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氷穴、サウナ、天然温泉、ワイン、茶懐石…冬の山梨プレミアム観光ツアー2022

都心から約2時間半。ドライブはもちろん、特急列車や高速バスを使って気軽に行けるアクセスのよさと、豊富なアクティビティが魅力の山梨県。もう何度訪れたかわからないほど、私にとって馴染みある山梨の、冬ならではのさらなる魅力を探求すべく、今回は山梨県庁主催のメディアツアーに参加してきました。

1泊2日の「冬の山梨プレミアム観光ツアー2022」

キャンプ、ハイキング、温泉、もも狩り・ぶどう狩り、ワイナリー巡り、神社参拝、テーマパーク、日帰りレジャー……。山梨といえば、都心からアクセスしやすく、さまざまなアクティビティやグルメを楽しみながら旅ができる大好きな場所。春、夏、秋それぞれ魅力がありますが、じつは冬もおすすめなんです。

今回のメディアツアーは、冬の今しか見ることができない神秘的な氷穴や、今話題のテントサウナ、地元産ワインを味わうディナー懐石、ラグジュアリーな温泉旅館など、ワンランク上のプレミアム体験を満喫できる1泊2日旅。その魅力をレポートします。

今しか出会えない氷の世界。青木ヶ原樹海ネイチャーツアー

富士山のお膝元、豊かな自然に包まれた富士五湖地域では、春は芝桜、夏はキャンプに花火大会、秋は紅葉まつりなど、年間を通して様々なイベントやレクリエーションが行われます。では冬は?

実は今の季節こそ体験すべきネイチャーツアーがあるとか。舞台は青木ヶ原樹海(別名:富士の樹海)の富士風穴。山梨県富士河口湖町と鳴沢村にまたがる形で存在する原生林から成る広い森と、その中にある洞窟で、国指定天然記念物として定められています。

樹海と聞くと、サスペンスドラマや心霊スポットなど怖いイメージがありますが、山頂から眺めた時に木々が風になびく様子が、海原でうねる波のように見えることから“樹海”と名付けられたそう。

道の駅なるさわから「樹海」へ

集合場所の道の駅なるさわには、冬の澄んだ空気の中で凛と聳え立つ雪化粧した富士山がお出迎え。ウェアとヘルメットはレンタルできますが、とにかく足元が冷えるので分厚めのトレッキングシューズなどがオススメ。

今回のツアーガイドを担当してくれたのは、「スパイシージャム」代表・飯塚さん(通称:メッシー)。富士山麓の大自然に魅せられて数年前に愛知県から移住してきたそう。地域の歴史・文化から、世にも珍しい奇樹の数々、手つかずの大自然、あちらこちらに見られる動物たちの痕跡まで、現地在住ならではの視点で、面白おかしくテンション高めに解説・案内してくれることから大人気のツアーです。

ツアーの送迎車で10分ほど走って樹海入口に到着しました。まずゲートを抜けて30-40分ほど樹海を散策します。洞窟までの道のりはほぼ平坦な林道で、初心者でも安心。静まり返った森の中に、野鳥の囀りと木々のざわめきが聴こえてきます。

噴火を繰り返してきた富士山。水分や養分の少ない溶岩質の土壌であることから針葉樹が発達し、ドロドロ流れ出た溶岩がやがて冷えて固まったことにより、この一帯はゴツゴツとした地盤になったとか。その上に苔や草が生え、木々の成長を助けています。青木ヶ原樹海の苔は毛足が長く、空気をいっぱい含んでいるため、少し温かく感じられるはず。

また、不思議な形の奇樹が多く見られるのもこの森の特徴。根を地面深くに張れず安定しないことから、強風や台風に吹かれて折れたり倒れてしまうのだとか。互いに根や枝が絡み合って、共生して、この神秘的な樹海を形成しているのです。
長い年月をかけて今の姿に再生した森が、冬になっても原生林が青々としていたことから青木ヶ原と呼ばれているそう。

その周辺には風穴や氷穴と呼ばれる洞穴を始め、溶岩洞など数多くの洞窟があります。これらは今から1200年ほど前、貞観大噴火で流れ出た溶岩流によって形成されたと言います。溶岩流の外側は外気に触れることで冷えて固まったものの、内側は流れ続けるため、トンネルのような空洞ができたことから洞窟になりました。

暗闇の先で出合う氷の芸術

ハシゴをつたって10mほど降りると、地上よりもさらに冷え込んでいるのがわかります。観光用にとりわけ整備されていない手付かずの状態で、暗闇の中ヘッドライトの灯りだけを頼りに、凍りついた岩場の洞窟を進んでいきます。

足元が滑らないよう、体幹を使いながら恐る恐る歩いて行く体験はスリル満点で、ちょっとしたトレーニング要素も。

彼方此方に見え隠れする、天井から大地から突起した氷柱が織り成す、美しい氷の芸術は思わず息をのむほど。

ちなみに、「樹海の中では方位磁石が効かなくなる」「迷いの森に一度入ったら生きて帰れない」という都市伝説の真相は…?たしかに、樹海に点在する溶岩の中には磁気を発生する鉱物がありますが、コンパスの針が狂うほどではないそう。

