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Netflixドキュメンタリー『大坂なおみ』。 自らのルーツと多面的なアイデンティティに向き合う

今日紹介したいのは、2021年7月16日(金)よりNetflixで配信されている『大坂なおみ』。

これほど有名にも関わらず、大坂なおみ選手の素顔を知る機会はそう多くない。このドキュメンタリーは、僅か113分(1.9時間)で、私達が普段知ることのできないという大坂なおみ選手のさまざまな表情を見せてくれる。エピソードは3つに分かれている。

Episode 1. 成功 (38分)

Episode 2. 覇者の精神(42分)

Episode 3. 新たな地図(33分)

Netflixドキュメンタリーシリーズ『大坂なおみ』独占配信中

Netflix『大坂なおみ』
詳細をチェック

Netflixドキュメンタリーシリーズ
『大坂なおみ』

Episode 1「成功」

20歳の時に、2018年の全米オープンで優勝し、一夜にしてスーパースターとなった大坂なおみ選手に、彼女自身が“insane”と言うほどの激動の変化がもたらした喜びと苦悩を描く。優勝によって、これまで自身の試合の勝敗が注目されなかった状況から一変し、怖いくらいの人々の熱狂が過熱していく。

また、幼少期、毎日一日8時間、姉と公営テニス場でテニスに打ち込んでいた頃の映像や、家族やコーチ、マネージャーのインタビューを交えながら、大坂なおみ選手がどんな環境で育ち、何のためにテニスをし「勝つ」のかについても紹介。幼少期、多くの人々が父親に「あの子は成功できない」と言っているのをたくさん聞いていた彼女は、自分にできそうな歴史的快挙を考えた。それが「日本人初のグランドスラム優勝」だった。

Episode 2「覇者の精神」

怒涛の日々は続く。Episode 2では、NYファッションウィーク、ADREMEのデザインなどテニス以外の仕事が舞い込んでくる一方で、グランドスラムを2連覇した彼女が、王者の地位に立ち続け、勝ち続ける苦境に直面する。トレーナーやコーチは支えることはできても、選手自身が乗り越えなくてはならない。

全豪オープンでの優勝を目指し練習を積む中、期待の重さに本音を吐く場面も。そして、決勝戦でココ選手に負けたことで、打ちのめされる。そして、大切な相談相手であったコービー・ブライアントNBA選手の訃報が入り、彼女に精神的に追い討ちをかける。落ち込んでしまう大坂なおみ選手はもちろんのこと、彼女を支えるコーチも何もできない状況に悩む。そして、彼女自身がテニスする意義を見つめ直す。

Episode 3「新たな地図」

最終章となるEpisode 3では、彼女のアイデンティティーに迫る。北海道根室市で育った母親と、ハイチ生まれの父親の間に誕生した大坂なおみ選手。「黒人兼日本人の代表になれないかな」と自身の“役割”について思いを打ち明け、オリンピックで米国市民権を放棄し日本代表を選んだことへの「黒人性が奪われた」という非難に対して、「国籍と人種は別物だと理解されてない気がする」と話す。

そして、2020年5月、ジョージ・フロイド氏が白人の警察官達に長時間首を絞められ続けて殺されたことを機に、起こった抗議活動“Black Lives Matter”が全米へ広がっていく中、ミネソタで初めて抗議活動に参加する。「議論を呼んではいけない。大人しい善人としてのイメージを保ってほしがる」と声を上げることを怖がっていた彼女が、ついに声を上げた。7人の名前を書いた7つマスクを用意し、全員の名前を見せられるよう7試合を勝ち抜いていくーー。

大坂なおみ選手の知らない面をたくさん知ることができる、とても新鮮な作品だ。その上、映像を通じて、彼女が経験した高揚感も緊張も苦難も、何だか自分も一緒に体験できているような感覚を味わうことができる。おそらく、普段テニスの試合を見なかったり、テニスにあまり興味がないという人でも、このドキュメンタリー作品を観たらきっと試合を観たくなると思う。「大坂なおみ」という一人の選手、一人の人間の、決していいことばかりではない光も影もまるっと含めて懸命にもがき生きる姿、彼女をサポートするチームの奮闘する姿に触れれば、誰しも立ち向かう力を感じ得られるはずだ。まだ観ていない方にはぜひ観てほしい。

“No one really knows all the sacrifices that you make – just to be good”

Netflix『大坂なおみ』
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Mihoko Inagaki
Writer / Editor / Videographer
2006年〜高レベル放射性廃棄物最終処分問題を取材。その傍ら、『Yogini』をはじめ、トレーニング雑誌のライティング、編集に携わる。2013年、高レベル放射性廃棄物最終処分に関するドキュメンタリー『The SITE -Japan Specific-』を制作。2019年、核燃料サイクル計画映画制作プロジェクトを始動。
http://journalasia.blog22.fc2.com/

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YOLO 編集部

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フィットネス、スポーツ、ヘルスケア、食、旅などをテーマに、毎日を楽しく前向きに生きるためのコンテンツをお届けします。

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