ブランド初の温泉リゾートで奥日光の自然と一体化するウェルネスリトリート【ザ・リッツ・カールトン日光】
渡辺 由布子
- 2021年05月31日
栃木県の日光国立公園内に2020年7月に開業した、国内5軒目となる【The Ritz- Carlton,Nikko(ザ・リッツ・カールトン日光)】。豊かな自然に囲まれながら、おいしい食事と温泉が楽しめる、栃木県としては初のラグジュアリーホテルをご紹介。
- ※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部都道府県に緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出自粛が求められています。施設によっては休業していることがありますので、外出の際はホームページなどで最新情報をご確認ください。
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ザ・リッツ・カールトン国内5軒目は日光に開業
春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色。四季折々の表情と悠久の歴史を擁する日光。ユネスコ世界遺産登録されている日光の社寺や華厳の滝など、見どころも多く、昔も今も人気のデスティネーションです。
そんな日光国立公園内に2020年7月に開業した、国内5軒目となる【The Ritz- Carlton,Nikko(ザ・リッツ・カールトン日光)】に宿泊してきました。栃木県としては初のラグジュアリーホテルということで注目されています。
※昨年宿泊したザ・リッツ・カールトン東京の取材記事はこちら
都心から約2時間半。東京方面からのアクセスの良さが魅力で、家族やカップル、女子旅など、あらゆるシーンを連想させてくれます。
訪れたのは、東京都心で桜が散りゆく4月中旬、奥日光では長い厳冬の冬を乗り越え、少しずつ山桜が蕾を付け始め、ゆっくりだけど着実に新しい季節に向かっているのを感じました。
実はその昔、文明開化期の日本に大きな影響をもたらした外国人たちが国際避暑地として選んだのがこのエリア。風光明媚な中禅寺湖畔に建ち並んでいたという西洋人の別荘群さながら、モダンでありながら温かみのあるヒューマンスケールなホテル建築が、奥日光の地に新しい風を吹き込みました。
ザ・リッツ・カールトン日光 1泊2日リトリート滞在プラン
せっかくの週末旅だからリラックスもしたいし、アクティブにも動きたい!美味しいものを食べたいけど、体にいいこともしたい!という欲張りなYOLO読者の皆さんにピッタリな宿泊プランをご提案します。
- 1日目
15:00 到着・チェックイン@The Bar
15:30 メガボード体験 @中禅寺湖
18:00 温泉
18:45 夕食 @Lakehouse
20:30 就寝前の温泉 - 2日目
08:00-08:30 朝の座禅 @The Library
09:00 朝食 @客室
10:00-12:00 Wellness Program @The Ritz-Carlton Spa
12:30 チェックアウト
12:30-14:00 桜と苺のアフタヌーンティー@The Lobby Lounge
14:00 出発
チェックインはバーラウンジで、ウェルカムシャンパンと共に
チェックインはロビーの先にある「The Bar(ザ・バー)」や「The Library(ザ・ライブラリー)」エリアにて行われ、ウェルカムドリンクにはシャンパン(ノンアルコールも可)を。
ホテルの一角とは思えないほど洗練されたバースペースで、国内外のウイスキー100種類以上を取り揃えた充実のセレクション。壁一面に飾られたボトルさえアートの一部のようにスタイリッシュな空間に溶け込んでいます。ここは食後に改めてゆっくり利用したいところ。
心配していたお天気にも恵まれ、窓いっぱいに広がる奥日光の自然と、燦々と輝く心地よい太陽の光を感じながら、これから始まるステイケーションに胸を躍らせます。
和と洋の趣が息づく、中禅寺湖を望むゲストルームで寛ぎのひと時
自然豊かな日光国立公園内に、メイン棟、レイク棟、マウンテン棟の最大5階建て3棟を有し、古来より山岳信仰の御山として崇められてきた男体山、中禅寺湖、日光連山を望めます。
全94ある客室は、スタンダードにも関わらず57平米の広々とした空間に、リビング、パウダールーム、バルコニーがベッドルームとは独立した形で構成され、もはやスイートと言っても過言ではないほど。
「奥日光の圧倒的な自然美との調和」をデザインコンセプトに掲げ、西洋の感性を残しつつ和の建築様式を融合させ、我々日本人にとっても、おそらく遠方から訪れる外国人ゲストにとっても、居心地の良い空間を演出しています。
たとえば、日本家屋の縁側に見立てたというユニークなラウンジスペース、鹿沼組子をモチーフにしたデザインが配された引き戸、光と陰が交錯する格子。内装や家具にも無垢の木材などの自然素材が多用されています。
石製のバスタブにヒノキの香りのバスソルトを入れて、中禅寺湖を眺めれば森林浴をするように自然と呼吸が深くなります。木製の風呂桶や椅子を設えているのも外資系ホテルでは珍しいのでは?
