生理前の「眠気」スッキリ!PMS期もシャキッと過ごす対処法&予防習慣
YOLO 編集部
- 2021年11月30日
生理前や生理中は、ホルモンバランスの変化の影響で体調を崩しやすくなります。
生理前にあらわれる不調は、下腹部痛、頭痛、吐き気、めまい、イライラ、むくみ、体重増加などさまざま。なかでも激しい「眠気」に襲われて困る方は、かなり多いのではないでしょうか。
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生理前や生理中の激しい眠気はなぜ起こる?
日常生活に支障をきたすほどの眠気は、何とかしたいですよね。そこで今回は、薬剤師の浅田麻希さんに生理周期による眠気の原因や対策について聞きました。
生理前や生理中はどうして猛烈に眠くなってしまうのか、その原因やメカニズムについてご説明します。
眠気はPMSの症状の一つ
生理前や生理中の眠気は、「PMS(月経前症候群)」の症状の一つです。PMSとは、生理前にあらわれるさまざまな心身の不調のことを指します。
PMSの原因は、生理周期に伴う女性ホルモンの分泌量の急激な変化によるものだと考えられています。
PMSの主な症状
胸の張りや痛み、眠気、むくみ、体重増加、食欲増進、にきびや肌荒れ、倦怠感、便秘、肩こり、頭痛、イライラ、感情の起伏が激しくなる、気分が落ち込む、うつ、集中力低下、無気力感など
PMSの症状は150種類以上あるといわれており、個人差がとても大きいです。世の中の女性の70~80%がPMSを経験しているといわれています。
生理周期によって眠気が起こる原因
生理前に眠気が起こる主な原因には、女性ホルモンのプロゲステロンが増えることがかかわっています。
プロゲステロンは、本来は妊娠を成立・維持させるホルモンです。排卵直後から分泌量が増え、妊娠に備えるためにはたらきます。
プロゲステロンの作用
- 基礎体温を上げる
- 着床しやすいよう子宮内膜を厚くする
- 妊娠に備え水分や栄養を体内にため込む
- 妊娠に備え食欲を増進させる
- 妊娠に備え体を休ませる(催眠作用)
なかでも、プロゲステロンの催眠作用と基礎体温の上昇作用が眠気を引き起こすといわれています。
加えて、生理前にはホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れることで、寝つけなかったり睡眠の質が落ちたりしてしまうことも、日中に激しい眠気に襲われる一因と考えられています。
生理周期による眠気が起きたら?すぐにできる対処法
次に、生理前に眠気を感じたときの対処法をご紹介します。
ストレッチをする
授業中や仕事中など寝たくても寝られない状況で眠気が起きた場合には、ストレッチなどの軽い運動をオススメします。ストレッチをすることで、脳が刺激される効果や血流をよくする効果が期待できます。
肩を回す、軽い屈伸をする、伸びをするといったちょっとした体操でも効果的です。
15分ほどの仮眠をとる
強い眠気に抗うことは難しいので、思いきって短時間の仮眠をとることもオススメです。15~20分程度の昼寝で、午後の眠気解消や集中力アップ効果が期待できます。
ただし、30分以上の仮眠や午後3時以降の仮眠は夜の睡眠に影響をきたすので避けてください。
生理周期による眠気を予防する方法はある?