スパイシージャム
https://spicy-jam.com/

本家溶岩焼きレストランで贅沢国産牛サーロインランチ

ネイチャーツアーでたっぷり体を動かした後は、お待ちかねのランチへ。溶岩温泉に併設されているお食事処「巻狩」は、創業50年の老舗旅館であり、富士山溶岩プレートの製造・販売元でもあります。敷地内に工場を構え、日本国内の一流ホテルやレストランに卸しているそう。

熔岩は遠赤外線を放射し、ミネラルを豊富に含有するという特質があります。溶岩プレートの上で焼くお肉は、遠赤外線によってふっくらジューシーに焼き上がります。

従来の鉄板やフライパンは、野菜を焼くと水が出てしまいますが、溶岩プレートなら野菜の水分を閉じ込めたまま焼けるので、シャキシャキした食感が残り、素材のうま味や栄養を逃すことなく美味しく焼き上がるのだそう。

ブランド甲州牛に舌鼓を打つ

メニューは国産牛サーロイン、豚ロース、猪肉などを使ったステーキ定食がメインで、国産牛は全国から日替わりで入荷したお肉を提供しています。今回はブランド甲州牛200gをいただきました。脂がしっかりのって食べ応えがあり、ご飯が進みます。ちなみに、お米も溶岩マリモを入れて炊いていて、溶岩のミネラル効果でより一層美味しく感じました。

近年ではツアーガイドの口コミの影響か、タイ人観光客に爆発的な人気で、あちらの富裕層の間では「一度は行きたい富士山のレストラン」との呼び声も高いとか。

日帰りの溶岩温泉は、遠赤外線効果で骨の髄まで温まるそうなので、次回は是非利用したいところ。

巻狩
https://yougan.com/

森のプライベートサウナロッジでととのう

お腹が満たされた後は、八ヶ岳の麓、標高1,144mの清里エリアに今年リニューアルオープンしたサウナロッジ「88PEAKS」へ。今話題のサウナをロッジごと丸々貸し切って楽しめる贅沢な空間です。

甲府出身でデザイナーの渡辺さんは、全国の温浴施設を巡る中でいつか自分たちの手で作ってみたいと思い立ち、コロナ禍も相まって思いきって清里に移住。ペンション跡地に残された露天風呂を水風呂に変え、フィンランドからテントサウナを輸入し、温度が上がりにくいから小屋も作ろう…といった調子で、八ヶ岳湧水から取水した露天水風呂に加えて、オリジナルのサウナロッジ(脱衣所やシャワールームも完備!)、外気浴デッキを新設し、ととのいのルーティンを叶える“ゴールデントライアングル”が完成しました。

ご自身の持ち前のセンスと、サウナスパ健康アドバイザーの資格を生かした、あらゆる工夫がなされ、他のサウナ施設とは一線を画しています。

88PEAKSの魅力

1.アロマオイル

カウンセリング時にはその日の体調や気分に合わせて、オーガニックのアロマオイルを選びます。他にも、CBDを取り入れたオリジナルメニューを考案したり、高濃度水素吸入ができる水素バーが設けられたり、ストーンには天然石をブレンドしたり…まるでスパのような、エステサロンのような、女性にも嬉しい仕掛けがたくさん。

2.サスティナブル

環境負荷低減を心がけ、サウナロッジ、ストーブをはじめ、店舗で使用する素材は低アレルギーでエシカルなものを取り入れています。サウナの熱源は八ヶ岳産の薪で、間伐材を積極的に使用しています。

3. バリアフリー

健常者、障がい者、性別…といった垣根をフリーにすることもまた目的の一つ。車椅子の型でも利用ができるように設計しています。プライベート空間の中で自分のペースで、好きなスタイルで、アウトドアサウナを楽しむことができます。

4. ミニマムツーリズム

清里・八ヶ岳エリアの宿泊施設や飲食店と柔軟に提携し、地域活性化を図ります。オリジナルのサウナ飯がテイクアウト/デリバリーでき、いずれは酒類提供も検討しているそう。

今春にはサウナの前がグラスガーデンに生まれ変わり、さらにパワーアップすること間違いなし。山梨の大自然が持つ魅力とエネルギーを存分に堪能しながら、深いリラクゼーションと極上のアウトサイドチル。ここでしか味わえないスペシャルな体験です。

88PEAKS
https://88peaks.com/

日本最古のワイナリーの湯宿で坐忘する滞在

今回のお宿は、1891年開業の現存する日本最古のワイナリー「まるき葡萄酒」が運営する温泉旅館「別邸 坐忘」。甲州塩山と笛吹川のほとり、三千坪の広大な敷地に佇み、「静坐し、現前の世界を離れ、雑念を忘れる」という禅語の「坐忘」の名にふさわしく、日々の喧騒から離れ、悩みや考え事を忘れて、静かに自分と向き合える空間です。

本館客室に加えて、2015年に開業した8つの「別邸 離れ」は、小径の先に広がる日本庭園に点在しています。今回滞在した客室は「天鵞絨(びろうど)」。全室露天風呂付き、それぞれ趣の異なる和の設えと、日本の伝統色が名付けられているのが魅力。ゆとりある贅沢な空間づくりで女子旅や家族旅行にも最適です。