木製のルームキーもまた新鮮。
一泊二日には十分すぎるほど広いウォークインクローゼットにキャリーケースをしまい、浴衣に着替え、下駄に履き替えてリラックスモードに。
テーブルの木箱には、完熟した真っ赤な苺がウェルカムスイーツとして置かれていて、隅々まで行き届いたサービスがこの滞在を上質なものにしてくれます。
日本ならではの繊細なミニマリズムを至るところに体現することで、心落ち着くひと時を約束してくれます。
4人乗りメガボードに乗って湖上ピクニック体験
奥日光と呼ばれる半径10km以内には約1,300mの高低差があることから、湖、山、滝、湿原、森林、草花など自然環境が箱庭的に集約していて、それらを堪能できるアクティビティが充実しています。ハイキングやサイクリングコースもあれば、中禅寺湖発祥とされるフライフィッシング、夏は鬼怒川のラフティング、冬は湯元に降り積もるパウダースノーを生かしてスノーシューやスキーなど、自然の恩恵を授かった様々なアクティビティが楽しめます。
今回は中禅寺湖で「SUPエクスペリエンス」を。SUPというと1-2人で乗るSUPボードが定番ですが、家族やカップル、友人同士でも楽しめる長さ5mのメガボードに挑戦しました。インストラクターの方が同乗して一緒に漕いでくれるので安心です。
湖のほとりまでホテルスタッフの方が車で送迎してくれ、「いってらっしゃい」と託されたバスケットには、Lakehouseでテイクアウトしたジュースやホットコーヒー、レストランでも人気のカツサンドをピックニック用として特別にテイクアウトメニューのボックスに詰めてくれました。(これだけでもおみやげで買って帰りたいほど!)
日本で一番空に近い湖と言われる中禅寺湖の上で、青く澄んだ空と、円錐の山型が美しい男体山を眺めながら、絶品サンドを味わう。贅を尽くしたピクニック体験がここにありました。
ボートハウスを彷彿させるレストランで栃木の好奇心を掻き立てる美食体験
日が沈み中禅寺湖が薄暮に染まる頃、中庭を抜け、足元のランタンが灯された渡り廊下の先に佇む、二階建ての洋食レストラン「Lakehouse(レークハウス)」でディナーを。湖畔という立地への愛情を込めて、その名が付けられたとか。
ボートハウスをコンセプトにした内装で、釣竿をイメージした照明、ロープやオール、釣り道具の“浮き”を施したアート、中禅寺湖に生息する動植物のスケッチ、大谷石で造られた暖炉など、至るところにその要素が散りばめられていて、訪れたゲストを航海の世界に連れ出してくれるよう。
あるいは、1階のバーカウンターや、開放感ある吹き抜け、シックなインテリア、レトロなストライプの壁、暗めのライティングなどは、NYのステーキハウスにも似た雰囲気さえ感じます。宿泊客に限らず、ここでの食事を求めて足を運ぶゲストも多いそう。
今の季節は、栃木県産のとちおとめとトマトの絶妙な甘味と酸味を調和させたブラッティーナチーズの「カプレーゼ」から始まり、桜鯛、蛤、青海苔、筍、春菊、オリーブといった春を感じる食材を取り入れた「アクアパッツァ」、袋に入った焼き立てのブレッドと合わせて、イタリア産のスパークリング「BELLAVISTA」がバランスのとれた味わいで、食事を引き立ててくれます。
メインには、葡萄の絞りかすを食べて育った「足利マール牛のロースト」に“りんどう”という栃木県産のチーズを絡めたマデラワインソースに、同じく県内産のアスパラガスを添えて。「BERINGER」のカベルネが渋みを抑えたなめらかな口当たりでお肉との相性抜群です。
デザートは、栃木県産の御養卵を使用したメープルクリームブリュレとラズベリーのソルベ。コーヒーをいただきながらコースの余韻を楽しみました。
栃木の雄大な自然と、地元の生産者が大切に育んだ旬の味覚を、ふんだんに使用した本格的且つ洗練された料理の数々に舌鼓を打ちました。
メニューに食材の名前や産地まで丁寧に書かれていることで、もっとこの食材のこと、この土地のことが知りたくなります。
栃木の知られざる食材を伝えていくことで生産者たちと共生し、あえてガストロノミーに寄りすぎず、素材の味を最大限に引き出すシンプルな一皿を追求する。4つのお皿には、そんな早坂総料理長や傳法料理長の想いが込められています。
