましたね。心にも余裕が出てきて、いまでは夫から「やっと教える人の顔つきになったな」と言われています(笑)。

言葉の伝え方をいくつも持っておかないといけないんですね。

パーソナルトレーニングなどのマンツーマンと違って、スタジオで一度に、全員に100%を伝えるのは本当に難しいんです。でも、それをなるべく100%に近づけるのが大事ですよね。

私が指導するうえで大切にしているのは、「目の前の人に100%」。だから、20人いたら2000%で接する。何かを求めてジムに来てくれているわけですから、それだけの熱量で返したい!って思うんですよ。会員様を、「愛する人」だと思うこと。それが私のポリシーです。

「働くママのフィールドを作る」自らがモデルケースに

心から向き合う姿勢が、多くのファンを作る

桂さんが今後挑戦したいことはありますか。

「働くママ」のフィールドを作っていきたいですね。仕事もそうだし、体型もそうだし、子育てによって色々なことを諦めている人ってすごく多いと思うんです。「子どもを産んだから~~」というのをなくして、子どもを産んだからこそ、ママだからこそできるというモデルケースを自ら作っていきたいですね。

フィットネス業界において、働くママは多いんですか?

多いんですけど、日本ではまだちょっと遅れているように思います。どうしても時短勤務になってしまったり、レッスンは控えめにするといった具合ですね。

オーストラリアでよかったのは、ママがレッスンしている姿を、すぐそばで子どもが見ている光景でした。そんなスタイルを日本に取り入れられたら、素敵ですよね。

出産前後は物理的に動けない時期はありますけど、また戻ってこられる世界が普通になればいいですね。

妊娠・出産・出産後、合わせて2年間くらいだとして、それは「何もできない期間」ではなく、私は「パワーアップできる期間」だと考えていますね。ありがたいことに、「そんなに働いているのにママだったの!?」とビックリされることがあるんです。ちょっと大きいこと言ってしまいますけど、世のママたちの希望になれたらいいなって思っています。

すごく勇気づけられると思います!桂さんにとって天職なのでしょうね。

この先も、ずっと続けていきたいですね。2人目の子どもも考えているけれど、産んだとしても絶対続けていきたいし、家族も応援してくれています。年齢や環境によって自分を制限したくない考えなので、どんどん壁を取っ払っていきたい。パーソナルトレーニングで70代や80代のおばあちゃんを担当して、みるみる綺麗になっていくのを見て勇気をもらえるんですよ。人生は年齢によって可能性が小さくなるものではない、ということを証明していきたいですね。

桂美佳(かつら・みか)

山形県生まれ。「メガロス立川店」所属。フィットネスインストラクター、パーソナルトレーナー。ピラティス、ヨガなど資格多数。高校時代にジムに入会したことがきっかけで、フィットネス業界に関心を持ち始める。大学卒業後、地元での勤務を経て2011年上京。Instagramでの発信が多くのファンの心を捉え、フォロワーを増やし続けている。小学生のママ。
Instagram:mikazurara

 

その他の「トレーナー探訪」はこちらから。

連載「トレーナー探訪」

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久下 真以子

YOLO / コンテンツディレクター

久下 真以子

現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。

久下 真以子の記事一覧

現役のアナウンサーでスポーツライター(専門はパラリンピック、野球、サッカー)。トレーニング好きが高じてYOLOメンバー入り。夢はベストボディ出場とフルマラソン完走。欲しいものはウエストのくびれ。猫と一緒に暮らす30代女子。

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