生理周期による眠気は事前に防げないのかというと、そんなことはありません。
眠気を予防して体調を整えることができる方法を3つご紹介します。
夜に良質な睡眠をたっぷりとる
夜に十分な睡眠をとっておけば、日中の眠気を軽減することができます。良質な睡眠をとるには、寝る前の入浴と、朝に日光を浴びることがオススメです。
湯船に浸かると体温が上がり、副交感神経が優位になって体が休息状態になることから、睡眠の質が高まります。また、朝のうちに太陽光を浴びると、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌がスムーズになって体内時計が整うため、朝自然に起きて夜は自然に眠くなるという本来の正しい生活リズムを作ることができます。
バランスのいい食事を心がける
ホルモンバランスの状態には食生活も大きく関係するため、日頃の食事で必要な栄養素をバランスよくしっかり摂ることが大切です。ホルモンバランスを正常にすることで、眠気を含むPMSの症状改善が期待できます。
以下に、ホルモンバランスや眠気予防にオススメの栄養素や食材をご紹介します。
イソフラボン
イソフラボンにはエストロゲンと似た働きをして、ホルモンバランスを整える効果があります。また、イソフラボンを積極的に摂取することで睡眠の質が高まるというデータもあります。
イソフラボンが多く含まれている食材は、豆腐、納豆、味噌などです。
トリプトファン
トリプトファンは、セロトニンの材料となるアミノ酸です。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、気分を安定させたり睡眠の質を高めたりする作用があります。
トリプトファンが多く含まれている食材は、バナナ、大豆製品、乳製品、卵、玄米などです。
低用量ピルを服用する
PMSの主な治療薬は低用量ピルです。低用量ピルには高い避妊効果の他、ホルモンバランスを整える働きや卵巣・子宮を休ませる働きがあります。PMSの症状全般を改善することができるため、眠気予防効果も期待できます。
ただし、低用量ピルは注意事項も多いため、服用の際は必ず婦人科を受診し、持病や既往歴がある方は医師とよく相談しましょう。
生理周期による眠気や体調不良には漢方薬もオススメ
「対策をしても眠気がおさまらない」「PMSの症状がツラい」「低用量ピルは不安」という方は、漢方薬もオススメです。婦人科でも低用量ピルと同様に、PMSの治療で使われています。
とくに、生理前にイライラや腹痛、だるいなどいくつもの症状が重なる場合には、漢方薬が効果を発揮します。これは、漢方薬が根本的な体質に対してアプローチしてくれるためです。
低用量ピルには副作用リスクがありますが、漢方薬は副作用がほとんどなく、安全性が高い点も魅力。漢方薬なら、生理前の不調が起こりにくい体質へナチュラルに改善を目指すことができます。
バランスのとれた食事や理想的な生活習慣を続けることが難しい場合でも、漢方薬であれば症状や体質に合ったものを飲むだけなので、無理なく続けることができるでしょう。
眠気などのPMSの症状改善にオススメの漢方薬
加味逍遙散(かみしょうようさん)
疲れやすく肩がこり、精神不安のある方にオススメ。血の巡りに働きかけることで、自律神経の乱れを整え、不眠の他、のぼせ、精神症状を改善します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
体力虚弱で疲れやすく、貧血傾向で足腰が冷える方にオススメ。血を補い、余分な水分をとりさることで、婦人科系の機能を活性化します。婦人科トラブル全般に有効です。
ただし、漢方薬はその人に最適な生薬の組み合わせでないと効果がないだけではなく、副作用が起こる場合もあります。大切なのは、自分に合った漢方薬を選ぶことです。
最近、話題になっている「あんしん漢方」では、薬剤師などの医療チームがAIを利用し、「オンライン漢方相談」を行っています。こうした相談窓口を利用して、漢方に詳しい薬剤師に相談してみるといいでしょう。
「自分に効く漢方と出会いたい」、「お手頃価格で不調を改善したい」という方にぴったりです。
ツラい時は無理せずに、生理前の眠気と付き合っていきましょう
思い切って休むことも大切
生理前や生理中は心も体もツラいですよね。そんな時は思いきってゆっくり休むことも大切です。今回ご紹介した方法を実践しつつ、決して無理はせずに、PMSや生理とうまく付き合っていきましょう。
浅田麻希(監修)
薬剤師。2009年に薬剤師免許を取得。有名皮膚科クリニックの門前薬局での勤務・同クリニックでの研修経験を経て、現在は医療系・美容系ライターとして活動中。
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