五感を研ぎ澄ます、朝の本格座禅体験
ホテルに滞在しながら、自然や文化の美しさにゆったりと浸ることが“真の贅沢”として、この地が育んできた「自然」「文化」「スピリチュアリティ」の3つの魅力を柱とするアクティビティを提供しています。
今回は「文化」にあたる、宿泊者限定の「朝の座禅」を体験しました。
奈良時代末期に創建された世界遺産「日光山輪王寺」の別院、日光山中禅寺立木観音の僧侶の誘いのもと、向こうに見える中禅寺湖を感じ、清々しい朝の太陽を浴びながら座禅を組み、呼吸と会話をしながら、今の自分の内側に静かに目を向けます。20分間が長く感じるも短く感じるも人それぞれ。※季節や天候に応じて開催場所が変わります。
客室のクローゼットにあるヨガマットを使って、バルコニーや敷地内のデッキでヨガやストレッチするのもオススメです。非日常空間で、視覚、聴覚、嗅覚、あらゆる感覚が研ぎ澄まされて、心地良い朝のはじまり。
こだわりの卵料理は必見!和洋選べる、忘れられない朝食体験
Best Breakfast Memoriesー世界中を旅する中で、ホテルや旅館で味わう朝食はやはり格別!味付けや盛り付けはさることながら、コンセプト、プレゼンテーション、そこから見えるビューなど、あらゆる要素が重なって思い出に変わります。
以前から朝食に定評のあるザ・リッツ・カールトン日光ですが、日本国内のホテルでは自分史上No. 1とも言える朝食体験でした。
「Craftmanship(クラフトマンシップ)」をコンセプトに、日本の歴史や文化、伝統技巧に敬意を込めて、ジュエリーボックスに見立てたというホテル特製の木箱には、一品一品丁寧に大切に調理された料理が詰められています。ふたり旅なら和食と洋食を一種類ずつ選べるのも嬉しいポイント。
洋食で注目したいのは、純国産鶏によって昔ながらの卵を蘇らせた「那須御養卵さくら」「極」「卵皇」など3種類の卵を日替わりで、オムレツやエッグベネディクトなどお好みの調理法でいただけます。
和食は肉と魚を含む10種類以上の料理がバランス良く入って、炊きたての白飯とお味噌汁が進みます。地元農家の方々がこだわりを持って生産した、採れたて野菜のサラダやフレッシュジュースは和洋どちらにも付きます。
栄養価が高く、健康的な朝食。朝の光や美しい景観を取り込む天井いっぱいの大きな窓。食後はバルコニーでコーヒーを飲みながらホッと一息。最高の一日のスタートに!
トレーニング+温泉+マッサージを体験できるウェルネスプログラム
各国にあるザ・リッツ・カールトンブランドの中でも、温泉を取り入れたリゾートはここ日光が世界初!そんな1200年の歴史を誇る日光湯元温泉と、トレーニングを組み合わせた、4月に開設したばかりの「Wellness Program」を体験しました。
- パーソナルトレーニング(約60分)
- 温泉(約30分)
- ドライマッサージ(約60分)
まずは、屋外テラスを備え、男体山や中禅寺湖を望める24時間利用可能なフィットネススタジオで、カウンセリングをもとに、ゲストの身体の悩みや希望に合わせてトレーニングプログラムを組んでくれます。
担当してくれたセラピスト兼トレーナーの大田原さんは、プロスポーツトレーナーとして活動されていた経歴を活かし、「身体の骨格、筋力、柔軟性」の3つのバランスを意識した効果的なトレーニングをサポートしてくれます。
さすが身体のことを熟知されていて、姿勢や少しの動作を見ただけですぐに改善点を導き出してくれました。
次に、温泉付きの静かなプライベートスパルームに移動し、露天風呂に浸かって体の芯から温めます。単純硫黄泉で美肌の湯として知られる湯元温泉は、源泉は無色透明、地上で空気に触れることにより乳白色のにごり湯に変わるのが特徴。冷え性や疲労回復にも効果的だそう。
たっぷり汗をかいてリラックスしたところで、心身を解きほぐす癒しのトリートメント。整体とストレッチの技術をバランスよく取り入れた揉みほぐしで、しっかり凝りにアプローチしながら、身体のバランスを整えてくれます。