滞在中はぜひ、源泉掛け流しの大浴場も利用したいところ。先人が掘り出したという洞窟風呂はこの宿の名物。敷地内から湧出するアルカリ泉で、とろみがあり、ほんのり硫黄の香りが漂う“美人の湯”として定評があります。湯上がりに、はたまた酔い醒ましに、月を眺めながら、風情漂う庭園を抜けて客室へそぞろ歩くもまた至福のひと時。

その他、ワイナリーの見学や夜景ツアーなど、宿泊者はもれなく無料で体験できるアクティビティが充実しているのも嬉しいポイント。

甲州ワインとのマリアージュを楽しむ山のごちそう茶懐石

「茶料理 懐石まる喜」では、日本料理の原点とも言われる茶料理(=茶事でもてなす料理)をベースにした、“山のごちそう”を謳う懐石を堪能できます。JR東日本が運行する特別寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の食事処として選ばれたこともあり人気を博しています。

雄大な自然に恵まれた甲州市は、葡萄や桃といった果物の名産地としても知られ、山里ならではの食材が数多くあります。

旬な素材を取り入れた月替わりメニュー

地産地消を重視し、旬な素材を取り入れた月替わりの献立を、料理長自ら筆を使って達筆に書き上げています。

まずはお腹を作るために一汁三菜から始まります。二つ並んだお椀にはそれぞれ、炊き上がり柔らかな一口大のご飯と、酒粕と白味噌で仕立てた味噌汁が。豆腐の上にちょんとのった餡子と辛子がアクセントに。

お造りの真鯛はあえて細切りに、お醤油の代わりに梅の風味を感じられる煎り酒を。あえてお箸を濡らしているのは「濡れ箸」という作法から。箸置きの代わりに「折敷(おしき。お盆の意)」の縁に箸先を置くのもまた、本格懐石ならではの体験。粋なプレゼンテーションの数々に心を掴まれます。

食事に合わせて、甲州ワインを楽しめる3種のペアリングコースを選びました。まるきワインの原料である葡萄は、名の知れた多くの清流に恵まれた勝沼で育まれています。山梨の気候風土に合わせて品種改良された、醸造用品種である「樽甲斐ノワール」など面白い逸品にも出会えます。

郷土の食と甲州ワインが織り成す、ここでしか味わえない和のマリアージュに舌鼓を打たずにはいられません。

食後は2階のライブラリーラウンジで、書籍とお口直しのコーヒーで寛ぎのひと時。セルフサービスですが、5種のワインテイスティングも可能です。

手打ち蕎麦から始まる朝ごはん

坐忘の朝ごはんもまた贅沢。甲州の素材を知り尽くした、料理長渾身の旬の献立が並びます。生姜を添えた自家製豆腐の葛煮からはじまり、体を温め、目覚めさせます。

一の膳では、土鍋で炊き上げた山梨産の武川四八米のご飯と、甲州麹味噌を使ったなめこ汁を。二の膳では、毎朝料理長が自ら手打ちするというお蕎麦を。ユニークな瓢箪型は「信玄箱」と呼ばれ、武田信玄が鷹狩りや物見の際に用いたものとして、信玄の名がついた機能性の優れた弁当箱なんだとか。蕎麦、麺つゆ、薬味がそれぞれ入った4つの器を重ねることで瓢箪に見せています。

一つ一つにこだわりと丹誠、おもてなしの心を感じる、体にやさしい朝食。また季節を変えて再訪したいと思う、とっておきのお宿になりました。

笛吹川温泉 別邸 坐忘
http://www.fuefukigawaonsen.com/

武田信玄公ゆかりの恵林寺を拝観

「別邸 坐忘」を後にして、車で5分ほどの場所にある「乾徳山 恵林寺」を参拝しました。1330年に夢窓国師によって創建された国指定名勝の庭園、戦国武将・武田信玄公の菩提寺として知られています。

2021年に生誕300年を迎えた信玄公の墓所もあり、月命日の12日には特別に参拝ができます。茶の湯や坐禅体験なども定期的に開催しています。

歴史ある荘厳な庭園やお寺を前に、木々の香り、鳥の囀り、川のせせらぎに癒され、五感が研ぎ澄まされ、浄化されるひと時でした。

恵林寺
https://erinji.jp/

 

山梨県のおすすめスポットはほかにもたくさん。家族と楽しむもよし、一人で気ままに遊ぶもよし。自分だけのイチオシスポットを見つけて、今年の冬を楽しみましょう。

山梨県のその他のおすすめスポットはこちらから。
やまなしの冬の観光
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渡辺 由布子

渡辺 由布子

17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。

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17歳から読者モデルとして多数女性誌に出演。6年間にわたってMBSラジオパーソナリティを務める。現在はヨガインストラクターの他、トラベルライターとして世界中を飛び回る。過去渡航した国は47カ国120都市。ハワイ留学、LA在住経験有り。現在は拠点を湘南に移し、全国各地を巡りながら、東京と行き来してデュアルライフを送る。

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