施術後は、季節に合わせた甘酒をいただきながら、日常生活でも継続して続けられる運動法や習慣などをアドバイスいただきました。このプログラムを受けるためだけにでも栃木に足を運びたいほど、学びの多い3時間でした。
日光の移ろう四季を味わう、桜と苺のアフタヌーンティー
チェックアウト後もホテルライフを120%楽しめる、アフタヌーンティーが人気です。
4月後半から5月にかけて奥日光を彩る山桜「オオヤマザクラ」と、日本一の生産量を誇る栃木県産の「とちおとめ」や「スカイベリー」など数種の苺をテーマにした春のアフタヌーンティーで、奥日光に届く一足遅れの春の到来を体感しました。
- スイーツ
とちおとめと桜のショートケーキ
桜餡とホワイトチョコレートのエクレア
ミックスベリーのジュレとムース
桜と苺のパンナコッタ
ストロベリーとピスタチオのタルトレット
日光御養卵バニラクレームブリュレ
スコーン2種(桜・プレーン) クロテッドクリーム・栃木県産苺ジャムを添えて - セイボリー
海老原ファームのじゃがいもと菜の花のヴィシソワーズ
千葉ファーム ほうれん草と浅利のアランチーニ サフラン
季節の豆とマスカルポーネのキッシュ スモークパプリカ
瑞穂農場 黒毛和牛のローストビーフとアスパラガスのサンドイッチ - ティー
かぶせ茶 / 京都
釜炒り茶 / 宮崎
炒りたて焙じ茶 / 静岡
和紅茶 / 宮崎
ブレンド茶 (煎茶、さくら)
ブレンド茶(釜炒り番茶、紅茶、よもぎ)
※上記より一種
東京都心よりひと月以上遅れて届く春の訪れと、これから深まる新緑の季節を思わせるような、赤やピンクとグリーンのコントラストが美しく、思わず写真を撮らずに入られないアフタヌーンティーセットです。
とちおとめ、とちあいか、ミルキーベリー、スカイベリーなどの中から、その日のベストの苺だけを厳選して上2段のスイーツに使用しているそう!
さらに、桜の花びらを添えたブリュレ、桜の葉を練り込んだスポンジ生地、桜のシロップを使ったパンナコッタなど、桜のほのかな香りと甘酸っぱさを随所に感じ、口に運ぶ一つ一つに感動を憶えました。
3段目のセイボリーは、菜の花、アスパラガス、そら豆、スナップエンドウ、グリーンピースといった栃木県産の旬の食材をふんだんに使用し、素材の持ち味を最大限に引き出したシェフのセンスが光る料理の数々です。
コーヒではなく、あえて日本茶や季節のブレンド茶を取り入れることで、和と洋の絶妙なマリアージュを堪能できます。
季節に応じてメニューが変わるそうなので、次回はどんな作品に出会えるか今から待ち遠しくもあります。
上質なおもてなしに触れたひと時
チェックアウト時には、旅の安全や無事の帰宅を祈願したというお守りのプレゼントをいただきました。旅から帰ってもなお、このお守りや写真を見返すたびに、滞在中の香りや味わい、情景、あらゆるシーンが思い起こされて、またすぐにでも再訪したいと思わせてくれます。
日光の奥に潜む歴史ある温泉と、大地の恵み、上質なおもてなしに触れて、疲れた身体を解きほぐし、心の奥まで暖かく包み込まれるような緩やかなひと時。
奥日光の地に誕生した和製ザ・リッツ・カールトンを通じて、より多くの世界の旅行者にも、日本らしさを体感してもらえる日が一刻も早く訪れることを祈るばかり……。
■施設詳細
施設名:The Ritz-Carlton,Nikko(ザ・リッツ・カールトン日光)
住所:栃木県日光市中宮祠 2482
URL:https://www.ritzcarlton.com/jp/nikko
アクセス:浅草駅から東武線で約1時間50分 東武日光駅下車、東武日光駅/JR日光駅より湯元温泉行きバスで約40分
所要時間:約2時間半
宿泊料金:2名1室利用料金:74,880円~(税サ込)
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Profile
渡辺 由布子
17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。
17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。